Subj:ルール紹介51:ニューマーケット(1) From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:97/04/16 18:59
********************************************************************** ニューマーケット(Newmarket) 1997/4/16 赤桐 楽しく遊べる軽いギャンブリングゲームです。ストップ系のゲームとしては 英米で最も盛んなゲームです。ルールはとても簡単です。 ニューマーケットというのは英国での呼び名ですが,米国ではミシガン (Michigan)と呼ばれます。他に,Stops,Boodle,Chicago,Salatogaなど と呼ばれることもあります。 細かい点は色々なルールがあるのですが,まず,私が好きなルールを紹 介します。英国の本に載っている標準的なルールだと思います。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <人数> 3人〜8人(4人,5人が最適か)。 <カード> 通常の52枚のカードを使います。 カードのランクは, (低)2,3,4,5,6,7,8,9,J,Q,K,A(高) です。 この52枚のカードとは別のカードの組から,異なったスートのA,K,Q, Jを抜き出して,テーブルに表向きに置きます。これを「表示カード」と呼ぶ ことにします(英語ではLuxuries,Boodle,Money Cardsなどと呼ばれます)。 表示カードが用意できないときには,紙などにこの4枚のカードを描いてもか まいません。 <チップ> ゲームの前に,各プレイヤーに同数のポーカーチップ(またはその代わりに なるもの,例えば,マッチの棒)を配っておきます。 <参加料> 各ディールが始まる前に,各プレイヤーは,それぞれの表示カードの上に, チップを1枚ずつ置きます。 <プレイの目的> プレイの目的は,自分の手札を早くなくすことです。 また,表示カードと同じカードをプレイすると,そこに載っているチップが もらえます。 <ディール> 最初のディーラーは任意に決めます。次からは,時計回りに交代します。 ディーラーは,左隣のプレイヤーから時計回りに1枚ずつカードを配り,す べてのカードを配ってしまいます。 ただし,配るときに,ディーラーとその左隣のプレイヤーの間に,もう1人 のプレイヤーがいるように考えて,そこにもカードを配ります。(ここに配ら れたカードを「ダミーハンド」と呼ぶことにします。) なお,プレイヤーの手札の枚数が同じにならないこともありますが,かまい ません。 <プレイ> まず,ディーラーの左隣のプレイヤーが手札から1枚をテーブルに出します。 このとき,どのスートを選んでもかまわないのですが,選んだスートの最も ランクの低いカードしか出すことができません。 例えば,手札がハートの2,J,Q,クラブの6,A,スペードの4だとす ると,出せるカードは,ハートの2か,クラブの6か,スペードの4です。 次にプレイするプレイヤーは,席順とは関係ありません。出されているカー ドと同じスートで,それよりも1つランクの高いカードを持っているプレイヤ ーが,そのカードをテーブルに出します。 例えば,最初にクラブの6がプレイされたとすると,クラブの7を持ってい るプレイヤーが次にそれを出すことになります。 同様にして,同じスートで1つ上のランクのカードを順にプレイしていきます。 同じプレイヤーが続けてプレイしてもかまいません。また,出せるカードがあ れば,必ず出さなければいけません。 Aを誰かがプレイするか,誰も同じスートで1つ上のランクのカードを持って いないときに,プレイは中断します。これを「ストップ」の状態と呼びます。 このあと,最後にプレイしたプレイヤーが手札から1枚のカードを出して,プ レイが再開されます。出すことのできるカードは,一番最初のときと同じよう に,どのスートでもかまいませんが,選んだスートの最もランクの低いカード だけです。 なお,プレイの時に出されたカードは,1つの山にしておきます。下になって いるカードは見ることができません。 <表示カードのチップの獲得> プレイで出したカードが,表示カードの1枚と同じカード(同スートで同ラ ンク)であった場合,そのカードに置かれているチップをもらうことができま す。 <プレイの終了> プレイしていくうちに誰かが手札を全部出してしまったら,そのプレイヤー の上がり(勝利)でプレイ終了となります。 上がったプレイヤーは,他の各プレイヤーから,そのプレイヤーの手札の枚 数と同じ枚数のチップを受け取ります。 表示カードに置いたチップが残っている場合がありますが,これは次回のディ ールに持ち越されます。(次回もここに参加料を置くので,そのカードのチッ プは多くなります。) <ゲームの終了> いつゲームが終了するかは,あまり決まった規則はありません。いつどのよ うに終わるかは始める前に相談して決めてください。 