Subj:ルール紹介75:スコポーネ From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:97/10/31 19:29
********************************************************************** スコポーネ(Scopone) 1997/10/31 赤桐 スコポーネは,大きいスコパという意味で,スコパというゲームのバリエー ションなのですが,スコパと並んで,イタリアで非常にポピュラーなゲームで す。カシノ系のゲームの代表的なものです。 カードを全部最初に配ってしまうため,プレイの自由度が高く,技術を要す るゲームです。また,場のカードを相手に全部取られてしまうと,比較的高い 点数となるので,細心なプレイが要求されます。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <プレイヤー> 4人。向かい合った2人がパートナーになります。 <カード> 通常の52枚のカードの各スートから8,9,10のカードを除いた,40枚の カードを使用します。 J,Q,Kは,それぞれ,8,9,10の数を表わします。従って,8,9,10 のカードを除く代わりに,J,Q,Kを除いてもかまいません。その方がプレ イはしやすくなるはずです。 正式には,イタリアンパックのカードを使います。それについては,<注>で 記述することにします。 <ディール> 最初のディーラーは任意の方法で決めます。各ディール毎にディーラーは反 時計回りに交代します。 ディールは,ディーラーの右隣から始めて,反時計周りに行います。まず各 プレイヤーに3枚ずつ配り,テーブル中央に2枚配り,また各プレイヤーに3枚 ずつ配り,再びテーブル中央に2枚配り,最後にまた各プレイヤーに3枚ずつ配 ります。各プレイヤーの手札は9枚になります。 テーブル中央に配られるカードは,表向きに重ねないで置きます。このよう にテーブルに置かれたカードを「場札」と呼ぶことにします。また,場札が置 かれる場所を,「場」と呼ぶことにします。 残りのカードは,裏向きのままテーブルに置いておきます。 <プレイの目的> 手札から1枚を出して,同じ数字の場札などを取っていくことがプレイになり ます。 プレイの目的は,できるだけ多く取ることですが,特に点数の高いカードを 取るようにします。また,場札を全部取った場合,さらに得点になります。 <プレイ> ディーラーの右隣から反時計回りの順にプレイを行います。 プレイヤーは,手札から自由に1枚をテーブルに出します。出したカードで場 札を取ることができたら,その場札と出したカードをまとめて,プレイヤーの 前に裏向きに置きます。これが,取ったカードになります。取ったカードは, もうプレイには使われません。 カードを1枚出しても場札を取ることができなかった場合には,出したカード はそのままテーブルに置かれて,場札となります。 いずれにしても,手札から1枚プレイすると,そのプレイヤーの番は終わりま す。 場札の取り方は以下の通りです: 1)[ペアによる取り方] 出したカードと同じランクのカードが場にあれば, そのカードを取ることができます。 同じランクのカードが何枚か場にあった場合には,そのうち1枚だけを取るこ とができます。 2)[合計による取り方] 何枚かの場札の点数の合計が,出したカードの点数 に等しくなれば,それらの場札を取ることができます。Aは1点,2〜7のカー ドはその数字と同じ点数,Jは8点,Qは9点,Kは10点です。 いくつかの取り方が可能な場合には,そのうち1種類の取り方だけを選んで取 ることができます。 例えば,場に2,3,4,5,5があり,7をプレイした場合には,3と4を取っ てもよいし,2と5(の1枚)を取ってもかまいません。 3)出したカードで,ペアによる取り方ができる場合には,必ずペアによっ て取らなければなりません。 4)出したカードで何かを取ることができれば,必ず取らなければなりませ ん。 <スイープ> プレイで場札を全部取ってしまうことを,スイープ(Sweep)またはスクープ (Scoop)と呼びます(イタリア語ではスコパ Scopa となります)。 スイープは1点の得点となりますが,得点はプレイが終わってから計算するの で,記録しておくために,スイープで取ったカードの中の1枚を表向きにしてお きます。 <プレイの終わり> 全プレイヤーが手札をすべて使いきったら,プレイは終了です。 