Subj:ルール紹介9:カナスタ1 From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:95/05/02 12:29
 私は最近コンピュータゲームのカナスタに夢中になっています。Harte Devel- opment社(Mark-Jan Harte氏)の"Canasta 2.5 for Windows"というものです。 カナスタの2人ゲームなのですが,コンピューターを相手にします。それほど 強くはないのですが,とてもおもしろくて,カナスタのすばらしさを見直して います。  なお,これはMS-Windows用のシェアウェアです。わたしはCompuServeからダ ウンロードしましたが,「月刊ウィンドーズワールド」という雑誌の5月号の 付録のCD-ROMにも入っていますので,まだ手に入るならば,お薦めします。  カナスタは1950年ごろに米国で急激に普及したゲームです。コントラク トブリッジ以降に大流行した唯一のトランプのゲームであり,著名なブリッジ プレイヤーもファンになっています。このことからも,このゲームの優秀さが 証明できると思います。(ただし,その後人気がやや衰退したことが,このゲ ームの限界を示しているともいえますが。)  今回は,できるだけ誤解のないように,ていねいにルールを書いたので,長 くなってしまいましたが,とても複雑なゲームというわけではありません。ぜ ひ遊んでみて下さい。 ********************************************************************** カナスタ(Canasta)  カナスタはウルグアイ生まれのゲームですが,1949年ごろ米国に持ち込 まれてからは,あっという間に全米に広まり,50年代始めにはアメリカで最 もポピュラーなゲームとなりました。当時ほどではありませんが,現在でも多 くの人によってプレイされています。  カナスタは,ジンラミーやセブンブリッジや麻雀などのラミー系のゲームで す。ラミー系のゲームには珍しく,パートナーシップでプレイされます。もう 一つの特徴は,シークエンスのメルドが認められず,同位札によるメルドだけ であるということです。  このゲームの目的は,メルドによってできるだけ多くの得点を挙げることで す。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <人数>  4人。向かい合った2人がパートナーを組みます。2人やその他の人数でプ レイすることもありますが,それは後述します。 <カード>  52枚の通常のカードに2枚のジョーカーを加えた54枚のカードを2組使 用します。合計108枚のカードを使うことになります。カードの裏模様は違 っていてもかまいません。2組のカードは混ぜ合わされます。 <メルド>  メルドというのは,カードの特定の組み合わせを,テーブル上に見えるよう に出して,得点を得ることです。    カナスタにおいては,同じランク(数位)のカードが3枚以上あれば,それ をメルドすることができます。例えば7のカード3枚とか,キングを5枚とか です。  自分や自分のパートナーのメルドに,カードを付け加えることもできます。 これをレイオフ(Lay Off)と呼びます。  1つのメルドのカードは重ねて置きますが,インデックスが見えるように, ずらしておきます。縦にずらすことが多いようです。ペア(パートナー2人) のメルドは区別する必要はなく,同じ所に置いておきます。 <ワイルドカード>  ジョーカーと2のカード全部はワイルドカード(代札)になります。ワイル ドカードは,メルドする場合,他のカードの代わりに使うことができます。  ワイルドカードでないカードを,ナチュラルカードと呼びます。 <メルドと手札の点数>  メルドした場合のメルドの点数は,メルドしたカードの点数の合計点です。  また,プレイ終了時に手札が残っていた場合には,手札のカードの点数の合 計点がマイナス点となります(メルドの点数から,手札の点数を引くことにな ります。)  カードの点数は次の通りです:   ジョーカー         50点   2             20点   A             20点   K,Q,J,10,9,8  10点   7,6,5,4,黒3     5点  (黒3とはスペードの3とクラブの3のことです,赤3すなわちハートの3 とダイアモンドの3にはカードの点数はありませんが,ボーナス点がつきます。 詳しくは後述します。) <カナスタ>  7枚以上のカードからなるメルドのことをカナスタと呼びます。カナスタに は前記のカードの点数に加えて次のボーナス点がつきます。   ナチュラルカナスタ(ワイルドカードを含まないカナスタ) 500点   ミックスドカナスタ(ワイルドカードを含むカナスタ)   300点  カナスタは普通のメルドにレイオフをすることにより作ってもかまいません。  カナスタは,普通のメルドと異なり,一番上のカードだけが見えるように重 ねて置きます。  ナチュラルカナスタとミックスドカナスタを区別するため,ナチュラルカナ スタの一番上のカードには赤のカードを,ワイルドカナスタの一番上のカード には黒のカードを置きます(可能ならば)。 <ディール>  最初のディーラーは任意のやり方で決めます。次のディールからは,時計回 りにディーラーが交代します。  ディーラーは,左隣のプレイヤーから時計回りに,1枚ずつ,各プレイヤー の手札が11枚になるよう配ります。  残りのカードは「山札(Stock)」としてテーブル中央に置きますが,山札の一 番上のカードは表向きにして,山札の横に置きます。これはアップカードと呼 ばれますが,最初の捨て札としての扱いを受けます。プレイ中の捨て札はこの 上に置かれ,「捨て札の山(Discard Pile)」となります。  アップカードがワイルドカードか赤3か黒3であれば,もう一度,山札の一 番上のカードを表向きにしてこの上に置きます。もしそれもワイルドカードか 赤3か黒3であれば,それ以外のカードが出るまで,これを繰り返します。 <プレイ>  各プレイヤーは,自分の番の時に,次のようなプレイを行います。  1.山札の一番上のカード1枚を取る(ドロー),または捨て札の山の全部    を手に取る。  2.メルドやレイオフを行う。あるいは,しなくてもよい。  3.手札から1枚のカードを捨てる。 <ドロー>  ドローは,山札の一番上のカードを,手札に加えることです。  もしそのカードが赤3だったら,そのカードを表向きにしてテーブルに出し, 再びドローします。 <捨て札を取る>  捨て札を取る場合には,一番上のカードだけでなく,捨て札の山の全部のカ ードを取らなければなりません。  捨て札を取ることのできる条件は,「フローズン」の場合と,そうでない場 合では違ってきます。フローズンについてはすぐ後で説明します。  なお,捨て札が黒3だった場合や,ワイルドカードだった場合には,決して 捨て札を取ることはできません。  1)フローズンの場合  捨て札の一番上のカードと,手札のナチュラルな2枚のカードで,直ちにメ ルドを作らなければなりません。これができなければ,捨て札を取ることがで きません。  メルドにはそれ以外のカードを付け加えることもできます。捨て札のカード も付け加えることができます。  2)フローズンでない場合  捨て札の一番上のカードと,手札の2枚で,直ちにメルドを作らなければな りません。手札の2枚は,ナチュラルカード2枚か,あるいはナチュラルカー ド1枚とワイルドカード1枚でなければなりません。これができなければ,捨 て札は取ることができません。メルドにはそれ以外のカードも付け加えること ができます。  あるいは,捨て札の一番上のカードが,自分のペアのメルドにレイオフでき るカードであった場合,そのカードを取ってレイオフすることができます。こ の場合も捨て札の山全体を取ることになります。 <フローズン>  捨て札の山は次の時にフローズンです。  i)ワイルドカードや赤3のカードが山に含まれているとき(赤3が含まれる のはアップカードが赤3であったときだけです)。  ii)最初のメルドをまだ作っていないペアは,そのペアにとっては捨て札の山 はフローズンになっています。 <最初のメルド>  ある側(2人のパートナー)が最初のメルドを作るときには,そのメルドの 点数は次の点数以上でなければなりません。2つ以上のメルドを同時に作って, その合計が次の点数以上でもかまいません。  今までのディールで得ている得点  必要な点数(ミニマムカウント)    マイナス点             15点    0〜1495            50点    1500〜2995         90点    3000以上           120点  捨て札から取ってメルドを作るときには,一番上の捨て札だけが,このため のメルドの点数として数えてもよいカードです。  赤3やカナスタのボーナス点は数えません。 <メルドとレイオフのやり方>  一度にいくつメルドをしても,レイオフしてもかまいません。  メルドには次の制限があります。レイオフを行う際にも,その制限を破るよ うなレイオフはできません。  1)1つのメルドには少なくとも2枚のナチュラルカード(ワイルドカード でないカード)が含まれていなければなりません。  2)1つのメルドに使用できるワイルドカードは3枚以下です。  3)ジョーカーや2は必ずワイルドカードとして使用しなければならず,本 来のジョーカーや2としてメルドすることはできません。  4)黒3は上がりのときだけしかメルドできません。黒3のメルドにはワイ    ルドカードを含めることはできません。  5)1つのペアが同じランクのメルドを2つ以上持つことはできません。た    だし,捨て札の山を取るためにそういうメルドを一時的に作ることだけ    はできます。その場合,そのあと直ちに同じランクのメルドは併合され    ます。  なお,メルドしたカードを,手札に戻したり,他のメルドに移すことはでき ません。 <捨て札>  捨て札は,捨て札の山の上に表向きに行います。下のカードが見えないよう に重ねます。  捨て札の,下のカードを見ることは禁止されています。  