●指輪物語第2部のあらまし

全員が一緒に行動していた第1部と違い、旅の仲間がいくつかに分かれて行動することになる第2部。作るほうも大変だったろうと思いますが、知らないで観る羽目になった人も目が回るのではないかと思います。ということで、ここでは「第2部では何が起こるか」について概略を書かせていただきます。「観る前に結果が分かるなんて」というご意見もあるかとは思いますが、そもそもこの物語は、原作からして、「既に起こった/皆が知っている有名な出来事を語った本」という立場で書かれております。従って、映画も、筋書きの分からない意外性を楽しむのではなく、物語を追体験する、という立場で楽しむことを前提に(原作を知らない人にも配慮はされてはおりますが)作られておりますので、予め話の展開を知っておくのは悪いことではないでしょう。

第2部は次々登場する重要キャラクター、戦闘に次ぐ戦闘の派手な展開を見せる前半部、そして、FrodoとSamとGollumの、ひたすらMordorを目指す地味で内省的な後半部から成ります。映画では多分ばらばらに旅を続ける指輪の仲間たちの別々の話を交互に出してくるのではないかと思いますが・・・いずれにせよめまぐるしい展開になるのは間違いないでしょう。圧巻はやはりHelm's Deepでの戦い。今回も画面いっぱいにやってくれるみたいです。


○FrodoとSamの旅
'Ah well, sir,' said Sam, 'you said my master had an elvish air; and that was good and true. But I can say this: you have an air too, sir, that reminds me of, of -well, Gandalf, of wizards.'
'Maybe,' said Faramir. 'Maybe you discern from far away the air of Númenor. Good night!'
Mordorを目指す2人の前に、Moriaあたりからずっと後をつけてきていたGollumが現れます。FrodoはGollumを手なずけてMordorへの道案内をさせます。途中で物語全般での最重要キャラクターの一人、Boromirの弟のFaramirが登場します。彼もまた指輪のTemptationを受けますが・・・
Mordorに近づくにつれ力を増し、Frodoの心を押しつぶして行く指輪、GollumとSméagol※の葛藤、指輪を取り戻したいGollumが仕掛ける罠。大蜘蛛Shelobの毒に侵され仮死状態に陥って敵の手に落ちるFrodoと、彼を「見捨てた」形になってしまったSamの苦悩で第2部は幕を閉じます。
※Gollumは喉を鳴らす音からつけられたあだ名で、本名はSméagol。SméagolはHobbit族の近縁で、指輪に対してHobbit同様かなりの抵抗を示します。彼の中にまだほんの少し残っている良心が現れる時、彼は自分をSméagolと呼ぶのです。第2部中盤ではこの2者の心の中での対立が独り言の形で表現されています。面白い事にGollumの目の光がこの2者が交互に現れる度に灰色−緑色に色を変えるのですが、映画ではこのシーンは出てくるでしょうか?

○MerryとPippinの旅
'... An angry Ent is terrifying. Their fingers, and their toes, just freeze on to rock; and they tear it up like breadcrust. It was like watching the work of great tree-roots in a hundred years, all packed into a few moments.
Sarumanの配下のUruk-haiたち(原作では”白の手”マークをつけたSarumanの手下たちと、”赤い目”のマークをつけた、MordorのOrcたちの混成軍)に捉われた二人。Rohanの騎士たちに追撃され、また、仲間割れという助けもあって、Isengardの周囲に広がる広大なFangornの森に逃げ込むことに成功し、そこで彼らは木の牧人、Entたちと出会います。Sarumanに大切な木々を切り倒されたEntたちの怒りにHobbitたちの話が火をつけて・・・
怒ったEntはこわい!すごい!つよい!映画でもきっとやってくれると思います、楽しみ。

○Aragorn, LegolasとGimliの旅
He lifted up his staff, and Gimli's axe leaped from his grasp and fell ringing on the ground. The sword of Aragorn, stiff in his motionless hand, blazed with a sudden fire. Legolas gave a great shout and shot an arrow high into the air: it vanished in a flash of flame.
'Mithrandir!' he cried, 'Mithrandir!'
Rohanの騎士たちを率いるRohan王Théodenの甥、Éomerに誰何される3人。彼から馬を借り受けて追跡を続け、Fangornの森に入った彼らは、復活を果たした’あの人’と再会。Sarumanのスパイ、Gríma, Wormtongueによって無気力に陥っていたThéoden王を癒した一行は、Helm's DeepでSarumanの大軍勢を迎え撃つ事に・・・
Aragornに憧れるÉowyn姫は、映画ではかなり積極的なライバルの位置づけになっているのか、本来第2部には顔を出さないArwen姫やらElrondまで出てくるようで、まぁいいんですけど・・・

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