Subj:ルール紹介67:カシノ(1) From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:97/08/29 16:38
********************************************************************** カシノ(Casino/Cassino) 1997/8/29 赤桐  花札のように,場にあるカードを手札で合わせて取っていくゲームです。こ の種のゲームのことを,カシノ系のゲームとか,フィッシングゲームとか呼び ます。  カシノ系のゲームはたくさんあるのですが,英語圏でプレイされているのは ほとんどこのゲームだけです。  2人用ゲームのベストゲームの1つと言われていますが,3人用や4人用として も優れています。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <プレイヤー>  2人〜4人。まず,2人ゲームを紹介します。 <カード>  通常の52枚のカードを使います。 <ディール>  最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは,順番に交代します。  ディーラーはまず2枚のカードを相手に配り,2枚のカードをテーブル中央に 表向きに置き,2枚のカードを自分に配ります。次に,この配りかたをもう一度 行います。各プレイヤーの手札は4枚,テーブル中央にも4枚となります。  残ったカードは裏向きのままテーブルに置いておきます。  全プレイヤーが手札を使い切ったら,最初と同じディーラーが,残ったカー ドから各プレイヤーに4枚のカードを配ります。相手に2枚,自分に2枚,相手に 2枚,自分に2枚というようにです。このときテーブル上にはカードは配りませ ん。 <プレイ>  テーブル上に表向きに置かれたカードを「場札」と呼び,場札の置かれてい るところを,「場」と呼ぶことにします。  プレイは,手札から1枚のカードを場に置くことで行われます。  うまくプレイできれば,場札を取ることができます。この場合,プレイした カードと取った場札をまとめて,プレイヤーの近くに裏向けに置きます。これ らを取ったカードと呼ぶことにします。取ったカードはこれ以降プレイには使 用しません。  プレイしても場札をとることができない場合には,プレイしたカードはその まま場に置かれて場札になります。これを捨て札(する)と呼ぶことにします。  場札の取り方は次の通りです:  1)[ペアによる取り方] プレイされたカードと場札が同じランクだった場 合に,取ることができます。  例えば,ハート6をプレイすると,場にあるスペード6を取ることができま す。またKをだすと,場のKを取ることができます。  同じランクのカードが場に何枚かある場合には,その全部を取ることができ ます。  2)[合計による取り方] 場札のカードの数字を合計して,プレイしたカー ドの数字と同じになる場合には,その場札を全部とることができます。スート は関係ありません。  カードの数字とはAは1,2から9のカードはその表示通りの数字です。絵札 (J,Q,K)は数字を持たないので,このような取り方をすることはできま せん。  例えば,場にA,A,3,5があり,10をプレイした場合には,1(A)+ 1(A)+3+5=10なので,この場札全部を取ることができます。  プレイしたカードの数字と同じ合計になるカードの組が場に何組もある場 合,その全部を取ることができます。例えば,場に2,3,3,4がある場 合,2+4=6,3+3=6となるので,6をプレイすると,このすべての カードを取ることができます。  ただし,同じカードを重複して2つの組に使うことはできません。例えば, 場のカードが3,3,5だった場合,8を出すと,3の1枚と5は取ることがで きますが,もう1枚の3は場に残ります。5をもう1度3と組み合わすことはで きないからです。  3)ペアによる取り方も合計による取り方もできる場合には,両方とも取る ことができます。  例えば,場に2,3,5があり,5を出した場合には,場の全部のカードを 取ることができます。  4)取ることができる場合でも取らないで捨て札することも可能です。取る ことができるカードが何組もある場合,一部を取ることもできます。 <ビルド(Build)>  場札を取るか,捨て札をするほかに,ビルド(付け札,予約)というプレイ も可能です。  ビルドの場合も必ず手札から1枚だけを場に出します。出したカードは場札の 1つに重ねておきます。(この重ねたカードをビルドのカードと呼ぶことにしま す。)  ビルドというのは,この重ねたカードを後で取るという宣言のことです。従 って,ビルドのカードを取ることのできるカードが手札になければ,ビルドを 行うことはできません。