Subj:ルール紹介45:ツェゴ(1) From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:97/03/06 14:28
 リクエストがあったので,ツェゴのルールを紹介します。 ********************************************************************** ツェゴ(Cego) 1997年3月6日 赤桐  タロットカードはイタリアで生まれ,フランス,ドイツ,オーストリア,ハ ンガリーなどに伝わったゲームです。  しかし,現在ドイツでタロットをプレイしているのは,シュバルツバルト (黒森)があるバーデン地方だけです。この地方では54枚のタロットカードを 使っていくつかのゲームがプレイされていますが,主にプレイされているのが ここで紹介する「ツェゴ」です。  このゲームはトリックテイキングゲームであることは他のタロットゲームと 変わりませんが,類例のないルールを持ったゲームです。  3人ゲームと4人のゲームの2種類があり,どちらもよくプレイされます。ルー ルがかなり異なるので,別々に説明します。  細かいルールの違いは色々あるようですが,ここではMichael Dummett 氏の "Twelve Tarrot Games"のルールを基にしています。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <<3人ゲーム>> <カード>  ツェゴは,タロットカードを用いて行うゲームですが,正式にはツェゴパッ クと呼ばれる,54枚のドイツのカードを用います。占い用やフランスやオース トリアのタロットカードを使ってプレイすることもできます。  ツェゴパックは,4つのスートと,それとは別の切札のスートから成っていま す。 [4つのスート]  4つのスートは,普通のトランプと同様に,スペード,クラブ,ダイヤモン ド,ハートです。(占い用のカードを使うときには,スペード=剣,クラブ= 棍棒,ダイアモンド=貨幣,ハート=聖杯として使ってください。)  絵札には,普通のトランプの絵札にカバロというカードが加わり,キング, クイーン,カバロ,ジャックの4枚になります。ドイツ語ではそれぞれ,ケーニ ッヒ(Konich),ダーメ(Dame),カバル(Cavall),ブーベ(Bube)と呼びます。(占 い用のカードでは,カバロのことをナイトと呼んでいるかもしれません。)  数札は普通のトランプと同様ですが,Aは1となります。ツェゴでは,黒い スートの1〜7のカードと赤いスートの5〜10は使用しません。  さらに,3人用ゲームではスペードとクラブの7とダイアモンドの4も使用しま せん。  スペードとクラブのカードとその強さは次の通りです:    (強)キング,クイーン,カバロ,ジャック,10,9,8(弱)  ハートのカードとその強さは:    (強)キング,クイーン,カバロ,ジャック,1,2,3,4(弱)  ダイアモンドのカードとその強さは:    (強)キング,クイーン,カバロ,ジャック,1,2,3(弱) [切札のスート]  切札のスートは22枚あります。ドイツ語では,この切札のスートのことを, トルック(Truck)とかトロック(trock)とか呼びます。  切札の最強のカードは数字が入っていない音楽家の描かれたカードで,シュ ティース(Stiess)と呼ばれます。(占い用のカードでは,「愚者」と呼ばれる ものです。)  その他のカードには1〜21の数字が大きく書かれています。この中で最も 強いのが21のカードです。以下,数字が小さくなるほどと弱くなっていきま す。(占い用のカードやオーストリアのカードでは,ローマ数字になっていま す。)  1のカードが切札で最弱のカードとなりますが,このカードはプファイフェ (Pfeife)つまり「呼び子」と呼ばれます。(パガット Pagat と呼ばれることも あります。) <ディール>  最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からディーラーは右隣のプ レイヤーに移っていきます。  ディーラーの左隣のプレイヤーがカットしたあと,ディーラーはまず12枚の カードを裏向きにテーブルの中央に置きます。これをタロンと呼びます(ドイ ツ語では,ブリンデ Blinde と呼ばれます)。  つぎに,ディーラーの右隣から反時計回りに,各プレイヤーに13枚ずつまと めてカードを配ります。 <ビッド>  ディールが終わると,プレイを始める前にビッドを行いコントラクトを決め ます。 <ビッドの目的>  ビッドに成功したプレイヤー(デクレアラー)は,他の2人を敵に回してプレ イをすることになります。  このゲームはトリックテイキングゲームです。