Subj:ルール紹介100:ミットレール・ヤス From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:98/07/23 17:20
 これも,6月6日になかよし村でプレイしたゲームです。好評でした。 ********************************************************************** ミットレール・ヤス(Mittlere Jass) 1998/7/23 赤桐  スイスでポピュラーなヤスというトリックテイキングゲームの一種です。  プレイの目的は,プレイで最高の点数を得るか,最低の点数を得ることです。 ただし,あまり点数を取りすぎたり,全くトリックを取らなくてもてもいけま せん。  ルールはJohn McLeod氏のインターネットWWW(http://www.pagat.com/)に よりました。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <プレイヤー>  3人。 <カード>  52枚の普通のトランプから2から5を除いた36枚のカードを使います。  正式には,スイスの伝統的なカードを使用します。どんぐり,楯,花(薔薇), ベルの4つのスートがあり,クイーンの代わりにオーバー(Ober),ジャックの代 わりにウンター(Unter),10の代わりにバナー(Banner)があります。  切札以外では,カートのランクと点数は次の通りです:   ランク:(強)A,K,Q,J,10,9,8,7,6(弱) 点数: 11 4 3 2 10 0 0 0 0  切札では次のようにランクと点数が変わります。   ランク:(強)J,9,A,K,Q,10,8,7,6(弱) 点数: 20 14 11 4 3 10 0 0 0 <ディール>  最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは反時計回りに交替し ます。  ディーラーは,右隣のプレイヤーから反時計回りの順に3枚ずつまとめてカー ドを配り,全部のカードを配ってしまいます。各プレイヤーの手札は12枚にな ります。 <プレイ>  ディーラーの右隣のプレイヤーが最初のリードを行い,反時計回りにトリッ クテイキングのプレイを行います。  プレイが始まったときには,切札がどのスートなのかは決まっていません。 切札が決まる前には,リードされたスートが手札にあれば必ず出さなければな りません。出せないときには,どのカードをだしてもかまいません。このよう にしてフォローできないで最初に出されたカードのスートが,そのディールの 切札になります(出したそのトリックでも切札として有効です)。  切札が決まったあとの,フォローの義務は次の通りです:  1)切札以外のスートがリードされて,そのスートのカードを持っていると き,そのスートのカードを出しても良いし,切札を出してもかまいません。た だし,そのトリックで既に切札が出ている場合には,その切札より弱い切札を 出すことはできません。  2)切札以外のスートのリードで,そのスートのカードを持っていない場合 には,手札のなかのどのカードを出してもかまいません。  3)切札のリードの場合には,切札を持っていれば切札を出します。複数あ れば,どの切札を出してもかまいません。切札がなければ,どのカードを出し てもかまいません。  4)ただし,切札がリードされて,切札はジャックしか持っていない場合に は,切札ジャックを出しても良いし,他のどのカードを出してもかまいません。  切札が出ている場合には,最も強い切札を出したプレイヤーがトリックに勝 ちます。切札が出ていない場合には,リードされたスートの最も強いカードを 出したプレイヤーが勝ちます。勝ったプレイヤーは次のリードを行います。  最後のトリックに勝ったプレイヤーは,さらに5点をもらえます。  従って,1つのディールの全点数は157点となります。  もし最後まですべてのリードがフォローされて,切札が決まらなかった場合 には,各スートの8が8点となります。やはり全点数は157点です。 <得点>  プレイが終わると,得点をつけます。通常は最高と最低の点数のプレイヤー がプラス点で,中間の点数のプレイヤーがマイナス点になるのですが,特殊な 場合も含めると次のようなルールになります。番号の小さいルールの方が優先 します。  1)全トリックを取ったプレイヤーがいたら,そのプレイヤーはプラス2点,    他の2人はマイナス1点。  2)1回もトリックに勝たなかったプレイヤーがいたら,そのプレイヤーは    マイナス2点,他の2人はプラス1点。  3)100点以上取ったプレイヤーがいたら,そのプレイヤーはマイナス2点,    他の2人はプラス1点。  4)2人のプレイヤーが同点ならば,同点のプレイヤーはマイナス1点,残り    の1人はプラス2点。  5)最も高い点数のプレイヤーと最も低い点数のプレイヤーがプラス1点,中    間の点数のプレイヤーはマイナス2点。  得点のつけ方は,プラス1点につき縦棒1本を記入し,マイナス1点につき丸を 1つ記入します。プラスのあとにマイナスを書くときや,マイナスのあとにプラ スを書くときには,丸と縦棒を重ねて書いて,0点を表すようにします。 <ゲーム>  ゲームの終了条件は特に決められてはいません。 ********************************************************************** <モロトフ・ヤス(Molotow Jass)>  4人で行います。