Subj:ルール紹介61:ツビッカー(1) From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:97/07/17 18:50
 これも,6月7日になかよし村でプレイしたゲームです。なかよし村では, Christiansen氏によるルールをプレイしたのですが,ここでは最初にGrupp氏に よるルールを紹介します。 ********************************************************************** ツビッカー(Zwicker) 1997/7/16 赤桐  ツビッカーはドイツ北部のシュレスビッヒ・ホルシュタインでプレイされて いる家庭ゲームです。  このゲームはカシノに似たゲームです。同じカシノ系でもイタリアのスコパ などのゲームとはちょっと違っています。  まず,Claus D. Grupp氏の著書"Schafkopf Doppelkopf"に基づくルールを紹 介します。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <プレイヤー>  2人〜4人。4人のときもパートナー戦にはなりません。5人以上でも,カード を2組使えば,プレイできます。 <カード>  通常の52枚のカードに,6枚のジョーカーを加えた58枚のカードを使います。  5人以上でプレイする場合は,これを2組,つまり116枚のカードを使用します。 <ディール>  最初のディーラーは任意の方法で決めます。ディールごとにディーラーは時 計回りに交代します。  まず,ディーラーの左隣のプレイヤーから始めて,各プレイヤーに1枚ずつ, 手札が4枚になるように配り,テーブル中央にも4枚配ります。  プレイを行って全員が手札を使い切ったら,配り残りのカードから,各プレ イヤーに1枚ずつ配っていって,手札がまた4枚になるようにします。ただし, 枚数が足りないときには,1枚ずつ配っていって,配れるところまで配ります。 プレイヤーによって1枚多かったり少なかったりしてもかまいません。なお, このときのディーラーは最初のディーラーと同じ人で,やはり,ディーラーの 左隣から配り始めます。 <プレイ>  ディーラーの左隣から時計回りの順にプレイを行います。  プレイヤーは,手札から自由に1枚をテーブルに出します。出したカードで場 札を取ることができたら,その場札と出したカードをまとめて,プレイヤーの 前に裏向きに置きます。これが,取ったカードになります。取ったカードは, もうプレイには使われません。  カードを1枚出しても場札を取ることができなかった場合には,出したカード はそのままテーブルに置かれて,場札となります。  いずれにしても,手札から1枚プレイすると,そのプレイヤーの番は終わりま す。  場札の取り方は以下の通りです:  1)[ペアによる取り方] 出したカードと同じランクのカードが場にあれば, そのカードを取ることができます。  例えば,場にAが合った場合,Aを出すとそれを取ることができます。  2)[合計による取り方] 何枚かの場札の点数の合計が,出したカードの点数 に等しくなれば,それらの場札を取ることができます。  例えば,場に2,3,4があって,9を出した場合,2+3+4=9なので,この3枚 のカードを取ることができます。  取るときのカードの点数は次の通りです:    A:     11点    2〜10:   その数字と同じ点数    J:     12点    Q:     13点    K:     14点  3)取ることのできるカードの組み合わせかたが何種類かある場合には,ど のように取るかはプレイヤーの自由です。  例えば,場に2,2,4,5とあって,9を出した場合,2を2枚と5を取 ってもよいし,4と5を取ってもかまいません。  4)ペアで取ることのできるできるカードが何枚もあったり,合計で取るこ とのできるカードの組み合わせが何組もある場合には,そのすべてを取ること ができます。  例えば,場に2,4,5,5,7,9,9があり,9をプレイした場合には,9を 2枚と,2と7,4と5を取ることができます。なお,5は1枚しか取るとるこ とができません。4は1枚しかなくて,どちらかの5としか組み合わせることが できないので,もう1枚の5は場に残るわけです。(クリベッジというゲーム のように,同じカードを異なる組み合わせで何度も使うことはできません。)  5)出したカードで取ることができる場札があっても,取らないで捨て札す ることもできます。 <ビルド>  捨て札をする代わりに,場にあるカードの1枚の上に手札からプレイしたカー ドを重ねることもできます。これをビルドと呼ぶことにします。  ビルドで重ねられたカードは,これ以降1枚のカードのように扱われます。 そのうちの1枚だけを取ることはできなくなるわけです。  ビルドになったカードの点数は,場のカードの点数に出したカードの点数を 加えたものです。  ビルドした結果の点数が14点を超えるようなビルドをしてはいけません。  ビルドされたカードに,さらにカードを重ねてビルドすることも可能です。 <ツビック(Zwick)>  プレイで場札を全部取ってしまうことを,ツビックと呼びます。  ツビックは3点の得点となりますが,得点はプレイが終わってから計算するの で,記録しておくために,ズビックで取ったカードの中の1枚を横向きに置くか, 表向きにしておきます。 <ジョーカー>  ジョーカーはワイルドカードです。2から14までの任意の点数を持ちます(場 にあった場合でも)。  