取ったカードにはそれぞれ点 数があり,その点数をたくさん取ることが目的となります。  全点数の合計は70点になりますが,デクレアラーは少なくともその半分を超 える点数(36点かそれ以上)を得なければプラスの得点が得られません。  デクレアラー以外の2人は臨時のパートナーとなって,デクレアラーと戦うこ とになります(以後,この2人をディフェンダーと呼びます)。 <コントラクトの種類>  ビッドは,コントラクトの種類を宣言していくことで行われます。  以下にコントラクトの種類を弱いコントラクトから順に列挙します。  1)ソロ(Solo)  タロンとの交換を行わないでプレイします。タロンのカードはプレイの後に デクレアラーの取ったカードとみなして計算しますが,プレイが終わるまでは 誰も見たり使ったりすることはできません。  2)ツェゴ(Cego)  デクレアラーは手札のうち2枚を残して他のカードを裏向きに捨てます。次 に,タロンのカードを,他のプレイヤーには見せず,全部手札に加えます。手 札を13枚にするために,最後にさらに1枚のカードを裏向きに捨てます。  捨て札されたカードはプレイの後にデクレアラーの取ったカードとみなして 計算します(他のコントラクトでも同じです)。  3)1枚(mit einer)  デクレアラーは手札のうちの1枚を残して他のカードを裏向きに捨てます。次 に,タロンのカードを,他のプレイヤーには見せず,全部手札に加えます。  4)かす1(eine leere)  デクレアラーは手札のうちの1枚を残して他のカードを裏向きに捨てます。残 すカードは切札以外の数字のカード(1〜10のカード)でなければなりませ ん。残したカードは,最初のリードを行うまで表向けにテーブルに置いておき ます。次に,タロンのカードを,他のプレイヤーには見せず,全部手札に加え ます。  5)かす2(zwei leere)  デクレアラーは手札のうち2枚を残して他のカードを裏向きに捨てます。残す カードは切札以外の数字のカード(1〜10のカード)でなければならず,同 じスートでなければなりません。残したカードは,最初のリードを行うまで表 向けにテーブルに置いておきます。次に,タロンのカードを,他のプレイヤー には見せず,全部手札に加えます。手札を13枚にするために,最後にさらに1枚 のカードを捨てます。この捨て札は手札のなかで最も弱い切札でなければなり ません。この捨て札は裏向きにしますが,あとで検証できるように他の捨て札 とは別に置きます。  6)別2(2 versch)  デクレアラーは手札のうち2枚を残して他のカードを裏向きに捨てます。残す カードは切札以外の数字のカード(1〜10のカード)なければならず,異な ったスートでなければなりません。残したカードは,最初のリードを行うまで 表向けにテーブルに置いておきます。次に,タロンのカードを,他のプレイヤ ーには見せず,全部手札に加えます。手札を13枚にするために,最後にさらに1 枚のカードを捨てます。この捨て札は手札のなかで最も強い切札でなければな りません。この捨て札は裏向きにしますが,あとで検証できるように他の捨て 札とは分けて置きます。  7)プファイフェ(Pfeife)  デクレアラーは手札のうちの1枚を残して他のカードを裏向きに捨てます。残 すカードは切札の1(プファイフェ)でなければなりません。残したカードは, 最初のリードが行われるまで表向けにテーブルに置いておきます。次に,タロ ンのカードを,他のプレイヤーには見せず,全部手札に加えます。  プファイフェのコントラクトのときには第1トリックに切札の1をリードする か,あるいは切札の1を出したときに勝つようにしなければなりません。最初 のトリック以外で切札の1を出して負けた場合には,どんなに点数を取ってい てもコントラクトは失敗になります。  なお,前述したように,どのコントラクトにおいても,交換されなかったタ ロン(ソロのとき)や捨て札されたカードはプレイの後にデクレアラーのもの として計算しますが,デクレアラーが1トリックも取れなかったときには,ディ フェンダーのものとなります。 <ビッドの方法>  ツェゴのビッドは2つのステージから成り立ちます。 [第1ステージ]  第1ステージでは,ディーラーの右隣のプレイヤーからビッドを始め,反時計 回りにビッドを進めます。このステージにおいてはプレイヤーは「ソロ」のビ ッドをするかパスをするかしかできません。  3人全員がパスをするか,だれかがソロのビッドを行ったら,第1ステージが 終了します。 [第2ステージ]  第2ステージについては,第1ステージで全員パスをした場合と,ソロのビッ ドがあった場合に分けて説明します。 {全員パスをした場合の第2ステージ}  ディーラーの右隣のプレイヤーから第2ステージのビッドが始まりますが,こ のプレイヤーは必ず「ツェゴ」のビッドをしなければなりません。  