Subj:ルール紹介84:ブラックマリア From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:97/12/22 15:48
********************************************************************** ブラックマリア[ハートの英国ルール] (Black Maria) 1997/12/22 赤桐 ここで紹介するブラックマリアは,ハートの一種で,英国でプレイされてい るものです。ルール紹介80:ハート[米国ルール]の<注1>で少し古いルールとし て紹介したものと似ていますが,罰点のカードが多くなっています。また,米 国のハートは4人でプレイすることが多いですが,このゲームは3人でするのが 主になっています。 このルールは主に1953年初版のHubert Phillips氏の"The Pan Book of Card Games"に基づいています。この本によって英国でこのルールが広まったのかも しれません。現在このルールが最も一般的かどうかは分からないのですが,最 近の書物にも同じルールが載せられています。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <プレイヤー> 3人〜7人。まず3人用ゲームを紹介します。 <カード> 普通の52枚のカードからクラブの2を除いた51枚のカードを使います。 各スートのカードの強さの順位は(強)A,K,Q,J,10,9,8,7, 6,5,4,3,2(弱)です。 <ディール> 最初のディーラーは任意に決めます。次回からは時計回りに交替します。 各プレイヤーに1枚ずつ17枚のカードを配ます。 <パス> カードが配られたら,各プレイヤーは,自分の手札から3枚のカードを選ん で,右隣のプレイヤーに裏向きで渡します。これをパス(pass)と言います。自 分のカードを渡す前に,受け取るカードの中身を見てはいけません。 <プレイ> パスが終わるとトリックテイキングゲームのプレイが始まります。 最初にリードするのは,ディーラーの左隣のプレイヤーで,自由にどのカー ドでもリードできます。 それ以降は通常のトリックテイキングゲームのルールに従います。切札はあ りません。つまり次のようになります: 1.リードされたスートのカードがあれば,そのうちの1枚を出します。なけ ればどれでも1枚を出します。 2.リードされたスートのうち,最も強いカードを出したプレイヤーがその トリックを取ります(そのトリックに勝ちます)。 3.トリックに勝ったプレイヤーが手札から自由に1枚を出して,次のトリッ クのリードを行います。 <得点> トリックで取ったカードについて,次の罰点がつきます。 ハートの各カード: 1点 スペードのA: 7点 スペードのK: 10点 スペードのQ: 13点 (スペードQをブラックマリアと呼びます) 全部の罰点の合計は43点です。 <ゲーム> ゲームの終了条件は特に決っていません。何ディール行うか決めておくか, 誰かがの累計点が何点か(例えば100点)になると終わるかを決めておけばよい でしょう。 罰点の累計点の最も少ないプレイヤーが勝者となります。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <4人ゲーム〜7人ゲーム> 52枚の普通のカードから,次のカードを除きます。配るときには残りの全部 のカードを均等に配ります。 4人ゲーム: 除くカードなし 5人ゲーム: クラブ2,ダイアモンド2 6人ゲーム: クラブ2,ダイアモンド2,スペード2,クラブ3 7人ゲーム: クラブ2,ダイアモンド2,スペード2 あとは3人ゲームと同じようにプレイします。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <注1> 罰点を各ハートの1点とスペードQの13点のみとすることもあります。これが 元来のルールです。やはりブラックマリアと呼びます。 <注2> 罰点を次のようにすることもあります。 ハートのA: 5点 ハートのK: 4点 ハートのQ: 3点 ハートのJ: 2点 それ以外のハートの各カード: 1点 スペードのQ: 13点 罰点の合計は36点になります。 <注3> パスを右にではなく左にすることもあります。 また,スペードQをパスしてはいけないとか,スペードのAやKもパスして はいけないとか,さらにハートの全カードもパスしてはいけないとかいうルー ルもあります。 <注4> 最初の2トリックにハートをリードしてはいけないとすることもあります。 <注5> 1人のプレイヤーがすべての罰点のカードを取った場合,そのカードの罰点は なくなり,逆にマイナス43点の罰点(つまり43点罰点が減る)となる,という ルールもあります。 **********************************************************************