月組全国ツアー うたかたの恋

静岡市民文化会館 1999年3月30(火)・31日(水)


「マリー、来週の月曜日、旅に出よう」
「はい、あなたと御一緒ならどこへでも」
 いよいよ月組新コンビお披露目です。宝塚の古典だけど、ナマで観るのは初!みんながやりたがる作品なだけに期待が高まります。

 幕開きは主題歌のドラマティックな前奏に合わせ、ミラーボールも回転。白い階段(全国ツアーなので段数は少ない…残念!)の中央に赤い絨毯がひかれ、白い軍服のルドルフが上段に立ち、下段に白いドレスのマリーが座っていてもう、いきなりドラマチックで素敵!思わず「ほぉ〜っ」とため息が出そう。そして超有名なセリフ「マリー、来週の月曜日、旅に出よう」「はい、あなたと御一緒ならどこへでも」。お披露目檀ちゃんの初セリフ、なかなかいい感じ。柔らかくて高い、とても可愛い声!声が綺麗っていうのは娘役の才能でもあるので、気に入った。歌が上手いかどうか分からないけど、高音は楽々出てた。丁寧に歌ってるし。ハモリもキレイ!2人並んだ感じ、たぶんマミちゃんの顔が超小さいため、檀ちゃんがちょっとぽっちゃり見えちゃうかな?でも身長もちょうどいい。ラブラブ、ふわぁ〜っとした優しいオーラが出てた。銃声にのけぞるところ、好きなんです。ごっこしたい!

 マミちゃんは赤い軍服に衣装替え。いわゆるオスカルタイプで、朱色っぽいやつ。マミちゃんにとっては結構新鮮な色。正妻(?)のこもちゃんと踊る場面、クールなルドルフが冷えた夫婦仲を示しててちょっとコワイ。次の舞踏会はまた白の軍服で、ピンクのドレスの檀ちゃんとワルツを踊ります。檀ちゃんをホールドするマミちゃんの右手、肩甲骨にちょうど当たるような高い位置で、とても綺麗に見える型だなぁーと思った。(一社交ダンサーの意見)檀ちゃんがぐっと反って客席に顔を向けるところも、夢見るような表情なんだけど初々しくて、遠慮がちでいいです。「にかっ!」とか「見て見て〜綺麗でしょ?!」というタイプの娘役ではなく、古典的、寄り添い型なのが気持ち良い。

 ハムレットはマミちゃんの超!細い足が見もの。てかてかエナメルパンプスも可愛い。とにかくお尻も、膝小僧もナイ。檀ちゃんが落とした扇を拾う場面、マミちゃんの黒い軍服が当たり前に格好いい。一番、マミちゃんぽい軍服かな。「失礼。どうぞ」がセクシー。私にも拾って〜!「諸君、さらば!」の引っ込み、も〜気障で決まってる〜!

 女遊びの好きなルドルフ、さっそく公爵夫人とラブシーン。地方ならでは、北原里麻ちゃんが大役に挑戦です。新鮮!まぁ、気怠い大人のラブシーンって感じでしょうか。あつのマリンカはさすが!綺麗な声で難しい歌も危なげない。透けるドレスが色っぽい。マミちゃんのお膝に座るのは羨ましいぞ。最近しっとりとした大人のオンナ役になりましたねぇ。ジャンとミリーへの「君たちは素晴らしい!」にはちょっと切なくなってしまいますねぇ。マリーに手紙を書く場面、ペンの持ち方が変わってて気になった。従者のブラッドフィッシュのタニくん、年相応の役っていうこともあるんだろうけど、はまってて芝居上手なんだなぁ〜と思った。着々と育ってますね。「へい!」って感じなのよね〜。「新しい生活が出来たら…!」との悲痛な叫び、この辺りから悲劇が始まっているのね。そして歌う♪君は小さな青い花〜。マミちゃんの淡い恋心って感じ、切ない歌で、メロディラインが美しい。「マリー・ヴェッツェラ」の場面に自分の名前を入れて歌ってほしい…。呼びかけの前の「♪あ〜」の鼻声が好き!

「きょうは何ていい日なんだろう!」
 次の檀ちゃんはもう、超可愛い!白地にカラフルなお花のドレス。ルドルフから貰った手紙に大喜びするんだけど、文面を読んで「ん?」っと思ったところで会場に向かって顔を上げるんだけど、その表情が本当にドキドキ、嬉しくて当惑してるっていう顔で本当に可愛い!歌声も鈴が鳴るような声で嫌味がなくて良い。ここのシーン、純名っぽいですね。セリフの「きょうは何ていい日なんだろう!」も素直で、客席の私も「本当に!」と思った。ばあやに手紙を見せながら♪信じ〜られないくらい、とても幸せ〜と歌い踊り、ばあやに抱きつくところなんて、この学年とは思えないほど初心で愛らしい。次の「まぁ!意地悪ねーばあや!」なんて、下手すればぶりっこ調になって「気持ち悪っ!」というセリフですが、合ってるんだな、これが。ここの家族とのやりとり、演技なのか地なのか、とにかく可愛い。まぁ、断食したようには見えませんが、いいのよ。

