しのらーの耳はロバの耳 1

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頭にハンデ(長文)
 “一寸先は闇”“青天の霹靂”まさか、この様な不幸が自分の身に降りかかろうとは…!

 ある日、私は美容院に出掛けた。今年に入って3回目、3店目。(新しいもの好きなので)切り抜き持参、写真は一般人で、細い顎のラインは自分でも十分行ける!と思った。
 友人の知り合いの店で完全予約制だったので店内には美容師と私、友人の3人。出来上がるまで「何か違う」とは気付かなかったが、友人は私がおかま(銭湯に置いてある頭をかわかすヤツ)に入れられた時は「ヤバイ!」と思ったらしい。切り抜きでは全体に長めのショートだったのに、バリカン仕上げを施したあたりから、「む?」と思ったが…。

 出来上がりの私、モロおばさんパーマ!或いはモンチッチ。百歩譲ってベティちゃん…。写真とは似ても似つかぬこの姿!何より長さが致命的で、眉毛丸出し、サイドはご丁寧に2度も90度に折れる“段カット”仕上げ。襟足は3cmぐらいの短さで、真っ直ぐに切りそろえてある…。美容師のおじさんは有名人もカットしたことがあるハイレベルの技術者で、料金も高めだ。技術は確かにある、かも。彼にないのは“若いセンス”だ。(致命的!)

 その日私は何故か上下プリーツ・プリーズを着ていた。普段から童顔の友人は流行りのスポーツ・カジュアルで現れ、ジーンズにジップアップパーカーという出で立ち。店を出て一緒に歩く姿は“子供が2人いる30代の若奥様”と“姪”で、大学合格のお祝いでも買いに来ているようだった。私は「きょうは早めに別れよう。2人の為だよね」と持ちかけ、友人も承諾した。ホテルのレストランでランチしたが、切り抜きを眺めてはため息がでるばかり。トイレでお化粧直しをしても気分は絶望的…。そのうち切り抜きを席に忘れたことに気付き、友人に「取ってきて!」と依頼。「いいじゃん、別に」と言い放つ友人に「『アイツ、この頭にしたかったんだ〜。ぷっ!』とかウェイトレスに笑われたら嫌だもん!」と懇願し、何とか奪還に成功。

 日曜日とあり、一応買い物には出掛けたのだが、宗教上の理由で髪を覆っている外国人女性を見ては「いいな…」と呟き、街角でのカットモデル勧誘風景には「私も誘って!…って、これ以上どうやって切るっちゅうねん!」と逆ギレする始末。いつもは「何か文句ある?」と言いたげに人に威圧感を与えて歩いているらしい私も、俯いてオドオドと歩き、友人がちょっとでも離れると「ひとりにしないでー!」と袖を引っ張る。

 デパートでは某メーカーのセールがやっていたのだが、そこのメーカーはコンパなどをしたこともあり、顔見知りが多い。友人に促され仕方なく行ったが、商品をまともに見れない。あんなに買い物好きなのに!友人にピッタリ寄り添って歩くのみ。

 ほうほうの体で家に帰り着き、誰もいないのを幸いに思い切って鏡と向かい合ってみる。…重症だ…。ピンやあらゆる整髪剤を用いてあれこれイジってみたがいかんせん、長さが足りない。絶望的な気分になった私はとうとう、ベッドに入ってしまった。

 帰宅した母が「美容院どうだった〜?こっち向いてみ!」と話しかけるので、渋々顔を上げたら「ぷっ!オバサンみたいだね!」ときたもんだ!そんなん、本人が一番分かってるっちゅーの!それに、何より自分が忌み嫌うこのヘアスタイル、アナタにそっくりなのよーっ!いつも散々「おばパー」と馬鹿にしていたのに…。罰が当たったのか…?心身共にダメージを受けた私、夕食で味噌煮込みうどん(名古屋っ♪)を食べている最中に強烈な眠気が襲ってきた。食べながらウトウトする始末で、さっさとソファーに丸まって、ついでに髪の毛も丸まって、寝てしまった。テレビでは大好きな桑田が投げているというのに、だ。「寝たら忘れる」という、今更ながら古典的な手段に訴えてみた。
 …が、寝起きの私、ターバンを外したその姿は井上陽水だった…。もちろんパーマ当日に関わらずシャンプーをした。「どうか直りますように!」と切に願いながら。でも洗面所の鏡に映った濡れたスタイルは“大仏”だった…。