つぎに,2人目のプレイヤーのビッドに移りますが,このプレイヤーがパスを しなかった場合には,3人目のプレイヤーはまだビッドに参加せずに,最初の2 人の間でどちらかがパスをするまでビッドを行います。  そのあと,3人目のプレイヤーがビッドを行います。このビッドがパスでなか った場合には,1人目か2人目のプレイヤーのうち残っている方との2人でビッド を行います。 ビッドは次のルールに従います。  1)席順が下のプレイヤーは,今までのビッドより1つだけ上のビッドしかす ることができません。例えば,「ツェゴ」にたいしては「1枚」のビッドしか できません。席順は,ビッドの順と同じように,デクレアラーの右隣が1番上位 で,以下反時計回りに下がっていきます。  2)席順が上位のプレイヤーは下位のプレイヤーのビッドに対して「ホール ド」のビッドしかすることができません。ホールドとは下位のプレイヤーのビ ッドと同じビッドをすることですが,そのまま決まれば,ホールドをビッドし たプレイヤーがデクレアラーになります。(ホールドのことをドイツ語では, ゼルブスト Selbst と言います。)  3)実行不可能なビッドはすることができません。例えば,同じスートの数 札を2枚持っていなければ「かす2」のビッドはすることができません。  ただし,「かす2」や「別2」の場合には特別ルールを設けることがありま す。すなわち,数札が不足しているときには絵札を同じスートの数札として残 しておくことができます。このカードはそのスートの最も弱いカードとなりま す。このルールが採用された場合には「かす2」や「別2」には手札によるビッ ドの制限がなくなります。 {ソロのビッドがあった場合の第2ステージ}  第1ラウンドで誰かがソロのビッドをした場合には,その時点から第2ラウン ドが始まります。  第2ラウンドのビッドはソロのビッドをしたプレイヤー以外の2人の間で行わ れます。ソロのビッドをしたプレイヤーはビッドに参加できません。  まず,ソロのビッドをしたプレイヤーの右隣のプレイヤーから順に,ツェゴ のビッドをするか,パスをするかしていきます。  ビッドはソロのビッドがなかった場合と同じルールにしたがって行います。 ただし,ソロのビッドをしたプレイヤーの右隣のプレイヤーが席順が上位とな ります。  両方パスをすると,もちろんソロのビッドをしたプレイヤーがデクレアラー になります。  また,第2ラウンドでは1度パスをしたらもうビッドには参加できないので, 最初にビッドするプレイヤーがパスをして,次のプレイヤーがツェゴをビッド したら,そのプレイヤーがデクレアラーになります。  ソロのビッドがあったあとに,他のプレイヤーがツェゴやそれ以上のビッド でデクレアラーになった場合,同じコントラクトでもソロのビッドがなかった 場合よりも得点が高くなります。 <ソロの手札>  配られた手札の中に切札が9枚以上あるか,切札が8枚あってその中の少なく とも2枚が18かそれ以上のカードの場合には,「ソロの手札を持っている」と いうことになります。  ソロの手札を持っていなくてもソロのビッドをしてかまいませんし,ソロの 手札を持っていてもソロのビッドをしなくてもかまいません。しかし,ソロの 手札を持っていてソロのビッドをしないことには,次のような危険が伴います:  第1ステージで3人パスをした後でコントラクトが決まった場合,デクレアラ ーは,誰かがソロの手札を持っていると思ったら,最初のリードをする代りに 自分の手札をすべて表向けにすることができます。この場合,他の2人のプレイ ヤーも自分の手札を表向けにします。  このとき,ディフェンダーの1人がソロの手札を持っていた場合には,そのプ レイヤーにペナルティーがつきます。すなわち,ソロの手札のプレイヤーがそ のとき決まっているコントラクトのデクレアラーになって1トリックも取れなか ったとみなして,その得失点を計上します。逆に2人ともソロの手札を持ってい なかった場合には,デクレアラーがそのときのコントラクトで1トリックも取れ なかったとみなします。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++  続きます。
Subj:ルール紹介46:ツェゴ(2) From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:97/03/06 14:29
