Subj:ルール紹介5:ユーカー From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:95/03/02 15:32
 ユーカーを紹介します。ルールもプレイも分かりやすく,スピーディーなゲ ームです。 ********************************************************************** ユーカー(Euchre) 1994/2/14 赤桐  19世紀後半から20世紀の初頭まで,米国で大変盛んにプレイされたトリ ックテイキングゲームです。現在では,英国の一部地方でよくプレイされてい ます。  ユーカーは最初にジョーカーを使ったゲームだといわれていまが,現在でも ジョーカーなしでプレイされることも多くあります。  いろいろな種類があるのですが,ここでは最も代表的な4人で行うパートナ ーシップゲームを紹介します。紹介するルールは「英国ユーカー協会」による 現代的なルールを基にしています。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <人数>  4人。向かいあった2人がパートナーとなります。 <カード>  各スートのA,K,Q,J,10,9とジョーカーの25枚のカード。ジョ ーカーの代りにスペードの2を使うこともあります。 <カードの強さ>  切り札のスートでは,強いのから順に,ジョーカー,J(ライトバウアー= 正ジャック),切り札と同色のスートのJ(レフトバウアー=裏ジャック), A,K,Q,10,9の順です。ジョーカーは常に切り札です。レフトバウア ーはマークで表示されているスートではなく切り札のスートに属します。  切札以外のスートでは,A,K,Q,J,10,9の順です。 <ディール>  最初のディーラーは任意のやり方で決めます。ディーラーはディール毎に左 隣のプレイヤーに移ります。  ディーラーは,ディーラーの左隣から時計回りに,まず3枚ずつ各プレイヤ ーに配り,次に2枚ずつ配ります。各プレイヤーは5枚ずつの手札を持つこと になります。  残りの5枚のカードはテーブル中央に裏向きに置きますが,1番上のカード だけは表向きにします。このカードのスートが切り札の候補になります。  もしこのカードがジョーカーだったら,ディーラーは自分の手札を見る前に, どのスートを切札候補にするかを宣言します。 <ビッド>  ディーラーの左隣から順に時計回りに,切札候補のスートを切り札にするか どうかをビッドしていきます。誰かが「アップ(Order It Up)」とビッドする と,そのスートが切り札に決まり,ビッドが終了します。「アップ」をビッド したくない場合には「パス」とビッドします。  「アップ」の代りに,「アップ,ダウン(Up,Down)」とビッドすることもで きます。これは,切札候補のスートを切り札にして,パートナーの力を借りな いで1人でプレイするという宣言です。  全員がパスをした場合には,切札候補のカードは裏向きにされ,ディーラー の左隣から新しいビッドが始まります。  今度は,「アップ」の代りに,自由にスートをビッドしてそれを切り札にす ることができます。例えば,「スペード」というようにです。ただし,最初の 切札候補のスートをビッドすることはできません。今回も,誰かが切り札スー トをビッドしたら,ビッドは終了します。  今回1人でプレイしたい場合には,例えば「スペード,ダウン」と言うよう に,スートのあとに「ダウン」をつけてビッドします。  このビッドにおいても全員がパスをした場合には,プレイは行われず,配り 直しとなります。ディーラーは左隣に交代します。  なお,1巡目のビッドでも2順目のビッドでも,切り札を決めたプレイヤー は「メーカー」と呼ばれます。 <交換>  切り札表示カードが切り札に決まった場合には,ディーラー(メーカーでは ない)は,プレイの前に,切札表示カードを手札に加え,不要なカードを1枚 裏向きに捨て札することができます。 <1人プレイ>  メーカーがビッドのときに「ダウン」を宣言している場合には,メーカーの パートナーは手札を伏せて置いておきます。このプレイヤーとその手札は,プ レイには参加しません。 <プレイ>  トリックテイキングゲームの通常のルールに従います。  1人プレイが行われる場合には,1人プレイをするプレイヤーの左隣のプレ イヤーが最初のリードを行います。それ以外の場合には,ディーラーの左隣の プレイヤーが最初のリードをします。  リードされたスートはフォローしなければなりませんが,フォローできない 場合にはどのカードを出してもかまいません。 <得点>  得点はパートナーごとに付けます。1人プレイがあった場合にも,パートナ ーの得点となります。  メーカーの側が3トリック以上取った場合には,次のような得点となります。    3トリックか4トリック勝った場合:   1ポイント    5トリック全部勝った場合:       2ポイント    1人プレイで5トリック全部勝った場合: 4ポイント  なお,1人プレイで3トリックか4トリックしか勝たなかった場合は,1ポ イントだけです。  メーカーの側が3トリック以上取ることに失敗した場合には,相手側が2ポ イント得点します。(これをユーカーされると言います。) <ゲーム>  伝統的には,5ポイント先取したほうが勝ちます。  トーナメントプレイでは,21ポイント先取のゲームを先に2つ勝ったほう が勝利します。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <補注1>  米国の伝統的なルールでは,各スートの8と7を含めた33枚のカードを使 用します。ただし,ディールの枚数は同じ5枚です。  また,ジョーカーを含めない,24枚のカードや32枚のカードでプレイさ れることもあります。 補注2>  米国の伝統的なルールでは,パートナーと最初のディーラーは次のように決 めます。  各プレイヤーは1枚ずつカードを引いて,高位の2枚のカードを引いた2人 がパートナーになり,低位カードの2人もパートナーになります。  一番低いカードを引いたプレイヤーがディーラーとなります。  このときのカードのランクは次の通りです:    (高)K,Q,J,10,9,8,7,A(低)  同じランクのカードを引いたプレイヤーどうしは,引き直して順位を決めま す。 <補注3>  繁雑になるので省略しましたが,英国ユーカー協会のルールには1人プレイ について次のようなルールがあります。  ダウンを宣言しているメーカーのパートナーは,逆に,メーカーにプレイを させないで,自分1人でプレイすることを選択できます。ただし,メーカーが ディーラーで,切札表示カードと手札の交換を既に行っている場合には,こう することはできません。  また,メーカーの側が1人プレイを行うときに限り,相手側のプレイヤーの 1人は,自分のパートナーのカードを伏せさせて,1人でプレイすることを選 択できます。ただし,やはり,パートナーがディーラーで,切札表示カードと 手札の交換を既に行っている場合には,こうすることはできません。  メーカーの相手側が1人プレイして,ユーカーした場合には,4ポイントを 得点します。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <用語>  ジョーカーや,同じ働きをするスペードの2は,「ベニー(Benny)」と呼ば れることがあります。また,「ベストバウアー(Best Bower)」と呼ばれること もあります。  「ダウン」と言う代わりに,「アローン(alone)」と言うこともあります。 **********************************************************************