 私用なら全てキャンセルしようと思っていたが、会社には行かねばならぬ。皆、イメージが変わったことには驚いたようだったが、「しのらーが思っているほどヘンじゃないよ!」と一様に言ってくれた。でも同じフロアのハゲおやじを見て「いいな…彼にはこんな悩みがなくて…」と拗ねる私に「しのらー!何てことを…!」と驚き、ことの重大さを悟ったようだった。またデスクで作業中、廊下の向こうから顔見知り程度の2人組がこちらを見て笑っているではないか!「みんなが笑ってる〜!きょうの私のテーマ曲はサザエさんだ〜!」と訴えると、同僚は「もー考えすぎ!」と言いながら笑い出し、「別に頭はヘンじゃないけど、そんなに落ち込んでいるのが笑える!」と言われた。弱気な私は面白いらしい。「きょうは社交ダンスをサボって帰る!」と自分の決心を告げると「そこまで気にしてたの…」と呆れていた。

 もう、十分すぎるほどさらし者にされた、と自分では思い込んでいる私は、ダンス教室の友達に携帯のメールで「頭がヘンなので休みます」と連絡を入れ、本当に帰ってしまった。…が、バスの為の時間調整が必要で、ビルの上の階にある本屋に逃げ込んだ。とにかく人目に触れるのがイヤだった。前の私を知っている人ならまだしも、全然知らない人が見たら「オバサンみたいな人」という第一印象を与えてしまう…。本音なら「パーマに失敗しました。いつもはもっとマシです」と書いたたすきを掛けて歩きたい気分だ。本屋に着き、いつもなら「モテないヤツが読む本よね〜」と思い、平日の昼間とか、人気のない時にしか近寄らない“癒し系”のコーナーに堂々と乗り込む。…しかし、どの本も私を慰めてはくれなかった。仕方ないので『ハプスブルク家の悲劇』なる本を購入し、帰宅の途へ。

 家の近所のバス停でバスを降りると、一目散に走り出す私。家はもうすぐだ!…とこういう時に限って近所の同じ宝塚ファンのおばさんに出会ってしまった。「おかえりー!何走ってるの?」と聞かれ、「いや、頭がヘンだから早退きしたの」と言うと一笑に付された…。

 ようやく家に到着。「あれーきょうダンスじゃなかったっけ?」と問う母に「休んだ」と私。「頭、何て言われた〜?」と傷をえぐられ思わず私は「もうヘンだからダンスも行きたくなくて帰ってきた〜!」と泣き出してしまった。母もこれにはビックリして、いい歳した娘がこんなことでメソメソしているので「そんなにヘンじゃないよォ。ピンで止めたら?」と慰めモードに。「やってみたけどヘンだった!パーマが強くて浮いてきちゃうもん!」と私。「だったら耳に掛けてみたら?」「短くて届かないもん」…。「でも京野ことみちゃんみたいだよ!」と今頃言い出したが、きのう笑ったじゃないか〜!
 滅多に口をきかない父までも「おっ。頭変えたのか。かっこいいな」と言い出した。(母の差し金か?)一応、彼なりに気を使ったらしい。

 ぼちぼち友達からも慰めメールが届き始め(中には“アフロへ”、なんてゆーメールも!ひーどーいーっ!)、バスや地下鉄の窓に映る自分に相変わらず戸惑いながらも、このハンデを受け止め始めた私だった。また一つ大人になった…かな?


寒がり
 「きょうは冬に逆戻りの寒さで、コートが必要です」
 朝の天気予報に「ヤッタァ〜!」と喜ぶ私。

 低体温のせいか、夏生まれのせいか、どうにも寒いのが大嫌い。一番イヤ〜なシーズンが3・4月。
 よぉっく考えて頂きたいのだけど、毎年、お花見の時期はすごく寒いはず!なのに何故、みんな競って薄着をするの?3月はコート禁止なの?

 でもお洒落も一応気になる私が考えた対策。
 春っぽい色を着ること。シャーベット・オレンジ色のウールのコート、白のフェイクファーのジャケット、白のウールのロングコート(立ち襟)、ショート丈、細身の革ジャンなどなど…。よく見ると思いっきり冬素材なんだけど。
 手の甲の皮が薄いのか、手の冷えにも弱いので、仕方なく“UVカット手袋”なる綿の製品を買い求めた私。ないよりマシ。でも友達は「スチュワーデス物語みたい!やめて」と手厳しい。手が冷えたらシャッターも押せないじゃん?!

 メーカーも是非、見た目春物、でもしっかりライナー付き!みたいなコートを作って欲しい。コートとスプリングコートの間には、日本海溝よりも深い溝がある。あんなものをコートと呼ぶことは金輪際許さん!