 ツェゴのルールの続きです。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <プレイ>  プレイはトリックテイキングゲームのルールに従いますが,次の規則があり ます。  1)最初のリードはデクレアラーが行います。  2)プレイは反時計回りに行います。  3)切札がリードされたときには,切札を持っていれば,切札のカードを出 さなければいけません。持っていなければ,何を出してもかまいません。  4)切札以外のカードがリードされたときには,リードされたスートを持っ ていればそのスートのカードを出さなければなりません。リードされたスート を持っていなくて,切札を持っていれば切札を出さなければいけません。それ 以外の時には何をだしてもかまいません。  トリックに勝ったら,勝ったプレイヤーが出されたカードを回収します。デ ィフェンダー側の2人の取ったカードはまとめて扱います。 <得点>  プレイの結果の得点は,デクレアラーの取ったカードの点数に基づく点数(達 成点)にコントラクトの種類による点数(コントラクト点)を掛けたものにな ります。 [カードの点数]  各カードの点数は次の通りです(下記以外のカードには点数はありません): シュティース 5 切札の21 5 切札の1(プファイフェ) 5 各キング 5 各クイーン 4 各カバロ 3 各ジャック 2  さらに,取ったカードを3枚1セットにして,それぞれのセットにつき次のよ うに点数を修正します。どのようにセットを作っても結果の点数は変わりませ んので,計算しやすいようにセットを作っておきましょう。 点数のあるカード3枚 -2 点数のあるカード2枚とないカード1枚 -1 点数のあるカード1枚とないカード2枚 0 点数のないカード3枚 +1  (セットによる修正の結果は,点数のないカードを1点と数えて,1セットに つき2点ずつ減点していくのと同じことになります。)  このように全カードを計算した後,デクレアラーにさらに1点を加えます。た だし,デクレアラーが1トリックも取れなかった場合には,この1点はディフェ ンダー側に与えられます。  この結果全点数の合計は70点になります。  このカードの点数はそのまま得点の計算に使うわけではなく,次の表で達成 点に変換してから用います。 [達成点]  以下がカードの点数から達成点を求める表です。 デクレアラーの ディフェンダーの 達成点 カードの点数 カードの点数 70 0 8 65〜69 1〜 5 7 60〜64 6〜10 6 55〜59 11〜15 5 50〜54 16〜20 4 45〜49 21〜25 3 40〜44 26〜30 2 36〜39 31〜34 1 31〜35 35〜39 -1 26〜30 40〜44 -2 21〜25 45〜49 -3 16〜20 50〜54 -4 11〜15 55〜59 -5 6〜10 60〜64 -6 1〜 5 65〜69 -7 0 70 -8  プファイフェのコントラクトで,切札の1を最初にリードせずに,あとでそ れを出して負けてしまった場合も,プレイは最後まで行います。カードの点数 を計算して36点以上だった場合は達成点は-1となります。36点未満だった場合 には上記の表による点数(マイナス点)そのままです。 [コントラクト点] ソロのビッドがない場合 ソロのビッドがあった場合 達成時 失敗時 達成時 失敗時 ソロ - - 1 2 ツェゴ 1 1 2 2 1枚 2 2 3 3 かす1 3 3 4 4 かす2 4 4 5 5 別2 5 5 6 6 プファイフェ 6 6 7 7 [得点の記入と精算]  すでに述べたように,達成点とコントラクト点を掛け算したものが得点とな ります。  デクレアラーが成功してプラス点になったときには,その点数をスコアシー トのデクレアラーの欄につけます。  デクレアラーが失敗してマイナス点になったときには,その点数(絶対値) を2人のディフェンダーのそれぞれの欄に記入します。(マイナス点をデクレ アラーの欄につけても同じことなのですが,伝統的にはこの記入方法を用いま す。)  ゲームはプレイヤーの合意により何ディールでも行うことができまが,ゲー ムが終了したら,各プレイヤーは他の2人のプレイヤーと,それぞれとの点数の 差だけの額を精算します。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <<4人ゲーム>>  4人ゲームについては,3人ゲームとの相違点だけを述べていきます。 <カード>  54枚のツェゴパックのカード全部を使います。  スペードとクラブのカードとその強さは次の通りです:   (強)キング,クイーン,カバロ,ジャック,10,9,8,7(弱)  ハートとダイアモンドのカードとその強さは次の通りです:   (強)キング,クイーン,カバロ,ジャック,1,2,3,4(弱) <ディール>  タロンに10枚のカードを配った後,各プレイヤーに11枚ずつのカードを配り ます。 <ビット>  4人ゲームのコントラクトは,3人ゲームのものがすべて存在するほかに,新 たなコントラクトも追加されます。  なお,デクレアラーは他の3人を敵にして戦います。 <コントラクトの種類>  4人ゲームで新たに加わったコントラクトは次の通りです: 1)ピッコロ(Piccolo)  デクレアラーはちょうど1トリックだけトリックを取るようにします。カー ドの点数はこのコントラクトでは関係ありません。  タロンは誰も見たり使用したりはしません。 2)ベッテル(Bettel)  デクレアラーは1トリックも取らないようにします。カードの点数はこのコ ントラクトでは関係ありません。  タロンは誰も見たり使用したりはしません。 1)ロイバー(Rauber)  各プレイヤーはおのおの自分のためにプレイします。プレイの目的は,でき るだけカードによる点数を取らないようにすることです。最も高い点を取った プレイヤーが負けになります。  タロンは誰も見たり使用したりはしません。その点数は誰のものにもなりま せん。  最初のリードはディーラーの右隣のプレイヤーが行います。(これ以外のす べてのコントラクトでは,デクレアラーが最初のリードを行います。) <ビッドの方法>  4人ゲームにおいては,ビッドは3つのステージから成ります。 [第1ステージ]  第1ステージは3人ゲームと同じで,誰かがソロをビッドするか全員パスをす ると終わります。 [第2ステージ]  第1ステージでソロのビッドがあった場合には3人ゲームの第2ステージと同様 にビッドを行います。この場合,第3ステージはありません。また,ピッコロや ベッテルやロイバーをビッドすることもできません。  第1ステージでソロのビッドがなかったときには,4人ゲーム特有の第2ステー ジのビッドを行います。  ビッドはディーラーの右側のプレイヤーから始めますが,各プレイヤーは1回 しかビッドのチャンスがありません。  ビッドできるのは「ピッコロ」,「ベッテル」またはパスだけです。誰かが ピッコロをビッドしたらその後のプレイヤーはベッテル(またはパス)しかビ ッドできません。  誰かがベッテルをビッドするとビッドは終了します。  ピッコロかベッテルのビッドがあった場合には,第3ステージのビッドは行わ ず,すぐにプレイに入ります。この場合,ツェゴなどのビッドはできないこと になります。 [第3ステージ]  第1ステージ,第2ステージ共に全員がパスをした場合に限り,第3ステージの ビッドを行います。  ディーラーの右隣のプレイヤーがまずツェゴのビッドを行い,3人ゲームの第 2ステージ(第1ステージが全員パスだったとき)とまったく同じようにビッド を行います。ビッドできるコントラクトも3人ゲームの場合と同じです(ピッコ ロ,ベッテル,ロイバーはビッドできません)。  しかし,もしディーラーの右隣のプレイヤーがツェゴのビッドを行った後, 全員がパスをしたなら,ツェゴのビッドをしたプレイヤーはコントラクトを「ロ イバー」に変更することができます。 <ソロの手札>  4人ゲームの場合には,8枚以上の切札を持っているか,7枚以上の切札を持っ ていてその内の少なくとも2枚が18かそれ以上のカードである場合に,ソロの 手札を持っていることになります。  第3ステージまでビッドが行われてコントラクトが決まった場合に限り,デク レアラーは誰かがソロの手札を持っていると思ったら,最初のリードをする代 りに自分の手札をすべて表向けにすることができます。その結果は3人ゲームと 同様です。 <得点> [カードの点数]  カードによる点数の数え方は3人ゲームと同じです。  ただし,3人ゲームではデクレアラーが1トリックでも取ったら1点もらえます が,4人ゲームではもらえません。  また,3枚セットの計算をするときに,4人ゲームでは余ったカードが出るこ とがあります。この場合点数のないカードを余らせるようにして,2枚余ったら +1点,1枚余ったら0点とします。  カードの点数の合計点は3人ゲームと同様に70点です。 [得点計算]  通常のゲームの得点計算は3人ゲームと同じです。  ピッコロの得点は10点,ベッテルの得点は15点の固定です(達成点にコント ラクト点を掛けるのではありません)。  失敗した場合にはもちろんこの点数がディフェンダー3人のそれぞれにつきま す。  ロイバーで最も高い点数を取ったプレイヤーは5点を自分のスコアから引きま す。ディーラーの右側のプレイヤー(すなわち,ロイバーを宣言したプレイヤ ー)が最も高い点数を取った場合には,5点ではなく10点を自分のスコアから引 きます。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <注>  Konig の o,Rauber の a はウムラウトします(上に「"」がつきます)。  Stiess の ss は正しくはエスツェット(βのような字)になります。 **********************************************************************