 そしていよいよマリーとのしのび会い。うーさんのロシェックがイイ味出してます。マリーの黄色いドレスは前々から「だっさ〜!」と思ってたけど、そんなに変じゃなかった。マミちゃんのベージュのジャケット、何だか柄じゃなくってくすぐったいわ〜。檀ちゃんが恥じらって、マミちゃんの差し伸べる手にちょっと逃げる…、みたいな演技も、嫌味なくていいや。ルドルフのセリフに対するマリーのセリフがみんな素直で一途な可愛いセリフばっかり。檀ちゃんに似合ってた。マミちゃんがマイヤーリンクの美しさを歌い、2人が見つめ合ったのち、お馴染みの切ない前奏が…。何度も出てくる主題歌だけど、ここで曲が変わっていきなり踊り出す…、こういうのって古典的でヨイわ。急に踊り出す…とかが大嫌いなんだろう、ミュージカルが苦手なタモリは!暗転前のマミちゃんの表情、安らぎを得た幸せな表情。とても優しげでグッときます。

 ジャンとのやりとり、「ゆっくりだけど君たちに追いつけるかもしれないんだ」のセリフも結末を知っているだけにツライのよ〜!「僕が真剣に恋をするとそんなに可笑しいのか」なんて拗ねるところも可愛い。マミちゃんの“僕”が可愛くて好き。水色のマント付き軍服がアシュレ風ソフトなイメージで、私は一番好き!

 第3者の告げ口で会えなくなった2人。マミちゃんと2週間も会えないなんて、そりゃツライだろう…。でも会えない時が愛を育てるとはよく言ったもので、ラブラブ具合に拍車がかかってるわけですねー。「もう忘れなさい」のあとのラブシーン、く〜っ!格好良すぎる!「もう忘れなさい」だって!!ここのセリフ、「お前を愛している」「お前…何と温かい響き」。もう、マリーって何て可愛いんだろう!そしてマリーの挑発ダンス!くるくる踊って、花を携えルドルフに渡す。その花の香りを嗅いだあと、マリーの髪に挿し、2人が踊り出す。ルドルフをからかうようにふわふわと踊るマリー、喜ぶルドルフを後ろから抱きしめたり。ソファーに座ってるルドルフの頬にマリーがそっとキスする可愛い場面、ルドルフはここでむらむらっときたのだろうか、熱いキスシーンになり、そして「清らかなままでおこうとした誓いを自分で破ろう」となるんですねぇ。「2人が同じ運命に運ばれるのなら」「ルドルフとマリーは一緒であったとなれさえすればめでたしめでたしですわ」なんて言われちゃあね。マリーをお姫様抱っこするマミちゃん、細いから心配したけど、抱かれる檀ちゃんも上手いのか、かなり高く持ち上げて格好イイです。檀ちゃんもマミちゃんの首元に顔をうずめて、いや、羨ましい限り!暗転後には何があったんだか。マミちゃんの軍服はベージュで、動きやすくするためか、パンツをブーツに入れるスタイルではなく、黒いワイドパンツみたいな感じ。檀ちゃんは青い地模様のドレス。

「マリー、お前は私の命だ」
 またまたルドルフの部屋にて。檀ちゃんはクリーム色のドレスに黒のアクセント。ゆら・エリザベートとばったり会っちゃうのだけど、エリザベートは息子思いの優しいお母さん。ゆらちゃんは余裕の演技。お帰り〜、ゆらちゃん!タッチの差でルドルフが部屋に来て、「まだ動悸が収まっていないようだね」って胸に手を当てるあたり、も〜ラブラブ!「驚かせたおわびのしるしとしよう」(って何言ってんだか!はぁ〜、やってられん!)と指輪を渡すルドルフ。何やらいわくがあるらしく、日付を見てと。まぁ、2人の「私たちの…あの日」が刻んであるそうな。「恥ずかしいわ!」と抱きつくマリー。(勢いついて半回転しちゃうのよ〜!いいなぁー)あ〜、もう勝手にしてくれー!さらにもう一言。「死の後まで愛によりて結ばれん」。こちらはちょっと意味深で重たい…。哀しげなデュエットになり「マリー、お前は私の命だ」とルドルフ。この辺りから空気が変わりますね…。

 卯城さんの告げ口で父に怒られるルドルフ。マリーの修道院行きを決めた父に怒るマミちゃんがすごい迫力でコワイ。「父上!」の叫びでデスクからペンが落ちちゃう回も。そして冒頭の舞踏会になるわけです。はーなるほど。

「帰ることができない旅だ」
 この舞踏会、冒頭ではちょっと端折ってあるけど、めっちゃ哀しい。踊りながら旅に出ることを打ち明けたルドルフに「いつお帰りになるの?」と無邪気に聞くマリー。マミちゃんの答えは「帰ることができない旅だ」。周りはみんな楽しそうに踊っているのに、檀ちゃんと会場は息つまる一瞬。冒頭の「来週の月曜…」になるわけです。曲は楽しいワルツなのに、ここが一番の泣きのポイントなんです、私。

