Subj:ルール紹介44:クイント From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:97/02/11 16:19
********************************************************************** クイント(Quint) 1997/2/11 赤桐  1900年頃にAngelo Lewis氏(筆名:Professor Hoffman)により作られたゲー ムです。この人はトランプの本を何冊か書いているそうです。  シンプルで,ちょっと変わったトリックテイキングゲームです。  いろいろな本で紹介されているゲームですが,ルールは主にDavid Parlett氏 の"Teach Yourself Card Games",1994に従いました。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <プレイヤー>  4人。向かい合った2人がパートナーになります。 <カード>  52枚の通常のカードにジョーカー1枚を加えた53枚のカードを使います。 <ディール>  最初のディーラーは任意の方法(抽選)で決めます。各ディール毎にディー ラーは時計回りに交代します。  ディーラーは1枚ずつ12枚のカードを各プレイヤーに配ります。  残りの5枚は裏向きのままテーブルの上に置きます。これをカシェット (Cachette)と呼びます。 <ダブル(Double)・リダブル(Redouble)>  各プレイヤーが自分のカードを見た後,ディーラーの左隣のプレイヤーから 時計回りの順に1回だけ,「ダブル」,「リダブル」または「パス」の宣言の機 会があります。  リダブルを宣言できるのは,相手のチームのプレイヤーがダブルを宣言した 場合だけです。  ダブルとは取ったトリックの点数を2倍にすることです。リダブルとは取っ たトリックの点数を4倍にすることです。  ダブル,リダブルは宣言するだけで両チームに適用されます。全員がパスを すれば,トリックの点数は通常通りになります。 <カードの強さ>  このゲームでは,すべてのカードに一元的な順位があります。  まず,スートの順位があります。クラブが最も強く,ハート,ダイアモンド, スペードと続きます。  同じスートでは,Aが最も強く,K,Q,J,10,9,8,7,6,5, 4,3,2と続きます。  スートの順位のほうがランクの順位よりも優先するので,例えばダイアモン ドのAよりハートの2の方が強いカードになります。  ジョーカーは最も弱いカードになります。 <プレイ>  ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行い,トリックテイキング のプレイを行います。  リードされたスートを持っていれば,必ずそのスートのカードを出さなけれ ばなりませんが,持っていなければ,どのカードを出してもかまいません。  リードされたスートに関係なく,最も強いカードを出したプレイヤーが,ト リックを取り,次のリードを行います。  従って,例えばクラブがリードされた場合,ダイアモンドやハートは切り札 のような働きをします(ハートの方が強い切り札です)。スペードを出せば, 単なる捨て札になります。 <ジョーカー>  ジョーカーは,リードされたスートを持っているか否かに関わりなく,いつ でも出すことができます。しかし,最も弱いカードなので,トリックに勝つこ とはできません。  ジョーカーがリードされた場合,その左隣のプレイヤーは,どのカードでも 自由に出すことができます。このカードのスートをリードされたスートとして 扱います。この場合もジョーカーが最弱のカードであることに変わりありませ ん。 <クイントの得点>  ジョーカー,各スートの5,同じトリックに含まれる同じスートのAと4や 2と3(つまり,足して5になるカード)は,クイントと呼ばれます。  トリックでクイントを取ったチームは,プレイ中に,次のような点数を得点 します。(ジョーカーや5は単独でクイントの得点になりますが,それ以外は, 同じスートのAと4か,同じスートの2と3が同じトリックでプレイされたと きだけ,クイントとして得点になります。)  クイントの得点はダブルなどには影響されません。  ジョーカー(ロイヤルクイントと呼ばれます):  25点  ハート5,ハートAと4,ハート2と3   : 各20点  ダイア5,ダイアAと4,ダイア2と3   : 各15点 クラブ5,クラブAと4,クラブ2と3   : 各10点   スペード5,スペードAと4,スペード2と3:  各5点 <カシェット>  最後のトリックを取ったチームがカシェット(配り残しのカード)を得ます。 カシェットは1つのトリックとして扱います。つまりその中に含まれるクイント の得点と,1トリックとしての得点を得ます。 <トリックの得点>  プレイが終わると,トリックの得点を計算します。  各トリックが5点になります。(ダブルだと10点,リダブルだと20点です。) <ゲーム>  どちらかのチームが250点に達したら,そのチームの勝ちで,ゲーム終了とな ります。(プレイの途中でも,クイントによる点数で250点に達したら終了です。)  トリックの得点を計算した結果,両チームが250点以上になったら,点数の高 いチームの勝ちになります。同点ならば,もう1ディール行います。 <ラバー>  2ゲームを先に勝った方が,ラバーに勝ったことになります。  各チームは今までのゲームの得点を合計しますが,ラバーに勝ったチームは ,さらに100点のボーナスを得ます。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <注1>  ディールのときに,最初にカシェットを配るという説と,最後に残ったのが カシェットになるという説があります。どちらがオリジナルのルールなのかは 確認できませんでした(どちらでもよいことですが)。 <注2>  おそらく,「リダブル」ではなく「クオドダブル(Quaddouble)」がオリジナ ルの呼び方だと思いますが,リダブルの方が呼びやすく,ブリッジとの共通性 もあるので,David Parlett氏に従い,こうしました。 <注3>  ジョーカーをリードしたときのルールは,オリジナルにはないそうですが, Parlett氏の補足ルールによりました。 <注4>  250点以上で同点だった時のルールもオリジナルにないそうなので,Parlett 氏の補足ルールによりました。 **********************************************************************