フローズンでない捨て札の山に,ワイルドカードや赤3を最初に置くときに は,そのカードは横向きに置くか,捨て札の山の横に置くかして,フローズン になったことを示します。 <赤3(レッドスリー,Red Tree)>  赤3とはハートの3とダイアモンドの3のことです。  赤3はメルドには用いません。赤3を山札からドローしてきた場合には,す ぐにそれをメルドと同様にテーブルに表向きに出して,もう1枚山札からカー ドを引きます。  最初に配られたカードの中に赤3があれば,最初の自分の番の時に,赤3を テーブルに出して,その枚数だけのカードを山札からドローします。ドローし たカードに赤3が含まれていたら,同じことを繰り返します。そのあと,通常 のプレイを始めます。  捨て札の山を取ってきたときに,この中に赤3が含まれていたら,直ちにテ ーブルに出しますが,カードはドローしません。  テーブルに出された赤3は1枚につき100点のボーナス点になります(カ ードの点数はありません)。もし一方のペアが4枚の赤3を集めたら,400 点となる代わりに,800点もらえます。  もし間違って,手の中に赤3を残すと,同じだけのマイナス点となります。  なお,赤3を捨て札することはできません。 <黒3(ブラックスリー,Black Three)>  黒3のメルドは上がりのときにしかできません。また,黒3のメルドにワイ ルドカードを含めることはできません。  これが捨て札の一番上にあるときには,たとえこれを用いて上がれる場合で も,決して捨て札を取ることはできません。そのため,これをストップカード とも呼びます。 <上がり(ゴーイングアウト,Going Out)>  メルドを作ったりレイオフをして,手の内のカードがなくなれば上がりにな り,そのディールは終了します。上がるときには捨て札を行っても,行わなく てもかまいません。  ただし,上がるためには,自分のペア(自分またはパートナー)が少なくと も1つのカナスタを作っていなければなりません。そうでない場合には,手の 内のカードの枚数をゼロにするようなプレイをしてはいけません。  なお,上がろうとするプレイヤーは,自分のパートナーに,上がってもよい かどうか訊ねてもかまいません。パートナーは,これに対して,「はい」か「い いえ」で答えます。  上がったペアには100点のボーナス点がつきます。 ----------------------------------------------------------------------                                続きます
Subj:ルール紹介10:カナスタ2 From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:95/05/02 12:34
 カナスタのルール紹介の続き(2回目)です。 ---------------------------------------------------------------------- <コンシールドゴーイングアウト>  自分自身ではメルドを行っていないプレイヤーが,最初のメルドで上がった 場合,コンシールドゴーイングアウトと呼ばれ,100点の代わりに200点 のボーナスがつきます。  コンシールドゴーイングアウトには,パートナーのメルドに対するレイオフ が含まれてはいけません。また,以前にレイオフしていてもいけません。  赤3を出していることは,コンシールドゴーイングアウトの妨げにはなりま せん。 <山札がなくなったとき>  誰も上がらずに山札がなくなったときには,次のようにします。  あるプレイヤーが最後の山札をドローして1枚捨てたあと,次のプレイヤー は,可能であれば,その捨て札の山を取って,メルドを作ることができます。 作らなければディールは終了となります。  ただし,捨て札がレイオフできるカードである場合には,必ず捨て札の山を 取り,レイオフしなければなりません。  捨て札を取ったプレイヤーは,上がらなければ,メルドなどをした後,やは り1枚捨てることになりますが,次のプレイヤーも同様に捨て札をとる権利(ま たは義務)があります。  このようにして,だれかが捨て札を取らなかった場合に,このディールは終 了となり,得点を計算します。  なお,山札からの最後のドローが赤3だった場合には,そのプレイヤーは赤 3をテーブルに出しますが,メルドもレイオフも捨て札もできず,ディールが 終了となります。 <得点の計算>  得点は,メルドしたカードの点数,カナスタのボーナス,上がりのボーナス, 赤3のボーナスの合計から,手札のカードの点数を引いたものです。  上がったプレイヤーのパートナーの手札のカードの点数も,もちろん引かれ ます。  パートナーの2人は得点を合計して共有します。 <ゲームの終了>  ディールの終了時点で,5000点に到達した側があればゲーム終了となり ます。もちろん,点数の多い方が勝者となります。同点ならば,引き分けです。  勝者に特にボーナスはなく,精算は点数差で行います。