Subj:ルール紹介41:ピッチ From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:96/12/17 22:25
********************************************************************** ピッチ(Pitch) 1996/12/17赤桐  このゲームはオールフォーというイギリスの古いゲームから発展したゲーム で,アメリカで普及しています。オークション・ピッチ(Auction Pitch)と呼ば れたり,セットバック(Setback)と呼ばれたりもします。 ルールを読んだだけでは,それほど興味がわかないでしょうが,プレイしてみ ると意外に面白いゲームです。  トリックテイキングゲームですが,「リードされたカードのスートをフォロー できる場合でも切り札をだしてもよい」というルールが特徴的です。  本文では,普通のルールブックに載っているルールを紹介します。シンプル で親しみやすいルールですが,すこし古いルールかもしれません。そのあと, 新しいと思われるルールを説明します。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <人数>  2人〜7人(通常は3人から5人)。4人がベストです。 <カード>  普通の52枚のカードを使用します。  カードの強さは,次の通りです: (強い)A,K,Q,J,10,9,8,7,6,5,4,3,2(弱い) <ディール>  最も強いカードをドローした人が最初のディーラーになります。次回からは 時計回りの順番に交替します。  ディーラーは,一度に3枚ずつ2回配ります。1人6枚の手札を持つことになり ます。 <プレイによる点数>  プレイによって,次のような点数を得ることができます。ただし,ビッド(後 述)によっては,これをそのまま得点できないこともあります。  1)ハイ   プレーに使われた切札のなかで一番強い切札を取ったプレイヤーに1点。  2)ロー   プレーに使われた切札のなかで一番弱い切札を取ったプレイイヤーに1点。  3)ジャック   切札のジャックを取ったプレイヤーに1点。  4)ゲーム   取ったカードの価値の合計が一番高かったプレイヤーに1点。 カードの価値は次の通りです: A : 4 ポイント K : 3 ポイント Q : 2 ポイント J : 1 ポイント 10 : 10 ポイント  切札のジャックがプレーに使われなかったときには,ジャックの得点はあり ません。また,ゲームのポイントが同点だったときは,ゲームの得点はありま せん。 <ビッド>  ディールが終わったら,ディーラーの左隣の人から時計回りの順に,各プレ イヤーが1度だけビッドまたはパスを行います。  ビッドは自分の取れると思う点数にもとづいて,1から4までの数を宣言し ます。ただし,自分より前になされたビッドより大きい数でなければなりませ ん。  ビッドしたくなければパスといいます。  最も大きな点数をビッドしたプレイヤーが,ピッチャーと呼ばれことになり ます。  全員がパスをした場合には,同じディーラーによる配り直しとなります。 <プレー>  プレーはトリックテイキングゲームのルールに従います。  ピッチャーが最初のリードを行います。最初にリードされたカードのスート が切札となります。  切札がリードされたときには,切札を持っていれば出さなければなりません。 持っていないときには,どのカードを出してもかまいません。  他のスートがリードされたときには,そのスートのカードを持っている場合 には,そのスートのカードを出してもかまいませんし,切札を出してもかまい ません。それ以外のスートのカードを出すことはできません。リードされたス ートのカードを持っていないときには,どのカードを出してもかまいません。 <得点>  ピッチャーは,ビッドした点数以上の得点を取ったときには,取った点数が 得点になります。そうでなければ,ビッドした点数がマイナス点となります。  他のプレーヤーは自分の取った点数がそのまま得点となります。 <ゲーム>  得点を累計して,11点を先に取ったプレーヤーが勝ちます。  同じディールの結果,2人以上が11点以上を取ったら,もしそのなかにピッチ ャーがいればピッチャーの勝ちになります。そうでなければ,ハイ,ロウ,ジ ャック,ゲームの順番に点数を計算しなおして,先に11点に達したプレーヤー の勝ちとなります。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <注1>  ゲームの目標点数を11点でなく,7点,9点,21点などとすることもあります。 <注2>  古いルールでは,ハイとローは,トリックで取ったプレイヤーではなく,そ れを手札に配られたプレイヤーが得点します(ハイについては,手札にあれば 必ず取れるので同じことですが)。 <注3>  ビッドの時に,ディーラーだけはそれ以前の一番高いビッドと同じビッドを してピッチャーになることができる,というルールもあります。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <スマッジ>  オプショナルルールです。  スマッジとは4のビッドをすることですが,この場合を特別扱いいすること があります。  スマッジで成功した場合,直ちに 11点に到達したとみなし,ゲームは終了 します。ただし,そのプレーヤーの累計の得点がマイナスであった場合には4点 を得るだけです。失敗した場合には通常どおり4点を失います。 <スマッジのバリエーション>  スマッジは標準的なものでないため,次のような様々なルールがあります。  *4をビッドしなくても,4点取ればスマッジになる。  *累計点がマイナスだった場合でも,スマッジで成功すると,ゲーム終了。  *累計点がマイナスだった場合,スマッジで成功すると,累計点が4になる。  *スマッジが失敗した場合には,4点失うだけでなく,2ゲーム負けた分の掛   け金を払う(!)。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++  以下に述べるのは,John McLeod氏のインターネットWWWに紹介されている Brian Gordon氏のルールです。 本文のルールとの違いだけを書いておきます。  1)プレイヤーは4人で,向かい合った2人がパートナーになります。  6)得点は個人にではなく,チームにつきます(2人の取ったカードをいっしょ にして計算します)。ビッドもチームの点数を基にして行います。  2)ビッドは1のビッドは不可です。2,3,4のビッドの上に,スマッジのビ ッドもあります。この場合のスマッジは,4点全部を取るだけでなく,全トリッ クを取ることです(つまり,全トリックを取り,取ったトリックに切り札のジャ ックが含まれていなければなりません)。  3)スマッジのビッドで成功したら5点,失敗したらマイナス5点となります。 スマッジのビッドをしないで,4点+全トリック取っても,得点は4点です。  4)ビッドの時,ディーラーだけは,それ以前の最高のビッドと同じビッド をしてもかまいません。例えば,2-パス-3のビッドのあとに,3のビッドをする ことができます。これを,スチール(Steal)と呼びます。ディーラーがピッチャ ーになります。  5)ビッドの時,ディーラー以外の3人がパスをした場合,ディーラーは2か それ以上のビッドをしなければなりません。  7)ゲームの目標点数は21点です。  8)ピッチャーになった方のチームがビッドに成功したときに,そのチーム の累計点が21点かそれ以上になったら,そのチームの勝利でゲームが終了しま す。(それ以外で21点以上になってもゲームは終了しません。また,必ずしも 点数の高いチームが勝つとは限りません。)  なお,このルールとバリエーションおよび他のルールは次のインターネット のサイトに紹介されています。 http://www.netlink.co.uk/users/pagat/allfours/pitch.html http://www.fas.harvard.edu/~shankar/setback/ **********************************************************************