〜宝塚記念(GI)〜




スズカはG1の舞台へ戻ってきた。

グランプリ宝塚記念。

豪華メンバーを抑えての1番人気。

成長して帰ってきたスズカを歓声が迎える。





メジロブライトがゲートで暴れ、波乱含みのスタート。

しかし、スズカはまったく関係なく逃げの体制へ持ち込む。



加速するサイレンススズカ、

彼はいつもと変わらず、まるでたった一人でレースをしているかの様に、 飄々と逃げを打つのだ。



最後の直線、さすがにG1か、前走ほどの差はなく

徐々に後続が接近する。

そして、前年の年度代表馬・エアグルーヴと

前走までのパートナー武豊が

猛然と外から襲いかかって来た。




しかし、そう思わせたのはほんの一瞬だけだった。

スズカは強烈な二の足をくりだし、再び差を広げたのだ。

豪腕南井のステッキがうなる。

完勝。

この馬はもう負けないのではないか?そんな事を感じさせるほどの強さだった。