ミッテレール・ヤスの元になったゲームで,ミッテレール・ ヤスと同じようにプレイを行います。手札は9枚となります。  得点のつけ方は次の通りです。番号の小さいルールの方が優先されます。 (ミッテレール・ヤスと違って,1トリックも取らないことに対する罰点はあり ません。)  1)157点を取ったプレイヤーがいたら,そのプレイヤーはプラス3点,他の    プレイヤーはマイナス1点(全トリック取っていなくてもかまいません)。  2)100点以上のプレイヤーがいた場合,そのプレイヤーはマイナス3点,他    の3人はプラス1点。  3)3人の点数が同じ場合,違った点数のプレイヤーがプラス1点。同点の3人    はカードを引いて,一番強いカードのプレイヤーがマイナス1点。  4)最も点数の低い2人の点数が同じ場合,この2人の得失点はなく,最も得    点の高いプレイヤーがプラス1点,2番目のプレイヤーがマイナス1点。  5)最も点数の高い2人の点数が同じ場合,この2人の得失点はなく,3番目の    プレイヤーがマイナス1点,最も得点の低いプレイヤーがプラス1点。  6)中間の点数の2人が同点の場合,最も高い点数のプレイヤーと最も低い点    数のプレイヤーがマイナス1点,中間の点数のプレイヤー2人がプラス1点。  7)全員の点数が違う場合,同様に,最も高い点数のプレイヤーと最も低い    点数のプレイヤーがマイナス1点,中間の点数のプレイヤー2人がプラス    1点。 <プラスマイナス・ヤス(Plus-Minus Jass)>  3人または4人で遊びます。プレイの方法はミッテレール・ヤスやモロトフ・ ヤスと同じです。  得点はプラス点だけでマイナス点はつけません。何ディールか行なって,7点 に達したプレイヤーがいたら,そのプレイヤーの勝ちでゲーム終了となります。 同点の場合にはもう1ディール(ずつ)行います。  得点方法は次の通りです:  1)1人以外の全員が同点の場合,同点でないプレイヤーだけが2点得点しま す。  2)それ以外の場合,最も点数の高いプレイヤーと最も点数の低いプレイヤ ーが1点ずつ得点します。ただし,100点以上取ったプレイヤーがいた場合は, そのプレイヤーは得点せず,最低点の人だけが得点します。  4人プレイの場合で,最高点が同点で2人いた場合や,最低点が同点で2人いた 場合には,その点数は保留になります。その2人のうち,次回からのディールで 片方だけが得点したときに,そのプレイヤーがこのときの1点も得ることができ ます。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <注>  David Parlett氏も,著書"The Penguin Book of Card Games"で,"Middler" という名前でこのゲームを紹介しています。  本文のルールと次の点で違います。  1)プレイの規則はハントヤス(Handjass)と同じということになっています。    彼の本ではハントヤスの規則は次のようになります。     ・リードされたスートがあれば出さなければならない。しかも,今ま      でに出ているカードの勝つことのできるカードがあれば必ず出さな      ければならない。     ・リードされたスートがなく切札があれば必ず切札を出さなければな      らない。なければ何を出してもよい。    あるいは,次のようにプレイしても良いとも書いています。     ・リードされたスートがあれば出さなければならない。なければ,ど      のカードを出してもよい。  2)100点以上を取ったプレイヤーと1トリックも取らなかったプレイヤーが    いた場合,これらのプレイヤーはマイナス1点,残りの1人がプラス2点に    なります。  3)4人ゲームもあります(ただしルールはあまり述べられていません)。  4)通常12ディールで1ゲームということです。  また,おそらくParlett氏の考案による,次のようなやり方も記述されていま す。  ・プレイヤーは3人  ・各スートの7,8,9,10,J,Q,K,Aにジョーカーを加えた33枚   のカードを使用。切札を含む全スートは次のランクと点数になる。     ランク:(強)A,K,Q,J,10,9,8,7(弱)   点数: 11 4 3 2 10 0 0 0   ジョーカーは最も強い切札になり,点数は1点。  ・最後のトリックの10点はない。  ・切札のスートが決まる前にジョーカーがプレイされた場合には,ジョーカー   以外の切札はなしになる。  ・プレイでは,リードされたスートがあれば出し,なければ何を出しても良   い(本には明確な記述がなかったのですが,これでよいと思います)。  ・点数の最も高いプレイヤーと最も低いプレイヤーは,自分の取ったカード   の点数を得点する。中間の点数のプレイヤーの得点はない。  ・2人の点数が同点の場合は,3人目のプレイヤーだけが自分の取ったカード   の点数を得点する。  ・点数を取りすぎたり,全くトリックを取らなかったりすることへの罰はな   い。  ("The Penguin Book of Card Games"にこのゲームの記述があることを指摘 していただいたO氏に感謝いたします。) **********************************************************************