 それでも確実に暖かい日も存在する季節。電車内で乗り合わせた外人が半袖を着ていたりすると、もう、目も上げられなくなる…。汗なのか脂症なのか、顔がテカったりしてるだろうから。

 基本的に、1日の一番寒いときに合わせて服を選びたい。朝が寒かったら自動的にその日は厚着の日なのだ。暑かったら脱げ、寒いときに羽織るものがないのは地獄。これがモットー。

 けさも冒頭の天気予報の言葉にいそいそと60デニールのタイツと手袋を用意した私。マフラーが欲しいけどまぁいいや。

 それにしても堂々と厚着が出来るって素晴らしいなぁ!3・4月の寒さは大歓迎!


2000年問題
 「私、2000年に結婚する!」と、ある日友人が言った。
 「何で?」と聞くと、「50周年とか分かりやすいから」。その話乗った!と、すぐ自分もその気になったのは98年も半ばの話。

 今年はもう99年。2000年に間に合わせようとしたら、もうそろそろ“仕込み”をしなくてはならない。…が、メドが全く立たない。焦るな、2000年12月まで、まだかなりあるじゃない!

 やっぱり21世紀にしようかな…。


アメオンナ
小学生…キャンプは雨だった。アウトドアに行って天気が悪いなんてシャレにならん!
修学旅行の奈良も雨。若草山は雨に煙っていた。
卒業式も雨だった。

中学…修学旅行、日光は霧雨がずっと続いた。
卒業式は好きな男の子と相合い傘で写真を撮った。

高校…何と、入学早々1年生の遠足が雨で中止。地元ラジオで中止のメッセージを聞いて愕然とした。遠足は私服なので、かなり前から準備してたのに!
修学旅行は中日に大久野島でまるまる1日遊ぶ、というのがあった。島全体が国民休暇村になっていて、釣りやサイクリング、テニスなどが楽しめるはずだった。が、1日中雨!キャンプファイアーは中止。体育館で細々と集った。
卒業式も雨。当時流行のトサカ前髪は湿気に弱かった。写真の私はどれもやつれた感じに写っている。

短大…卒業式は、立っているだけで袴が膝まで濡れるほど、ドシャ降りだった。地面に当たった雨が跳ね返るのだ。
友人と行った卒業旅行の京都も小雨が1日中続くいやらしい天気だった。

社会人…入社式は雨だった。先輩曰く、「赤い傘を持ってボーッと突っ立っていた」私が一番古い記憶だそうな。
そして旅行も雨が多い。不思議と海外ではあまり降らないけど。国内は結構いい確率。

宝塚ファンとして…行く度、7割くらいの勝率(?)で雨。おまけに寒くなったりもする。チラシをもらう際はいつも、傘を入れるビニール袋に収納、カレンダー風で持ち運びは便利!が、雨はイヤだ〜!

 マミちゃんゴメン、今から謝っておくけど、さよならパレードは雨かもしれない…。あっ、でもお披露目は天気良かった。大丈夫かな?


花粉症
 やってきました花粉症!私は鼻がかめないので、ガビガビの鼻の穴に耐えねばならない。症状もくしゃみがメインで、鼻水系じゃないんだよなぁ。しかも最大の敵はスギではなくヒノキ!いつもGW明けがすごく、6月ごろまで闘い続けているのだ。

 くしゃみはミスト状。固形物が飛び散ることはなく、ホントにヘア・スプレーのような霧で、せっかくくしゃみしてまで一体何を排出してるのだろう?

 おまけに鼻血持ちの私、かゆい鼻を手の甲でこすったりするので、“両穴鼻血”状態も珍しくない。「これじゃアカン!」と思い、綿棒で鼻の中を消毒してみたが効果なし。

 絶世の美女!というワケでもないので、“顔ランク”を貶めるようなマスクや花粉めがねもしたくないし。あっ、でもエトロのマスクとか出たらしちゃうかも…。小顔マスクとかさぁ(ノーズシャドーとかシェードの効果があるやつ…)。

 でも何かで読んだけど「花粉は雨と同じ対応を」なんだって。傘をさすように花粉よけメガネを、レインコートを着るようにマスクを、大雨なら外出しないように“大花粉”(?)の時は外出を控える…といいらしい。「きょうは花粉のため休みます」なんて言えたらいいなぁ…。でもこんなにお天気がいいのに!インターネットしてるだけじゃもったいないですよー!


自動巻きニンゲン
 しばらく動かない、喋らないと電池が切れる、それが私!どうにも困ったクセで、ちっとも治らない!

