Subj:ルール紹介50:500ラミー From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:97/04/11 11:50
********************************************************************** 500ラミー(Five Hudred Rummy) 1997/4/11 赤桐  500ラミーは,麻雀やカナスタと同じように,ラミーの一種です。500 ラム(Five Hundred Rum)とかピノクル・ラミー(ラム)(Pinochle Rummy/Rum) とも呼ばれます。  メルドに対して得点がつくゲームとしては,最も古いゲームの1つで,カナス タなどの祖先にあたります。しかし,他のゲームにはない特徴があるので,今 でもプレイされています。  このゲームの最も面白い点は,捨て札の山の下になっているカードを取るこ とができるという点です。また,多人数のラミーゲームには珍しく,カードを 1組だけ使います。  スリリングなゲームであり,運の要素も強いけれど,技術もかなり必要とさ れるゲームです。特に3人用のゲームとしては,ベストゲームの1つです。  シンプルなゲームなのですが,調べてみると,意外に多くのローカルルール やバリエーションがあることが分かりました。これは,今でもたくさんの人に プレイされている証拠でしょう。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <人数>  2人〜4人。普通,4人のときも個人戦で行います(パートナー戦にはなりませ ん)。 <カード>  通常の52枚のカードを使います。 <ディール>  ドローして(裏向きのカードから1枚取って),最も低いランクのカードを引 いたプレイヤーが最初のディーラーになります。このときのランクは(低)A, 2,3,4,5,6,7,8,9,10,J,K,Q(高)です。同じランクならば引き直し です。  次回からは,ディーラーは時計回りの順に交代します。  ディーラーは,各プレイヤーに1枚ずつ7枚のカードを配ります。そのあと, 1枚のカードをテーブルに表向きに置きます。これは捨て札の山(Discard Pile) の最初のカードとして扱われます。残ったカードは山札(Stock)としてテーブル に裏向きに置きます。  ただし,2人でプレイするときには,各プレイヤーに13枚ずつ配ります。 <プレイ>  ディーラーの左隣から時計回りの順に次のようなプレイを行います。  1)山札または捨て札の山からカードを取ります。山札から取るときは一番 上のカードを1枚取ります。捨て札の山から取るときは,一番上のカードを1枚 取る場合と,もっと下のカードを取る場合があります。捨て札の山の下の方の カードを取るためには,あとで述べる制約があります。  2)次に,「メルド」および「レイオフ」をすることができます。メルドと は,ある組み合わせのカードを,手札から出してテーブルに公開することです。 レイオフとは,自分または他のプレイヤーのメルドに対して,カードを付け加 えることです。メルドまたはレイオフは,両方または片方を,いくつ行っても かまいませんし,全く行わなくてもかまいません。  3)自分の手札から1枚のカードを捨て札します。捨て札するときには,捨て 札の山の上に表向きに置きますが,下の全部のカードのインデックスが見える ように,少しずつずらしながら置きます。 <メルド(Meld)>  メルドのカードの組合わせは,次の2種類があります:  1)3枚または4枚の同じランクのカード。例えば,4のカードを3枚とか,キ ングを4枚とかです。  2)3枚以上の同じスートのシークエンス(続き札)。例えば,クラブの8- 9-10-Jなどです。Aは2の下としても,Kの上としても使えます。つまり, A-2-3もQ-K-Aも可能です。ただし,K-A-2というようなメルドはでき ません。  メルドは,自分の前のテーブルに表向きに出さなければなりません。手札の 中に上記の組み合わせがあっても,メルドとはみなされません。 <レイオフ(Lay Off)>  手札は,メルドにするだけでなく,自分や他のプレイヤーのメルドに付け加 えることもできます。これをレイオフ(付け札)と呼びます。レイオフできる のは,メルドに加えたときに,上記のメルドの条件に当てはまるカードです。  つまり,同じランクのメルドに対しては,さらに同じランクのカードをレイ オフできます。例えば,Aが3枚のメルドがあった場合,残りの1枚のAが手札 にあれば,これをレイオフすることができます。  また,同じスートのシークエンスのメルドを,さらに延長するようなカード もレイオフできます。例えば,クラブの2-3-4というメルドがあった場合, 手札にクラブのAやクラブの5があれば,レイオフすることができます。また, クラブの5と6を持っている場合,その両方のカードをレイオフできます(も ちろん,クラブの5をレイオフしないで,クラブの6をレイオフすることはで きません)。  また,自分や他のプレイヤーのレイオフの後に,そのカードに続けてレイオ フする事もできます。例えば,ハートの9-10-Jというメルドがあり,誰か がハートの8をレイオフしていた場合,ハートの7をレイオフすることもでき ます。  他のプレイヤーのメルドにレイオフする場合には,レイオフのカードは,そ れを付けるメルドのところではなく,自分のテーブルの前に置きます。自分の メルドにレイオフする場合には,メルドに続けて置いてかまいません。  レイオフするときには,どのメルドに付けるかを宣言します(特に,レイオ フできるメルドが2個所以上ある場合には,はっきり言わなければなりません)。  なお,メルドをしていないとレイオフできないというような制限はありませ ん。 <捨て札の山の下の方からカードを取る場合>  捨て札の山の一番上からカードを取る場合には,山札から取った場合と同じ ように普通にプレイできますが,捨て札の山のそれ以外のカードを取るために は,次のような制限や義務があります。  1)目的のカードだけでなく,それより上のカードはすべて取らなければな りません。  2)目的のカード(取ったカードの束の一番下のカード)を使ってメルドを 作るか,そのカードをレイオフしなければなりません。これができなければ, このように捨て札の山の下の方から取ることはできません。  