Subj:ルール紹介56:メイト From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:97/04/30 09:42
********************************************************************** メイト(Mate) 1997/4/30 赤桐  メイトはSid Sackson氏が"A Gamut of Games"という本で紹介しているゲーム です。それによれば,1915年にドイツのハノーバーでG.Capellen氏が出版した "Zwei neu Kriegspiele!"とい本に載っているゲームだそうです。  2人ゲームで全部のカードを配りきるので,相手のカードの内容もわかってい るゲームです。トリックテイキングゲームに似ていますが,すこし違います。  ゲームで使われる用語は,チェスのプロブレム(詰め将棋)で使われるもの が用いられています。たしかに,詰め将棋に似た雰囲気のあるゲームです。  なお,以前6番会議室でインドのチェスカードが紹介されたとき,このゲーム とそっくりなことが話題になりましたが(#2654,#2656,#2657,#2660,2661), それとの関連については分かりませんでした。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <人数>  2人 <カード>  各スートのA,K,Q,10,7の20枚のカード <ディール>  ディーラーは,5枚ずつ2回カードを配ります。各プレイヤーの手札は10枚に なります。 <プレイ>  まず,ディーラーが手札の中から1枚のカードを出します。もう1人のプレイ ヤーは,それと同じスートのカードを持っていれば,そのスートのカードの中 から1枚を出します。同じスートのカードがなければ,その場合に限り,同じ ランクのカードを出します。それもできない場合には,直ちに負けになります。  次回からは,前回強いカードを出した方のプレイヤーが先にカードを出して, 同じようにプレイを続けます。もちろん1度出したカードは,もう使えません。  カードの強さは,強いものから順に,A,10,K,Q,7です。同じラン クならば,クラブが最も強く,以下スペード,ハート,ダイアモンドの順にな ります。  どちらかのプレイヤーが,先に出されたカードと同じスートかランクのカー ドを出すことができなくなると,そのプレイヤーの負けでプレイが終わります。 この状態をメイトと呼びます。(メイトとはチェスの用語で,将棋で言う「詰 み」のことです。)  もし,全カードをプレイしてもどちらもメイトにならなければ,引き分けに なります。  なお,プレイで出したカードは,自分の前に表向きのまま置きます。 <得点>  得点は,何回目のムーブでメイトになったかということと,メイトしたカー ド(勝ったプレイヤーが最後に出したカード)の点数で決まります。  ムーブとは,各プレイヤーが1枚ずつ出す1回のプレイの事です(最後のムー ブだけは,1人が1枚出して終わります)。ムーブというのは,チェスのプロブ レムで両プレイヤーが1手ずつ差すのを1ムーブと呼ぶことからきています。  カードの点数は次の通りです。   A:  11点   10: 10点   K:   4点   Q:   3点   7:   7点  得点は,メイトしたムーブ数に,メイトしたカードの点数を掛けたものです。  例えば,5ムーブ目のプレイでメイトになり,その時に出したカードがKなら ば,5 x 4 = 20点です。  できるだけ遅いムーブで,高い点数のカードでメイトにするほど,得点が高 くなります。 <ラウンドとゲーム(マッチ)>  上記のプレイの終了後,ディーラーともう1人のプレイヤーは,それぞれが使 ったカードを手札に戻して,その手札を交換します。それから,今度はノンディ ーラー(ディーラーをしなかったほうのプレイヤー)が最初にカードを出して, もう1度プレイを行います。  このような2度のプレイが1ラウンドとなります。  2ラウンド行うと,1ゲーム(マッチ)となります。得点の多い方が勝者です。 <フォアプレイシングとオーバーメイト>  プレイヤーは,プレイの始まる前に,手札のうちの1枚を裏向きに脇に置き, プレイに使用しないようにすることができます。これを,フォアプレイシング と呼びます。  フォアプレイシングで勝つと,1ムーブ分の得点が余分にもらえます。例えば, 3ムーブ目でメイトすると,4ムーブでメイトしたのと同じ得点がもらえるわけ です。  なお,フォアプレイシングをすると手札は9枚になるので,10ムーブ目には, 9ムーブ目に使ったカードを再び使用します。  フォアプレイシングをして,10ムーブ目で勝つと,得点は倍になります。こ れをオーバーメイトと呼びます。  例えば,最後にAを出してオーバーメイトすれば,11ムーブ x 11点 = 121点 になるわけです(10ムーブ目ですが,フォアプレイシングなので11ムーブで計 算します)。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <バリエーション> [ダブルデッキ・メイト]  2組のカードから,次のカードを抜き出して使用します。   クラブの    A,10,K,7,7   スペードの   A,10,K,K,7   ハートの    A,10,10,K,7   ダイアモンドの A,A,10,K,7  プレイのときに,同一のカードが出された場合には,先に出した方が強いこ とになります。 [キングの特権]  キングがリードされたときには,同じスートのカードを持っていても,他の キングを持っていればキングを出さなければならないというルールです。キン グがなければ,同じスートのカードを出すことができます。 [フリームーブ]  リードされたカードと同じスートのカードを持っていても,同じランクのカ ードを出してもよいというルールです。 **********************************************************************