 困るのは2つの場面。

 オフィシャルではずばり、会社。新入社員の頃、何とマンツーマンで「仕事の何たるか」みたいな説明を受けている時に意識不明に陥ってしまった。自分のデスクで横に座って資料の解説を受けていたのにゆらゆらと前後不覚のわたくし。いくらランチ後とはいえ、何たること!決して「たりィ〜」と思っていた訳でもないのに!
 その他小規模な会議から重役級が顔を揃えるめちゃくちゃ大事な会議まで、私の睡眠欲は果てることなく…。いつも「しのちゃん、寝てたでしょう」と突っ込みを受ける私。ノートに絵を書いてもダメ。自分が喋ってないとダメなのだった。

 プライベートでは観劇の類。オペラなどは一旦しばらく意識を失って、しばらくするとやっと戻ってくる。ほんの短時間の睡眠が大切なんです。眠ってしまえばすぐに立ち直れる。(大事なアリアになるとちゃんと起きる)
 でも、すみません。わたくしの至福のひととき…そう、宝塚を観ている時にも容赦なく起きる“電池切れ”!しかも『皇帝』とかの難解な作品だけでなく、悲劇は『WSS』や『黒い瞳』でも起きるのだった…。かろうじてマミちゃんが出ている時は持ちこたえる私。でもがけっぷち。ハッと気付くとマミちゃんが登場していた…と寸でのところで危うくセーフ!学んだ教訓。@観劇2回目以降がアブナイ(観るべきポイントはちゃんと押さえ、安全なポイントが身に付いている…恐ろしい…)A空調次第。B賑やかな場面でも油断するな。…ってトコでしょうか。

 『ダメよ!眠っては!!』…ごもっとも。


あだ名
 高峰くんは“ケーシー”。どんなに太っていても田原くんは“トシちゃん”。可愛い名前を持っていても塩沢さんは“とき”。体格の良い女子にずばり“ジャンボ”。聞いた話だがイナニシという男の子は“イナニー”と呼ばれていたそうな…(いいんか〜?)

 学生時代、サカナ顔の鮫肌の同級生につけたあだ名。本人のしんこから取って“○んこ”。それじゃ呼べないって!!いや、もちろん陰で言っていただけですが、友人がある日、彼女に呼びかけた。「ち……?!」みんな一瞬凍ったよ…。

 ケッサクなのが“折り紙さん”。どういう訳か彼女はいつも、カタカナでは表せない色の服をお召しになっていらっしゃる…。えんじ色、えび茶、からし色、なす紺、だいだい(オレンジでなくて)、ぼたん色…。まるで折り紙で最後に売れ残る色ばかり!…という訳で上の名前が付いた。彼女は今でも毎日、それらを上手に(?)組み合わせている。私なんかは毎日気になって「あぁ…やっぱりきょうも折り紙だ」とホッとするのだった。

 私はずっと、あだ名というものが付くことなく過ごしてきたわけだが、それは“篠原ともえ”の出現によって覆された。最初見たとき、「オイオイ勘弁してくれよ〜!こんなヒトがブームになったらマズイよ〜!」と思っていたが、今ではこの“しのらー”というあだ名が結構、気に入ってたりする。そこでお正月、親族一同が集まる席で「ね〜しのらーって呼ばれてない?」と聞いたところ、皆一様に「?呼ばれないけど…?」……。私って、しのらーにふさわしいのかなぁ…。篠沢教授、篠ひろ子さん、あなたたちはどう?!


風邪という名の陰謀
 風邪が流行っているけど皆様はいかが。普段何事にもずぼらなしのらー、風邪にだけは“親の仇!!”とばかりに敵対心を燃やしている。「こちとら半年先までスケジュールが詰まってんだ!(宝塚)♪風邪をひくほど暇じゃない♪んだよッ!!」

 電車内や繁華街、ちょっとでもセキをしている人を見ると「お前の陰謀には引っかからないぞ!!」とばかりに睨み付けて(人をでなく、その内の風邪菌を)その場を離れる。たぶん、風邪というのは誰か奥に親玉がいて、地球規模の謀略なのだ。まんまと引っかかる訳にはいかない。そうはさせないぞ。

 まず帰宅後はひじまでしっかり石鹸で洗う。そしてうがい。後ろの壁が見えるほど反り返って、それこそ喉から血が出そうなくらいに一生懸命、うがいを極める。喉の奥に忍び込んだにっくき風邪菌を除去するのだ!ヤツらはもうすぐ喉の粘膜まで達しようというその時、賢いニンゲンによって志半ばにして追い出されるのだ。「もはやこれまで…!無念!」ふふふ…。そうはさせるかってんだ!また、ちょっとでも「引いたかな?」と思ったらすぐ、サウナに行って汗をかく。熱い風呂なら完璧だ!

 そんな私も風邪をひくことがある。(鬼のカクランってやつ?)しかし、一旦風邪をひいた私はもはや勇敢に闘うこともなく、その事実にショックを受け、自信を無くしてぐったりと寝込むのだった。闘病意欲も全く消えうせ、良くなろうと思いもせず、自分を儚んで鼻かむ…何てね。


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