ただし,取ったカードの束の上の方のカードも使ってメルドやレイオフして よいので,極端な例では,クラブのKが目的のカードで,その上の方に他のK が2枚捨ててあれば,手札にKが1枚もなくても,クラブのKを取ってK3枚のメ ルドを作ることができます。 <プレーの終わり>  次のいずれかが起こったら,プレイは終了します。  1)誰かのプレイヤーの手札がなくなったとき,そのプレイヤーの上がりで プレイは終了します。メルドやレイオフをして手札がなくなっても,捨て札を して手札がなくなっても,かまいません。  2)山札がなくなったとき。最後の山札を取ったプレイヤーが普通にプレイ したあと,プレイ終了となります。 <得点>  各カードは次のような点数をもっています。   2〜10  : 数字通りの点数(2〜10)   J,Q,K : 各10点   A     : 15点。ただし,A-2-3...のメルドの時は1点。  プレイが終わると,自分がメルドまたはレイオフしたカードの点数の合計か ら,手札の点数の合計を引いたものが,得点になります(マイナス点になるこ ともあります)。  上がったプレイヤーに対するボーナス点はありません。 <ゲームの終わり>  ディールが終わりって得点計算した結果,累計点が500点に到達していたプレ イヤーがいたら,ゲームは終了します。最も高い点数のプレイヤーが勝者とな ります。同点ならば,さらにディールを続けます。  精算を行う場合には,各プレイヤーが他の各プレイヤーとの得点差を受け取 りまたは支払います。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <注1>  5人〜8人でプレイをすることもできます。この場合,52枚のカードを2組使い ます。 <注2>  捨て札の山の一番上のカードを取って,普通にプレイすることができないと いうルールもあります。この場合,捨て札の山の一番上のカードを取るために は,下の方のカードを取るときと同じ制約があります。 <注3>  他のプレイヤーに対するレイオフのとき,自分のそばに置かないで,メルド の所に直接付けるやり方もあります。  この場合,メルドやレイオフを行うたびに,その点数を記録しておかなけれ ばなりません。  これは,500ラミーの古い形で,ミシガン・ラム(Michigan Rum)と呼ば れます。 <注4>  捨て札の山の下の方のカードを取る時に,もっと厳しい制限のあるルールも あります。  目的のカード(取るカードの束の一番下のカード)と手札だけを使って,最 初にメルドを作らなければならないというルールです。従って,手札に少なく とも2枚のメルドを構成するカードが必要になります。  例えば,クラブのKを取るためには,その上の方に別のKがあっても,手札 に他のK2枚が必要となります(あるいは,クラブのJ,Qなどが必要になりま す)。  また,目的のカードをレイオフすることで取ることもできません。 <注5>  山札がなくなったときの終わりかたが,少し違うルールもあります。最後の 山札を取ったプレイヤーが普通にプレイしたあと,次からのプレイヤーは,捨 て札の山からカードを取ってプレイを続けてもかまいません。それをしないプ レイヤーがいれば,そこでプレイは終了します。 <注6>  上がるときには,必ず捨て札をして上がらなければならないというルールも あります。この場合,メルドやレイオフで手札を0枚にすることはできません。  あるいは,フローティング(Floating)と呼ばれるバリエーションもあります。 このバリエーションでは,メルドやレイオフで手札を0枚にすることはできます が,それで上がりではありません(これをフローティングの状態と呼びます)。 このプレイヤーは捨て札を行わないで次のプレイヤーの番になります。次の自 分の番には,山札から1枚取るか捨て札の山から取るかして,通常通りプレイし ます(上がったり,再びフローティングの状態にしたり,捨て札の山からたく さん取ることができれば手札を増やしたりできます)。 <注7>  2〜9のカードの点数をすべて各5点とすることもあります。このとき,A- 2-3のメルドのときのAの点数も5点とする場合と,他のメルドの場合と同じ く15点とする場合があるようです。  あまり採用されないルールだと思いますが,2〜7のカードの点数を5点,8 〜9のカードの点数を10点とするやりかたもあります。 <注8>  ゲームの長さを7ディールとして,最も多く勝ったプレイヤーが勝者になる というルールもあります。勝ったプレイヤーとは,あるディールで最も得点の 高いプレイヤーのことです。 <注9>  各ディールにおいて,各プレイヤーは,捨て札の山からカードを取って,そ れを使ってメルドやレイオフをしてからでないと,他のメルドやレイオフを行 うことはできない,というバリエーションもあります。 <注10>  ジョーカーを2枚加えることもあります。ジョーカーはワイルドカードで,ど のカードの代わりにでも使うことができます。  シークエンスで使う場合には,どのカードの代わりに使うかという,スート とランクを明確に宣言しなければなりません。  同じランクのセットで使う場合には,どのスートかということは指定しませ ん。しかし,5枚以上の同ランクのセットは禁止されます。  1度使ったジョーカーを移動させることはできません。  ジョーカーの点数は15点です。 <注11>  500ラムに似たゲームで,ペルシャン・ラミーというゲームがありますが, それと同じようにジョーカーを使う,ペルシャン・ジョーカー (Persian Joker) というバリエーションもあります。  ジョーカーは4枚使います。  ジョーカーはワイルドカードではありません。3枚または4枚のジョーカーだ けのセットでだけメルドできます。  ペルシャン・ラミーと同じように,Aは,A-2-3のように2の下のランク としてメルドすることは禁止されます。 <注12>  ローカルなルールですが,次のようなルールもあります。  *クラブの2を50点とする。  *スペードのQを50点とする。  *同じランクのカード4枚セットならば,点数2倍。  *上がったプレイヤーに50点のボーナス。  *Q-K-AのようにAをKの上のランクとしてメルドすることを禁止する。 **********************************************************************