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <点数のまとめ>   ジョーカー                50点   2                    20点   A                    20点   K,Q,J,10,9,8         10点   7,6,5,4,黒3            5点   赤3                  100点   ただし,4枚そろうと全部で       800点   ミックスドカナスタ           300点   ナチュラルカナスタ           500点   ゴーイングアウト(上がり)       100点   ただし,コンシールドゴーイングアウトは 200点 <席とパートナーとディーラーの正式な決め方>  カードをドローして,1番強いカードを引いたプレイヤーが,自由に席を選 んで着席します。2番目に強いカードを引いたプレイヤーが,このプレイヤー のパートナーになり,向かい合わせの席に座ります。他の2人のプレイヤーも パートナーになりますが,残りの席に自由に座ります。  1番強いカードを引いたプレイヤーからプレイを始めるので,彼の右隣のプ レイヤーがディーラーになります。  カードの強さは,(強)A,K,Q,J,10,9,8,7,6,5,4, 3,2(弱)の順です。同じランクならば,(強)スペード,ハート,ダイア モンド,クラブ(弱)の順となります。  ジョーカーをひいた場合は,引きなおします。まったく同じカードを引いた プレイヤーどうしは,引きなおして強弱を決めます。 <情報>  プレイヤーはテーブル上で見えているカード以外のカードを見たり,他のプ レイヤーと情報交換をすることは禁止されますが,以下のことは例外的に許さ れます。  1.自分の最初の捨て札をする前に,捨て札の山の中を見ること。  2.ミックスドカナスタにワイルドカードをレイオフしようとするときに,    カナスタの中のカードを見て,のワイルドカードの枚数を調べること。  2.パートナーが最初のメルドをしようとしているときに,正確な必要な点    数を言って,注意を促すこと。  3.赤3があれば出さなければいけないと,注意を促すこと。  4.メルドの6番目のカードの方向を変えて,もうすぐカナスタができるこ    とを示すこと。  5.自分の手札が1枚になったと言うこと。  6.自分が上がってよいかどうかパートナーに聞くこと。  7.自分のプレイの時に,自分または相手のペアの,最初のメルドに必要な    点数を教えてもらうこと。  8.自分のプレイの時に,他のプレイヤーの手札の枚数を教えてもらうこと。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <2人ゲーム>  各プレイヤーに15枚のカードを配ります。  次のルールを採用することが多いようです(片方だけ採用することもありま  す)。  1.各プレイヤーは自分の番のときに,1枚でなく2枚のカードをドローす    る。(捨て札は通常通り1枚)。  2.上がるためには2つのカナスタを作る必要がある。 <3人ゲーム>  各プレイヤーに13枚のカードを配ります。各プレイヤーは個人でプレイし ます。 <カットスロートカナスタ>  別のカナスタの3人ゲームです。プレイ中2人が臨時のパートナーを組み, もう1人と戦います。  1.各プレイヤーは13枚のカードを配られます。  2.点数はそれぞれにつけます。  3.山札からのドローは,2人ゲームのように2枚です。  4.最初に捨て札の山を取ったプレイヤーが1人でプレイし,残りの2人が    臨時のペアとなります。捨て札をだれも取らないうちに誰かが上がった    場合は,上がらなかった2人がペアとなります。  5.最初のメルドの必要点数は,それぞれの個人のそれまでの得点によりま    す。  6.ペアの点数は,合計されて,2人それぞれに合計された点数がつきます。    ただし,赤3の点数だけは個人につきます。  7.ゲームは7500点で終了します。  8.山札がなくなったら,最後に山札をドローしたプレイヤーが捨て札した    時点でディールが終了します。万一,そのときまで誰も捨て札を取って    いなければ,それぞれの個人が得点を計算します。 <5人ゲーム>  3人対2人でプレイしますが,3人のチームは1人ずつ交代で休みます。 <6人ゲーム>  カナスタを6人でプレイするやり方は,つぎのようにいろいろあります。 [ダブルシットアウト(Double Sit-Out)]  3人ずつのチームでプレイしますが。各チームは1人ずつ交代で休みます。 [3人対3人(Three Against Three)]  1.各チームは1人おきに席につきます。  2.3パック((52+2Joker)x3)のカードを使用し,各プレイヤーには13    枚のカードを配ります。  3.ゲーム終了の点数は10000点であり,7000点以上になると,最    初のメルドに必要な点数は150点となります。  4.赤3が4枚でも400点だけしかもらえませんが,5枚だと1000点,    6枚だと1200点になります。  5.上がるときに味方に許可をもらいたいときには,誰に聞くかを指名しま    す。 [スリーペア(Three Pair)]    3つのペアでプレイします。  