「そんなに苦しんでいらしたの?私にも分けてください、早く!」
 そしてマイヤーリンク。ルドルフとマリーは無邪気に遊んでいるのでした。やっぱりまだまだ幼いのねぇ。かくれんぼは狼役者マミちゃんの面目躍如。隠れるのが下手な檀ちゃんがまた可愛い。「結構不器用だな…」って言われるのも仕方ないわ。よくアドリブが入るのだけど、檀ちゃん、なかなかノリは良いとみた!また、セリフに詰まった檀ちゃんに「どうした?大丈夫か!?しっかりしろ〜」なんていうマミちゃんはお茶目!保護者してます。狼男ごっこでは懐かしのジェイソン様にお会いできますぅ〜!「食べちゃうぞ〜」に「じゃあどうぞ!食べてください」になるのはワカル〜!結構大胆ね、マリー!捕まえられて椅子に座ったマミちゃんのお膝でユラユラ揺らされるマリー、いいなぁ…。マミちゃんにゆらゆら…はぁー羨ましい!ここがふざけて楽しいほど、次の「本当に怖くないのか?」がシリアスで胸にグッとくるのです。「そんなに苦しんでいらしたの?私にも分けてください、早く!」もーやってられーん!でもやっぱり怖いのでしょうか、マリー。「行くときはおっしゃらないで…」ルドルフも「大丈夫、一瞬のうちに行けるから…」。切ないやりとりです。

「マリー、静かに…」
 死の寝室…。眠れないマリーを後ろから抱きしめるルドルフが優しくていいわ〜。「マリー、静かに。目を閉じて」、マミちゃんって何て包容力があるんだろう!「マリー、静かに…」抱きしめるルドルフも目を閉じて、愛するものを手にかけなくてはならない苦しみ、いじらしいマリーへの愛情が痛いほど伝わる…。そしてまたワルツ…。ピストルを手にしたルドルフ、やはり撃てず一度ためらうルドルフの苦悩の表情が泣けます〜!暗転後もちゃんと自分に銃を向けるマミちゃんに役者魂を感じる…。

「花の如く萌え出でて 花の如く散りぬ」
 最後の結婚式、一緒に埋葬されなかった2人だけど、天国では幸せに…。マリーの墓碑名に刻まれた「花の如く萌え出でて 花の如く散りぬ」は全くもってその通り!マリーの檀ちゃんは可憐な青い花だった…。陰ソロの嘉月絵理ちゃん、那津乃咲ちゃんが上手!2人が後ろを向いて舞台奥に歩いていくところ、寄り添う檀ちゃんが可愛い。良かったね〜、天国で幸せになってね〜!

 …と涙ダラダラでしたが一言。「乳児は連れてくるなぁ〜!!」しかもラストに泣き出す(叫び出す?)なんて!ヒドイ!柴田作品はやはり良い!これぞ宝塚!、古典的な作品って良いわ〜。年配のお客様も多かったし、みんなこういう古典が観たいのでは?こういう宝塚の古き良き伝統を持つ作品を見習って、今風なだけの駄作を観せないでほしいものです。

最後に主演のお二人。
【真琴つばさ】
 …もう何も言うことはないでしょう。新しく若い嫁をもらったことで、今までの魅力に包容力が加わり鬼に金棒!お化粧や髪型、衣装の着こなし、スタイルはひたすら美しい。セリフは明瞭、低くて甘い声、男役の色気がにじみ出ててイイです。歌も持ち前のハスキーで鼻にかかった声が功を奏してぴったりだったのでは。劇中劇やかくれんぼでは軽妙な芝居を見せ、シリアスなシーンの眉間のシワもたまらない!もう一つの大発見はラブシーンの上手さ!以前からあんなに上手かったっけ?テレやごまかしが全くなくて、思う存分入り込めます。それと男役の様式美というか、型がキッチリと決まっていて危なげないのも素敵。“女”が演じていることをみじんも感じさせない、さすがのキャリア!ワルツも技量うんぬんより、型が美しく、決めのポーズが完璧。身のこなしも袖に引っ込むまできりりとしていて目が離せない!そして軍服姿の美しさ!体型補正や姿勢がいいのでしょうか、どれも似合ってて着せ替え状態はウハウハでした!

【檀れい】
 今公演からの新妻。口うるさい小姑の中でさぞかしやりにくかっただろうけど、花マル!いろいろ書籍やビデオで調べたけど本当に、抜擢だったのね。それがまた初々しくてマリーにぴったり。私的には演技も歌も外見も全く問題ありませーん!あの可憐な声は耳に快くて、ふわーとした脳内麻薬物質が分泌する…。前の嫁、ユウコ姫には尊敬し、感動し、感謝していたけど、檀ちゃんは溺愛しようと決めた私だった。あとはもうちょっとウエイトを絞ったほうが良いかな?(何しろ月組トップ2はvery細いので)



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