ただし,次のような制限を加えることもあります。  1)場にあるカードがジョーカー1枚だけの場合は,ジョーカーでしかそれを 取ることができない。  2)ジョーカーをプレイしてツビックになっても,ツビックの点数にはなら ない。  あるいは,ジョーカーが場にある場合は,決してそれを取ることができない というルールを採用することもあるようです。(ツビックが発生しなくなりま す。) <プレイの終わり>  全プレイヤーが手札をすべて使いきり,配り直すカードもなければ,プレイ は終了です。  プレイ終了時に場に残った場札は,最後に場札からカードを取ることができ たプレイヤーのものになります。(ただし,実際にプレイで全部のカードを取 らない限り,それによってツビックになることはありません。) <得点>  プレイのあと,取ったカードにより,次の得点がつきます。(得点の点数は, プレイでカードを取る時の点数とは違います。)   ダイアモンドの7:    1点   スペードの7:      1点   ダイアモンドの10:  10点   各エース:        2点  さらに,最も多くの枚数のカードを取ったプレイヤーに1点が与えられます。 (同じ枚数ならば誰もこの得点をもらえません。)  また,ツビック1回につき3点が与えられます。 <ゲームの終わり>  ディール終了時の得点計算の結果,誰かの累計点数が決められた点数に達し たらゲームは終了します。最も高い点数のプレイヤーが勝者です。  精算を行う場合は,各プレイヤーが他のそれぞれのプレイヤーとの差額を精 算します。  1ディールか,決められたディール数をプレイして,一番点数の低いプレイヤ ーが他のプレイヤーにビールをおごるということでプレイすることもあるよう です。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <注1>  出したカードで取ることができる場札があっても,取らないで捨て札するこ ともできるかどうかについては,Grupp氏の本には何も書いてありません。  カシノのルールに従って,捨て札することもできるということにしておきま した。 <注2>  「ビルド」ということばは,カシノの用語を使いました。ドイツでは特別な 用語はないようです。単に「重ねて置く」というように言います。  なお,ドイツでは Bild(ビルト)が場札の意味になります。原意は「絵」や 「図」という意味ですが「舞台セット」という意味もあります。カシノの用語 のビルド(build)が,意味が変わっても,このドイツ語に由来するという可能性 も高いように思います。 <注3>  「ビルドしたとき,ビルドした点数と同じ点数のカードが手札になければな らない」というルールがカシノにはありますが,ツビッカーではそのようなこ とはないようです。14点以内のビルドならば,いつでも可能です。 (Christiansen氏のルールは違います。) ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++  続きます。
Subj:ルール紹介62:ツビッカー(2) From:赤桐裕二<mhb01072@nifty.ne.jp> Date:97/07/17 18:52
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++  ツビッカーのルールの続きです。  今回は,Reinhardt Christiansen氏の家庭のルールを紹介します。McLeod氏 のインターネットサイト(http://www.pagat.com/)で紹介されています。  絵札やAについては取るときの点数が2つ選べることと,ビルドの時に足し算 だけでなく引き算もできることが主な違いです。ジョーカーの働きも違います。  プレイがやや複雑(可能性が多いので考えることが多い)すぎるように思え ますが,慣れてくれば楽しめるかもしれません。  前回のルールとはかなり違いがあるので,最初から説明します。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ <プレイヤー>  2人〜4人。4人のときもパートナー戦にはなりません。 <カード>  通常の52枚のカードに,4枚のジョーカーを加えます。4枚のジョーカーは, 区別が付くようにそれぞれにマークを表に書き加えます。取るときの点数で ある,"15","20","25","30"を書いておくのが分かりやすいでしょう。 <ディール>  最初のディーラーは任意の方法で決めます。各ディール毎にディーラーは 時計回りに交代します。  2人または3人でプレイするときには,まず各プレイヤーに1枚ずつ,手札が8枚 になるように配り,テーブル中央にも8枚配ります。プレイを行って全員が手札 を使い切ったら,配り残りのカードから,各プレイヤーに8枚ずつ配り直します。 2人プレイのときには配り直しは2回ですが,3人でプレイするときには,配り直 しは1回です。  4人でプレイするときには,各プレイヤーに6枚ずつ配り,テーブル中央に8枚 配ります。配り直しは1回で,6枚ずつ配ります。  なお,テーブル中央に配られるカードは,表向きに重ねないで置きます。こ のようにテーブルに置かれたカードを「場札」と呼ぶことにします。また,場 札が置かれる場所を,「場」と呼ぶことにします。 <プレイ>  ディーラーの左隣から時計回りの順にプレイを行います。  プレイヤーは,手札から自由に1枚をテーブルに出します。出したカードで場 札を取ることができたら,その場札と出したカードをまとめて,プレイヤーの 前に裏向きに置きます。