統合失調症

病気の大まかなあり方

 統合失調症は十人十色と言われる程、様々な症状と経過があります。
 主に思春期から30歳までの間に発病する慢性の精神病です。
 元来内向的で人との交流が少ないことが多く、ある時期から理由もはっきりしない不登校や欠勤が始まります。次第に生活全体が不規則で、積極性に欠ける不規則な生活が続いている内に非常識な行動が目立つようになります。そこで家族や友人が本人を精神科を受診させることになります。
 一方突然表情や感情や行動が、日常生活から急速に激変して、誰が見ても普通のあり方からはずれる事によって家族や友人があわてて本人を精神科を受診させることもあります。しかしこういう急激な発病はそれ程多くはありません。病気の始まり方は様々ですが、病気の根本には患者本人と外界との間に何とも形容し難い溝が生じています。その溝に基づいて最初に述べた十人十色の発病の仕方や症状や経過があります。病気の症状や経過をあまりにも細かく書くことは不可能です。従って次にこの病気は大まかに 4 型 があることと、簡単な説明を記述するに止めます。治療によって現状より良くなる事は確かです。普通の社会生活が出来る人も少なくありません。

統合失調症の4つの型

 次の 4 型 に分けられますが、厳密にいえばはっきり分けられるものでもなく大雑把な型であり、時には長い経過中に病型が変化することもあります。それが治療による変化なのか、病気特有の変化なのかもわかりません。

  • ①破瓜型

     統合失調症の基本型とされています。昔は思春期を破瓜期といい、その年頃に発病するため破瓜型とされるようになりました。発病初期は徐々に怠け者になりやがて無為自閉的になり人格が荒廃していく、とされていましたが、治療によって上記の症状が改善し、人格水準が低下する事態には至らないことが多くなりました。

  • ②緊張型

     突然理由のわからない興奮と粗暴な言動が発病当初にある場合と、専門用語でいう昏迷(こんめい)と称される無言、無動の状態に突然なることから始まることもあります。私の臨床経験では半年以上、ベット上に仰臥する昏迷の人がいました。体位を交換しても褥瘡が出来て、その治療にも難渋したことがあります。良くなってから「私が動くと肉親が地獄に堕ちるから動くな、という声が聴こえたため、動けなかった」と語りました。上記の両方を交互にくり返すこともあれば、一方だけの場合もあります。

  • ③妄想型

     一般的には発病年齢が他の病型より遅く、30~35歳以降のことが多いといわれていますが、思春期、20歳台から始まる人も少なくありません。
     妄想とは、現実とは異なる本人だけの誤った確信のことです。他人には了解不能で共有できません。他人から被害を受けるという被害妄想が主ですが、他にも注察妄想、恋愛妄想、嫉妬妄想等、色々な妄想があり、誰もいないのに声が聴こえてくる幻聴を伴なうことがよくあります。身近な人は妄想を否定したり肯定せず、静かに聞くことが大切です。上の空で聞くのではなくて、まじめに受け止める懐の深さが大切です。長い経過をたどりますが人格水準の低下は比較的軽いとされています。近年精神医学が進歩したため、症状が完全に無くなることがあります。この症状が無くなった状態を寛解(かんかい)と言います。寛解(かんかい)状態を維持する為に通院を続ける必要が有ります。

  • ④単純型

     特殊型として教科書に記載されないこともありますが、人との交流が希薄で、頭のまとまりが悪くて混乱したり、考えが突然止まって頭がまっ白になって、何を考えていたかわからなくなること、感情の起伏が激しいことと逆に感情が平板でほとんど起伏がないことや、不安、さみしさを小学生の頃から症状として抱えている人達も少なくありません。幻覚や妄想はありません。
     「自分が誰なのかよくわからない。常識がわからない」と初診時に訴えた思春期の患者さんが、約10数年後に「調子が良いです。会社でも先輩にいじられています」と社会に溶けこめるまで良くなりました。さらに数か月後には「ようやく自分の意思で動けるようになった。仕事が楽しくなった」と笑顔を浮かべて語れるまでになりました。いずれにせよ治療によって普通の生活を送る人が多い病気です。是非受診して下さい。

五島メンタルクリニックは全力を尽くします。共に頑張りましょう。