1.各ペアは対角線上に座ります。  2.3パック((52+2Joker)x3)のカードを使用し,各プレイヤーには13    枚のカードを配ります。  3.ゲーム終了の点数は7500点です。  4.赤3が4枚でも400点だけしかもらえませんが,5枚だと1000点,    6枚だと1200点になります。  なお,3人対3人やスリーペアのゲームでも,2〜4のルールに代わりに, 4人ゲームと同じルールで行うやりかたもあります。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <注1>  南アメリカでは,プレイやディールは,反時計回りに進みます。 <注2>  次のルールは,よく行われているオプショナルルール(バリエーション)で す。  1.フローズンでなくても,カナスタにレイオフするために捨て札の山を取 ることはできない。  2.フローズンでなくとも,捨て札の山を取るためには,ナチュラルカード 2枚と捨て札の一番上のカードによるメルドが必要である。ただし通常通り, フローズンでなければ,レイオフで捨て札の山を取ることはできる。 <注3>  米国の公式ルール(The National Canasta Lows Commissionによる)は1951 年に次のように改定され,現在に至っています。本文では改定後のものに従い ましたが,現在でも改定前のルールを採用することもあるので,記しておきま す。  1.古いルールでは,完成したカナスタには何枚でもワイルドカードをレイ    オフできたが,新しいルールでは,完成したカナスタにも,3枚を越え    るワイルドカードを含むようになるレイオフはできなくなった。  2.古いルールでは,黒3のメルドにワイルドカードを含めることができた    が,それを禁止した。  3.古いルールでは,ディール後にアップカードを置く際に,ワイルドカー    ドや赤3がアップカードのときに,山札をからカードを重ねたが,新し    いルールでは,黒3がアップカードの場合にも,カードを重ねことにし    た。  4.古いルールでは,1組のペアが,同じランクのメルドを2つ以上作るこ    とができたが,新しいルールでは,1つしか認めなことになった。  特に3と4のルールについては,古いルールを採用することも多いようです。 英国では今でも3のルールは古いルールが標準になっています。 <注4>  コンシールドゴーイングアウトについて,米国の公式ルールでは,パートナ ーがカナスタを作っていても,カナスタを作らないとコンシールドゴーイング アウトにならない(上がれないわけではない)ことになっています。  また,捨て札の山を取るのでなく,ドローしてから,コンシールドゴーイン グアウトをするときには,最初のメルドに必要な点数の制限を受けないことに なっています。 <注5>  米国の公式ルールでは,一枚しか手札のないプレイヤーは,一枚だけの捨て 札の山を取って,上がることは禁止されます。 <注6>  些細なことですが,山札の最後のカードが赤3で,それをドローした場合, 次のように扱うこともあります。  1.特別扱いをしない。(もうドローはできないが,メルドやレイオフや捨    て札は通常通りに行い,次のプレイヤーが捨て札を取ることもできると    いうことであろうか。)  2.赤3だけはテーブルに出し,メルドやレイオフもできるが,捨て札は行    わず,ディール終了とする。  3.赤3をテーブルに出すこともできず,ディール終了となる。 <注7>  Harte Development社(Mark-Jan Harte氏)の"Canasta 2.5 for Windows"は, コンピューターを相手にして2人カナスタをプレイする,MS-Windows用のソフ トウェアですが,これには次のようなルールのオプションがあります。  1.カナスタにレイオフするために捨て札の山を取ることができるかどうか。    初期値:できる。  2.捨て札をメルドで取るときに,ナチュラルな2枚のカードが必要かどう    か。初期値:必要。  3.カードは2枚ずつドローするかどうか。初期値:1枚ドロー。  4.上がるためには,カナスタが2個必要。初期値:1個でよい。  5.カナスタがない場合,メルドの点数はマイナス点になるかどうか。    初期値:ならない。  6.赤の3をドローしたときには,もう1枚ドローするかどうか。    初期値:ドローする。  7.赤の3を捨て札できる。初期値:できない。  8.捨て札の一番上のカードは最初のメルドに必要な点数に数えるかどうか。    初期値:数える。  9.捨て札は最初はフローズンになっているかどうか。初期値:なっている。  1と2のオプションは,注2でも説明したように,一般的なオプショナルル ールです。  3と4は2人用のカナスタでは一般的なオプショナルルールです。  5から9のルールについては,初期値以外の設定は,極めてローカルなルー ルか,誤りであると思います。 **********************************************************************