ゲームが終わったときに表示カードに残っているチップは,プレイヤー全員 で分けます。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <注1> 表示カードは,例えば,ハートA,クラブK,ダイアモンドQ,スペードJ などと,決められたカードのように書かれている本もありますが,実際には, 異なったスートのA,K,Q,Jであれば良いようです。 <注2> 表示カードに置くチップの数が,ディーラーだけは2枚ずつだというルールも あります。 また,各表示カードに1枚ずつ置くのではなく,4枚(その他決められた枚数) のチップを,どの表示カードに何枚ずつ置いてもよいというルールもあります。 <注3> カードをディールするとき,本文ではダミーハンドは1巡の最後に配ること になりますが,米国では,最初にダミーハンドから配るようです。 <注4> カードのディールのとき,各プレイヤーのカードの枚数が同じになるように 配るやりかたもあります。余ったカードはダミーハンドのものになります。 <注5> 米国の本によく書かれているルールですが,ディーラーは,配られた手札を 見た後で,自分の手札とダミーハンドを交換することができるというルールも あります。交換しない場合には,最も高い値段をつけたプレイヤーにダミーハ ンドを売ることができます(もちろんポーカーチップでです)。 <注6> プレイがストップの状態になったあとに出すカードは,どのスートでもよい のではなくて,直前にプレイされていたスート以外のスートのカードでなけれ ばならないというルールもよく採用されます。 もし,そのプレイヤーが,直前にプレイされていたスートのカードしか持っ ていない場合には,次の2つのルールがあります。 1)左隣のプレイヤーがプレイを行う。(もし,全員がそのスートしか持っ ていない場合には,元のプレイヤーが,そのスートのカードをプレイする。) 2)プレイヤーは交代しないで,そのスートのカードをプレイする。 <注7> 上がったときに,各プレイヤーから手札の枚数だけのチップをもらうのでは なく,プレイヤー1人につき1枚ずつチップをもらうやりかたもあるようです。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 次回に,David Parlette氏による,ニューマーケットのちょっと違ったルー ルを紹介します。
Subj:ルール紹介52:ニューマーケット(2) From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:97/04/16 19:00
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ ニューマーケットのルール紹介の2回目です。 今回はDavid Parlett氏が記述しているルールを紹介します。ロンドンの南部 で1990年代に実際に行われているルールだということです。 かなり異なった点のあるルールなので,1回目に紹介したルールとの違いでは なく,最初から記述しておきます。 <人数> 3人〜8人(4人が最適)。 <カード> プレイでは,通常の52枚のカードから各スートのキングを抜き出した48枚の カードを使用します。 4枚のキングは,別々に表向きにテーブルに置かれます。 カードのランクは, (低)A,2,3,4,5,6,7,8,9,J,Q(高) です。 <チップ> ゲームの前に,各プレイヤーに同数のポーカーチップ(またはその代わりに なるもの,例えば,マッチの棒)を配っておきます。 <参加料> 各ディールが始まる前に,各プレイヤーは,それぞれのキングの上に,チッ プを決められた枚数ずつ(例えば1枚ずつ)置きます。 それとは別に,決められた枚数(例えば1枚)のチップを,別の場所に置きま す。これを,プールと呼ぶことにします。 <プレイの目的> プレイの目的は,自分の手札を早くなくすことです。 また,クイーンををプレイすると,同じスートのキングに載っているチップ がもらえます。 <ディール> 最初のディーラーは任意に決めます。次からは,時計回りに交代します。 ディーラーは,左隣のプレイヤーから時計回りに1枚ずつカードを配り,す べてのカードを配ってしまいます。 ただし,配るときに,ディーラーとその左隣のプレイヤーの間に,もう1人 のプレイヤーがいるように考えて,そこにもカードを配ります。(ここに配ら れたカードを「デッドカード」と呼ぶことにします。) なお,プレイヤーの手札の枚数が同じにならないこともありますが,かまい ません。 <交換> ディーラーは,配られた手札を見た後で,自分の手札とデッドカードを交換 することができます。 ディーラーが交換したくなけれれば,交換する権利は左隣に移っていきます。 誰かが交換を行えば,他のプレイヤーは交換できません。 ディーラー以外が交換を行った場合は,そのプレイヤーは,プレイ前にプー ルに支払う参加料と同じだけのチップを,さらにプールに支払わなければなり ません。 <プレイ> ダイアモンドの最もランクの低いカードを持っているプレイヤーが,最初の プレイを行います。ダイアモンドのAを持っているプレイヤーがいれば,その プレイヤーが最初のプレイをするわけですが,いなければ,ダイアモンドの2 を持っているプレイヤーなどというようになるわけです。 プレイは,手札から1枚のカードを出すことです。 このとき,どのスートを選んでもかまわないのですが,選んだスートの最も ランクの低いカードしか出すことができません。 例えば,手札がハートの2,J,Q,クラブのA,6,スペードの4だとす ると,出せるカードは,ハートの2か,クラブのAか,スペードの4です。 次にプレイするプレイヤーは,席順とは関係ありません。出されているカー ドと同じスートで,それよりも1つランクの高いカードを持っているプレイヤ ーが,そのカードをテーブルに出します。 例えば,最初にクラブのAがプレイされたとすると,クラブの2を持ってい るプレイヤーが次にそれを出すことになります。 同様にして,同じスートで1つ上のランクのカードを順にプレイしていきます。 同じプレイヤーが続けてプレイしてもかまいません。また,出せるカードがあ れば,必ず出さなければいけません。 クイーンを誰かがプレイするか,誰も同じスートで1つ上のランクのカードを 持っていないときに,プレイは中断します。これを「ストップ」の状態と呼び ます。 このあと,最後にプレイしたプレイヤーが手札から1枚のカードを出して,プ レイが再開されます。 このとき,出すことのできるカードは,直前にプレイされていたカードと違 った色のスートのカードだけです。また,そのスートの最もランクの低いカー ドでなければなりません。 例えば,ハートのクイーンがプレイされてストップの状態になったら,その カードをプレイしたプレイヤーが,次に,スペードまたはクラブで,最もラン クの低いカードをプレイすることになります。 もし,違った色のスートを持っていなければ,左隣のプレイヤーが同じ制約 のもとでプレイを行います。もし,そのプレイヤーも違った色のスートを持っ ていなければ,またその左隣にプレイの権利が移っていきます。 誰も違った色のスートを持っていなくて,プレイできなければ,プレイ終了 をなります。 なお,プレイの時に出されたカードは,1つの山にしておきます。下になって いるカードは見ることができません。 <表示カードのチップの獲得> プレイでクイーンを出した場合,同じスートのキングのところに置かれてい るチップを全部もらうことができます。 そのキングは裏返しにされます。 <プレイの終了> プレイしていくうちに誰かが手札を全部出してしまったら,そのプレイヤー の上がり(勝利)でプレイ終了となります。 上がったプレイヤーは,プールにあるチップを全部もらうことができます。 また,ストップの状態のあと,誰も違った色のカードを出すことができない場 合も,プレイの終了となりますが,この場合,プールのチップは次回に持ち越し となります。 <次回の参加料とプレイ> 次のディールの参加料は,裏返しになっていないキングと,プールに支払い ます。 表向きのキングの上のチップは,前回のものが持ち越された上に,さらに新 しい参加料が払われることになります。また,プールのチップが持ち越されて いる場合も,それに追加して新しい参加料が払われます。 裏返しになっているキングはずっとそのままです。 プレイでクイーンをプレイしても,そのスートのキングが裏返しになってい れば,チップをもらうことはありません。 <ジャックを埋める> プレイの開始前に表向きのキングが1枚しか残っていない場合には,通常の<交 換>のルールは適用されず,次のルールが適用されます: 表向きのキングと同じスートのクイーンを持っているプレイヤーは,他のプレ イヤーに対して「ジャックを埋めてください」と宣言しなければなりません。そ うすると,同じスートのジャックを持っているプレイヤーは,自分の手札とデッ ドカードを交換しなくてはなりません。 もし,クイーンを持っているプレイヤーが,ジャックも同時に持っていれば, ジャックを埋める代わりに,「10を埋める」と宣言しなければなりません。も しも,10も同じプレイヤーが持っていれば,「9を埋める」というようになり ます。 たとえば,表向きのキングと同じスートの,Q,J,10,9を持っていて, 8を持っていなければ,「8を埋める」と言うことになるわけです。このスート の8を持っているプレイヤーは,手札とデッドカードを交換します。 埋めると宣言されたジャック(やその他のカード)を誰も持っていなければ, 交換は行われません。 また,表向きのキングと同じスートのクイーンを誰も持っていないときには, 何も行われません。 <ゲームの終了> プレイ中に,最後の表向きのキングに載っているチップを誰かが取ったら,そ のディールのプレイが終了するでけでなく,ゲームが終了します。 そのプレイヤーは,プールのチップももらうことができます。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++