残った場札は,最後に場札を取ったプレイヤーのものとなります。 <得点> プレイのあと,取ったカードにより,次の得点がつきます。(得点の点数は, プレイでカードを取る時の点数とは違います。) チームで取ったカードはすべていっしょにして,そのチームに対する得点を 計算します。 カード(カルテ carte): 1点 カードの枚数をたくさん取った方のチームが得点します。同じ枚数ならば, 誰も得点しません。 ダイアモンド(デナリ denari):1点 ダイアモンドの枚数をたくさん取った方のチームが得点します。同じ枚数 ならば,誰も得点しません。 ゴールド(セッテベロ settebello):1点 ダイアモンドの7を取ったチームが得点します。 プライム(プリミエラ primiera):1点 各カードには,プライムの得点だけのための次のような点数があります A:16点,2:12点,3:13点,4:14点,5:15点 6:18点,7:21点,J:10点,Q:10点,K:10点 まず,各チームは,自分の取ったカードの中から,各スートについて,プ ライムのための点数の最も高いカードを抜き出します。その後で,抜き出 したカードのプライムのための点数を合計します。 こうして得られたプライムのための点数の合計が多かった方のチームがプ ライムの得点(1点)を得点します。同点ならば,どちらも得点しません。 スイープ(スコパ Scopa):各1点 プレイ中のスイープの回数1回ごとに,1点を得点します。 <ゲーム> 得点を計算して,いずれかのチームの累計得点が11点かそれ以上になってい たら,ゲーム終了です。得点の高いチームが勝者となります。 もし同点ならば,前回のディールまでの累計点から,チームが,カード,ダ イアモンド,ゴールド,プライム,スイープの順に同時に加算していき,最初 に11点に達したチームの勝ちとなります。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <注1> イタリア固有のカードは,各スートが,レ(Re),カバロ(Cavallo),ファンテ (Fante),7,6,5,4,3,2,Aからなっています。スートは,ソード(スパー デ Spade,剣),バトン(バストーニ Bastoni,棍棒),カップ(コッペ Coppe, 聖杯),コイン(デナリ Denari,貨幣)です。ソードがスペードに,バトンが クラブに,カップがハートに,コインがダイアモンドに相当すると考えてくだ さい。 <注2> ゲームサークル「なかよし村とゲームの木」のルールでは,最初に場に3枚か 4枚のキングが出たら,同じディーラーで配りなおしです。 <注3> ゲーム終了時点で得点が同じ場合,同点でなくなるまでディールを続けると いうルールもあります。 ゲーム終了の点数が15点のこともあります。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <スコポーネのバリエーション> [スコポーネ・シエンティフィコScopone Scientifico] スコポーネのシリアスなプレイヤーに人気のあるバリエーションです。名前 は,科学的なスコポーネという意味です。 各プレイヤーに10枚ずつカードを配ります。場には1枚も配りません。従って, 最初のプレイヤーは必ず捨て札をすることになります。 [トレンティノ・バージョン(Trentino Version)] スコポーネ・シエンティフィコの一種で,Sandro Tamanini氏によりインター ネットで紹介されているものです。ディールが10枚というほかに,本文のルール と次のような違いがあります: 1)どちらかのチームが21点以上になれば,ゲーム終了になります。同点な らば,さらにディールを続けます。 2)片方のチームがダイアモンド(コイン)のA,2,3を全部取った場合 に得点します。点数は,Aからつながるシークエンスの枚数と同じです。 例えば,ダイアモンドのA,2,3,4,5を取っていて,6がない場 合には,5点の得点となります。この得点をナポリ(Napoli)と呼びます。 3)片方のチームが,全部のダイアモンド(コイン)のカードを取ったとき には,直ちにそのチームの勝ちでゲームが終了します。これをカポット (Cappotto)と呼びます。 **********************************************************************