Subj:ルール紹介89:スニップ‥別ルール From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:98/03/17 12:27
********************************************************************** スニップ・スナップ・スノーラム(Snip-Snap-Snorem) 別ルール 1998/3/17 赤桐  スニップ・スナップ・スノーラムは英国や米国でプレイされている簡単なカ ードゲームです。少なくとも18世紀にさかのぼる古いゲームです。同様のゲー ムでEarl of Coventryというのもあります。  ルール紹介7で,同じ名前のゲームも紹介しましたが,関連はあるようです が別のゲームです。調べ直したところ,そのゲームはジグ(Jig)という名前のほ う一般的なようです。今回紹介するゲームの方がポピュラーです。  本文のルールは,ほぼJohn Scarne氏の"Scarne's Encyclopedia of Card Games" に基づいています。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <人数>  3人〜8人。 <カード>  普通の52枚のトランプ。 <ディール>  最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは時計回りに交替しま す。  ディーラーは各プレイヤーに1枚ずつカードを配り,全部のカードを配って しまいます。各プレイヤーの手札の数は,1枚多い人と少ない人ができるかも しれませんが,かまいません。 <プレイ>  まず,ディーラーの左隣のプレイヤーが,手札の中から任意の1枚を出しま す。  次に,その左隣のプレイヤーは,そのカードと同じのランクのカードを持っ ているれば,それを出してスニップ(Snip)と発声します。例えば,最初のプレ イヤーがスペードの6を出したら,左隣のプレイヤーはハートの6を持ってい たら,それを出して,スニップと言うわけです。同じランクのカードを持って いない場合にはパスをします。  同じランクのカードを持っているときには,パスをすることは許されず,必 ず出さなければなりません。2枚以上同じランクのカードを持っている場合は, どれか1枚を出します。持っていなければパスをします。  パスの場合は,その左隣のプレイヤーが同様のプレイを行います。その場合 でも,出すカードが2枚目ならば,スニッフと言います。  2枚目のカードが出たら,同じように,次のプレイヤーから時計回りの巡に, 同じランクの3枚目と4枚目のカードが出るまでプレイを続けます。ただし,3枚 目のカードを出すときには,スナップ(Snap)と言います。4枚目のカードを出す ときには,スノーラム(Snorem)と発声します。  4枚目のカードを出したプレイヤーは,手札から任意に1枚のカードを出し, 上記と同じようにプレイを続けます。  自分の手札を全部出してしまったプレイヤーが出ると,その時点でプレイは 終了となります。そのプレイヤーが勝者です。 <得点>  最初にプレイヤー全員が,同じ数のチップを持っておきます。  プレイのとき,最初のカードを出したプレイヤーの左隣のプレイヤーがパス をしないで2枚目のカードを出した場合,最初のカードをだしたプレイヤーは, 「スニップされた」ことになり,1チップをポットに出します(ポットというの はチップを集めておくためのテーブルの中の決められた場所のことです)。  同じように,2枚目のカードを出したプレイヤーの左隣が直ちに3枚目を出し た場合には,2枚目を出したプレイヤーは「スナップされた」ことになり,2チ ップをポットに出します。  3枚目のカードを出したプレイヤーの左隣が直ちに4枚目を出した場合には, 3枚目を出したプレイヤーは「スノーラムされた」ことになり,3チップをポッ トに出します。  自分の手札を最初に全部出したプレイヤーは,ポットのチップを全部もらう ことができます。それに加えて,各プレイヤーの残っている手札1枚につき1チ ップを,各プレイヤーからもらいます。 <ゲーム>  何ディールか行う場合には,終わったときに最も多くのチップを持っている プレイヤーの勝ちとなります。何ディールで終わりにするかは特に決められて はいません。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <注1>  子供のゲームとしてプレイするときには,チップを使わず,単に最初に手札 を全部出したプレイヤーの勝ちとすることが多いようです。また,「スニップ された」などでチップを出すことはなく,残った手札によるチップのやりとり だけがあることもあります。  Phip Wiswell氏の"Kid's Games"ではチップを使わないやりかたを主に紹介し ていますが,オプショナルルールとして,パスをするたびにポットに1チップず つ入れていくやりかたが紹介されています。勝ったプレイヤーがポットのチッ プをもらいます。それ以外のチップのやりとりはありません。  「スニップされた」などでチップを出すやりかたは,最近はあまり行われて いないかもしれないのですが,面白そうなので本文で採用しました。  David Parlett氏の"A Dictionary of Card Games"では,本文のやり方に加え て,パスをするたびに,その前にカードを出したプレイヤーに1チップを渡すと いうルールになっています。 <注2>  "Scarne's Encyclopedia of Card Games"によれば,スニップ,スナップ,ス ノーラムなどと声をだすのは,古い伝統的なやり方であり,そうしない人も多 いということです。 <注3>  Andrew Pennycook氏の "The Puffin Book of Indoor Games"によれば,同じ ランクのカードを2枚以上持っている場合,次の2つのルールが存在するとのこ とです(本文のように必ず1枚を出すというルールは書かれていませんでした)。  1)プレイヤーが何枚出すかを選択できる。  2)必ず全部のカードを一度に出す。 <注4>  Walter B.Gibson氏の"Hoyle's Modern Encyclopedia of Card Games"には, Earl of Coventryの紹介があります。スニップ・スナップ・スノーラムと同様 のゲームですが,本文のルールと次の点が違います。  1)ダイアモンド6を持っているプレイヤーが最初にそれを出して,プレイ    が始まります。  2)発声のしかたが違います。   1枚目:"There's as good as xxx can be."   2枚目:"There's a xxx as good as he."   3枚目:"There's the best of all the three"   4枚目:"And there's the Earl of Coventry!" (xxxはsix, king, aceなどといったカードのランクです。)  3)「スニップされた」などの点数はありません。 <注5>  このゲームの名前は Snip-Snap-Snorum とも綴ります。 **********************************************************************