なお,他のプレイヤーも,ビルドのカードをその宣言 にしたがって取ることはできます。  ビルドには次の種類があります:  1)[ペアによるビルド]   場にあるカードに,手札から同じランクのカードを重ねて,そのランクのビ ルドを宣言します。そうするとその2枚のカードは,一緒に,ペアでしか取る ことができなくなります。  例えば,場に4があれば,手札から4を出して,「4のビルド」と宣言しま す。こうすると,これ以降は,4をプレイしてこの2枚のカードを取ることしか ができなくなります。場に2のカードがあっても,4+2=6のカードでこの中の 1枚を取ることはできません。また4+4=8として,8のカードで取ることもでき ません。  ただし,宣言したプレイヤーだけでなく,他のプレイヤーも,4のカードをプ レイすれば,それを取ることができます。  ペアによるビルドを行うためには,同じランクのカードをもう1枚手札に持っ ていなければなりません。そうでないと,ビルドした本人もビルドのカードを 取ることができないからです。  例えば,上記の例では,プレイした4の他に,手札にも4を持っていなけれ ばなりません。  2)[合計によるビルド]  場にあるカードの1枚に,手札からカードを1枚重ねて,合計した数字のビル ドを宣言します。そうするとその2枚のカードは,一緒に,その合計した数字 でしか取ることができなくなります。  例えば,場に3があれば,4をそれに重ねて,「7のビルド」を宣言します。 それ以降は,この2枚のカードは1枚の7のカードのように扱います。したがっ て,3や4を出して1枚を取ることができなくなります。もちろん,7を出せ ば取ることができます。また,例えば他に場に2のカードがあれば,7と2を 足して9で取るようなことも可能です。  場に4があり,4を重ねて,8のビルドにするようなことも可能です。  なお,必ず場の1枚に手札の1枚を重ねることが必要です。例えば,場札に2 と3があっても,それに4を重ねて9のビルドを作ることはできません。  合計のビルドを行う場合には,合計した数字のカードが手札になければなり ません。そうでないと必ずしも取ることができないからです。  前記の例の7のビルドでは,かならず手札に7のカードが必要です。場の2 のカードに期待して,手札に9があればよいとういわけにはいきません。  3)[ビルドの追加]  ペアでビルドされたカードに対して,さらに同じランクのカードを重ねて置 いて,ペアのビルドの追加をすることができます。ビルドされたカードを取る ことができるのは,同じランクのカードだけです。  もちろんこの場合にも,ビルドしたプレイヤーは,ビルドのカードを取るこ とのできるカード,つまり同じランクのカードを持っていなければなりません。  合計でビルドされたカードに対して,さらに手札から1枚を重ねて,その合計 数字のビルドとすることもできます。  例えば,3と4のカードが重なった7のビルドがあった場合,さらに手札か ら2を重ねて,9のビルドにすることができます。  もちろんこの場合にも,その合計数字と同じ数字のカードが手札になければ なりません。  なお,最初のビルドを行う場合,追加を行う予定で,次回の自分の番に取る ことのできないようなビルドをすることはできません。  ビルドの追加は,自分の作ったビルドに対しても,他のプレイヤーの作った ビルドに対しても行うことができます。  4)[複合ビルド]  合計のビルドのカードは1枚のカードのように扱われます。従って,ビルドの 追加の特殊な例として,合計のビルドに対して,その合計数と同じ数字のカー ドを重ねて,ペアのビルドとすることができます。  例えば,3と4が重なった7のビルドがあった場合,7のカードを手札から 出して,7のペアのビルドを宣言することができます。この場合ももちろん手 札にもう1枚7のカードが必要です。  なお,ペアのビルドに対して,カードを追加して合計のビルドにすることは できません。 <スイープ(sweep)>  スイープ(Sweep)というのは,プレイで場札を全部取ってしまうことです。  後で得点になるので,記憶しておくために,プレイ中はスイープで取ったカ ードの中の1枚を表向きにしておきます。 <プレイの終わり>  全員の手札がなくなり,配り直すカードもなければ,プレイは終了します。  残った場札は,最後に場札を取ったプレイヤーのものとなります。 <得点>  プレイが終わると次のような得点があります。   最もたくさんの枚数のカードを取ったプレイヤーに      2点   ダイアモンドの10(ビッグカシノ)を取ると        2点   スペードの2(リトルカシノ)を取ると           1点   最もたくさんの枚数のスペードのカードを取ったプレイヤーに 1点   取ったエース1枚につき                   1点   スイープ1回につき                     1点  最もたくさんの枚数のカードやスペードが同じ枚数の場合には,誰も得点し ません。 <ゲームの終わり>  得点計算の結果,どちらかのプレイヤーの累計点が21点かそれ以上になった ら,そのプレイヤーの勝ちでゲームは終了します。どちらも21点以上のとき は,点数の多い方が勝者です。同じ場合はもう1ディール行います(引き分けと いう取り決めにしてもかまいません)。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <3人ゲーム>  2人ゲームと同じように,最初に,場に4枚,各プレイヤーに4枚カードを配り ます。配り直しのときも,各プレイヤーに4枚です。  ディールやプレイは時計回りに進行します。プレイはディーラーの左隣から 始めます。 <4人ゲーム>  向かい合った2人がパートナーになります。パートナーどうしは取ったカード をいっしょにします。  4人ゲームでも,最初に,場に4枚,各プレイヤーに4枚カードを配ります。 配り直しのときも,各プレイヤーに4枚です。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++  バリエーションを少し紹介します。 <ロイアルカシノ>  カードを取るときに,絵札に次のような数字を設定します(プレイ終了後の 得点計算の点数ではありません。)  J:11,Q:12,K:13  これらの絵札は,数札と同じように,この数字で合計による取り方ができま す(取ることも,取られることもできます)。また,合計によるビルドもでき ます。  カードを取るときに,Aを1としても14としても使えるというルールを採用す ることもあります。 <スペードカシノ>  得点計算において,スペードのA,J,2を2点,その他のスペードを1点と します。スペードの枚数をたくさん取った方に与えられる点数はありません。  ゲームは61点で終了にすることが多いようです。 <ロイアルスペードカシノ>  ロイアルカシノとスペードカシノのルールを両方採用するゲームです。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++  続きます(あとは注釈だけです)。
Subj:ルール紹介68:カシノ(2) From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:97/08/29 16:39
 カシノのルールの続き(注釈)です。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <注1>  2人ゲームのとき,スイープの点数を数えないことがあります。  絵札で絵札を2枚取ることを禁止することがあります(3枚はOKです)。 <注2>  累計点が21点を超えるプレイヤーが2人以上あった場合,次の順序で最後の ディールの得点を数え直し,最初に21点になったプレイヤーが勝ちとするルー ルもあります。   カードの枚数,スペードの枚数,ビッグカシノ,リトルカシノ,スペードA,   クラブA,ハートA,ダイアモンドA,スイープ  あるいは,プレイ中に21点に達したと思ったプレイヤーが,終了を宣言でき ることもあります。それが正しければそのプレイヤーの勝ち,間違っていれば そのプレイヤーの負けになります。この場合,終了宣言なしで得点計算して複 数のプレイヤーが21点以上になっていたならば,上記の方法で勝者を決めます。 <注3>  ゲームの終了点を,累計点が21点でなく11点になったときとするやり方もあ ります。  このとき,賭けてプレイしている場合には,勝ったプレイヤーの得点を2倍し て(1ディールで終わった場合には2倍ではなく4倍して),それから負けたプレ イヤーの得点を引きます。この点数分を勝ったプライヤーがもらいます。  あるいは,各ディールを独立したゲームとすることもあります。とくに2人 ゲームの場合,このやり方が多いようです。 <注4>  このゲームの名前の英語の綴りは,本来カジノと同じCasinoという綴りであ ったものが,ルールブックの誤植によりCassinoとなったと言われています。  従って発音もカジノと同じなので,「カジノ」またはもっと原音に近い「カ ジーノ」の方が正しいのですが,日本では「カシノ」と言われてきたようなの で,そのままにしました。 <注5>  ビッグカシノ(Big Cassino = ダイアモンド10)のことを,グッドテン(Good Ten)とも呼びます。  リトルカシノ(Little Cassino = スペード2)のことを,グッドツー(Good Two)とも呼びます。 ********************************************************************