これが,取ったカードになります。取ったカードは, もうプレイには使われません。  カードを1枚出しても場札を取ることができなかった場合には,出したカード はそのままテーブルに置かれて,場札となります。  いずれにしても,手札から1枚プレイすると,そのプレイヤーの番は終わりま す。  場札の取り方は以下の通りです:  1)[ペアによる取り方] 出したカードと同じランクのカードが場にあれば, そのカードを取ることができます。  例えば,場にAが合った場合,Aを出すとそれを取ることができます。  2)[合計による取り方] 何枚かの場札の点数の合計が,出したカードの点数 に等しくなれば,それらの場札を取ることができます。  例えば,場に2,3,4があって,9を出した場合,2+3+4=9なので,場のこ の3枚のカードを取ることができます。  取るときのカードの点数は次の通りです:   A:     1点または11点   2〜10:   その数字と同じ点数   J:     2点または12点   Q:     3点または13点   K:     4点または14点   ジョーカー: 15点,20点,25点,30点の4種類があります。  A,J,K,Q,Kは2つの点数を持っていますが,取るときも取られるとき も,どちらの点数にするかはプレイヤーが決めることができます。  例えば,Aを出すと,場のJ,Q,6を取ることができます。出したAは11点, 場のJは2点,Qは3点と考えて,場の3枚のカードの合計が2+3+6=11点となるた めです。  ジョーカーはワイルドカードではありません。4種類の別のカードがあり,そ れぞれに15点〜30点の取るときの点数があると考えてください。  3)取ることのできるカードの組み合わせかたが何種類かある場合には,ど のように取るかはプレイヤーの自由です。  例えば,場に2,2,4,5とあって,9を出した場合,2を2枚と5を取っ てもよいし,4と5を取ってもかまいません。  また,場にK,3,7がありKを出した場合,場のKを4点,出したKを14点 と考えて,Kと3と7を全部取ることができますが,場のKだけをペアで取る ことも可能です。  4)ペアで取ることのできるできるカードが何枚もあったり,合計で取るこ とのできるカードの組み合わせが何組もある場合には,そのすべてを取ること ができます。  例えば,場に2,4,5,5,7,9,9があり,9をプレイした場合には,9を 2枚と,2と7,4と5を取ることができます。なお,5は1枚しか取るとるこ とができません。4は1枚しかなくて,どちらかの5としか組み合わせることが できないので,もう1枚の5は場に残るわけです。(クリベッジというゲームの ように,同じカードを異なる組み合わせで何度も使うことはできません。)  5)出したカードで取ることができる場札があっても,取らないで捨て札す ることもできます。 <ビルド>  捨て札をする代わりに,場にあるカードの上に手札からプレイしたカードを 重ねることもできます。これをビルドと呼ぶことにします。  ビルドで重ねられたカードは,これ以降1枚のカードのように扱われます。そ の内の1枚だけを取ることはできなくなるわけです。  ビルドになったカードの点数は,場のカードの点数に出したカードの点数を 加えたものか,または,場のカードの点数から出したカードの点数を引いたも のです。A,J,Q,Kの点数は各2種類ありますが,どれを使うかは自由です。  ただし,ビルドを行うときに,どの点数にするかを宣言しなければなりませ ん。それ以降はその点数でしか取ることができません。  また,そのプレイヤーの残った手札のなかで,ビルドされた点数と同じ点数 のカードがなければ,そのビルドをすることはできません。  ビルドされたカードに,さらにカードを重ねてビルドすることも可能です。 引き算を行ったビルドに足し算で重ねることや,その逆も可能です。 <ツビック(Zwick)>  プレイで場札を全部取ってしまうことを,ツビックと呼びます。  ツビックは3点の得点となりますが,得点はプレイが終わってから計算するの で,記録しておくために,ズビックで取ったカードの中の1枚を横向きに置くか, 表向きにしておきます。 <プレイの終わり>  全プレイヤーが手札をすべて使いきり,配り直すカードもなければ,プレイ は終了です。  残った場札は,誰のものにもなりません。 <得点>  プレイのあと,取ったカードにより,次の得点がつきます。(得点の点数は, プレイでカードを取る時の点数とは違います。)   ダイアモンドの7: 1点   スペードの7: 1点   ダイアモンドの10: 10点   各エース: 2点   30のジョーカー: 7点   25のジョーカー: 6点   20のジョーカー: 5点   15のジョーカー: 4点  さらに,最も多くの枚数のカードを取ったプレイヤーに1点が与えられます。 (同じ枚数ならば誰もこの得点をもらえません。)  また,ツビック1回につき3点が与えられます。 <プレイの終わり>  全プレイヤーが手札をすべて使いきり,配り直すカードもなければ,プレイ は終了です。  残った場札は,誰のものにもなりません。 <ゲームの終わり>  誰かの累計点数が,決められた点数に達したらゲームは終了します。最も高 い点数のプレイヤーが勝者です。  精算を行う場合は,各プレイヤーが他のそれぞれのプレイヤーとの差額を精 算します。 **********************************************************************