愛・地球博 体験記
EXPO REPORT

日本ゾーン  Japan Zone
公式HP日本ゾーン

 日本ゾーンは、地球時代に貢献する日本の役割を力強く訴える情報発信の場であると同時に、多様性を秘めた日本の文化を総合的に紹介する場として展開します。
 
※万博の各パビリオン内は、携帯電話の使用、カメラ・ビデオ撮影、録音、飲食、喫煙禁止されています。マナーを守って利用しましょう。

長久手日本館  長久手愛知県館  中部千年共生村  名古屋市パビリオン・大地の塔

日本ゾーン所在地
<長久手日本館>
Nagakute Nippon−kan

長久手日本館(昼)
出展: 日本国政府(経済産業省)
HP: サイバー日本館 http://www.nippon-kan.jp

<コンセプト>
「つなぎ直そう。人と自然」
 長久手日本館は「日本の経験、“20世紀の豊かさから21世紀の豊かさへ”」をテーマに、人と自然とのつながりを取り戻すことの大切さを呼びかけます。私たちの住む地球が、今どのような危機を抱えているかを知ると同時に、その地球がかけがえのない場所であり、いかに素晴らしい星なのかを実感することができます。日本の過去の経験をもとに、人の知恵と技術の活用によって、再び育まれようとしている「人と自然とのつながり」を探っていくパビリオンです。

<構成>
ZONE1
 人類共通の危機〜失われだした人と自然のつながり〜

  地球の環境問題を、1・2階吹き抜けの中を漂い、崩落していくさまざまなスクリーン映像で表現。

ZONE2
 ホワイエ 日本の源流と変容

  日本人の暮らしの原風景と、エネルギー消費の増大をビジュアルで提示。
 日本経験〜日本人は自然と生活をどのようにつなげてきたか〜
  動く歩道で移動しながら、60年間の日本人の生活と、自然のつながりの変化を振り返る。
 地球の部屋 ホワイエ  データで見る地球
  過去から近未来まで人間が地球に与えてきた影響を、「地球シュミレーター」とデータ映像映像で紹介。
 ジオスペース 自然環境への宇宙からの視点
  太陽からのプラズマやエネルギーと地球環境との関係を、立体ディスプレーを使用した立体映像で体験。
 地球の部屋〜地球の生命力/地球とつながる時間〜
  直径12.8mの球体スクリーンで、見る映像体験から映像に包まれる実体験へ。

ZONE3
 挑戦する人々

  地球環境の未来に挑戦する人々を、写真や映像で紹介。
 A.自然と生命 自然の叡智に「学ぶ」・生命科学
  循環する豊かな自然の生態系と、すべての生命源であるDNA・遺伝子の世界を表現。
 B.人と技術 自然の叡智を「活かす」・協同と参加
  環境と共生する新しい暮らし、コミュニティーを表現。新しいエネルギーを表現したボールサーカスを展示。
 C.技術と自然 自然の叡智で「創る」・先端技術
  ナノテクノロジーの一例として、淡水魚と海水魚をひとつの水槽で飼育するナノバブル水槽を展示。
 パビリオンの試み
  長久手日本館の模型とCG映像により、パビリオン建築で試みられている環境と調和する数多くの技術を紹介。

<環境への取り組み>
巨大な竹かご
 軽量でリサイクル性のに優れた巨大な竹かごは、日差しを和らげ涼しさをつくりだす。
壁の緑
 日のあたる南側の外壁は、コクマザサの苗床を取りつけた緑化壁面となっている。蒸散作用によってまわりを涼しくする。
水の流れる屋根
 上部から水を流して、気化熱で屋根を冷却する。水は、会場内で発生する汚水を処理して利用。
間伐材
 パビリオンの柱は、小径の間伐材を9本束ねて利用。接合部には、金属を使わず竹の筒を利用。
外壁とレンガ
 北側の外壁には、微生物が分解できるバイオプラスチックを使用。レンガは、自然に同化しやすい。
ICタグ
 主要建築材や設備機器にICタグを取り付け、会期終了後のリユース・リサイクル状況の追跡が可能。

<開館時間>
9:00〜21:00
<観覧所要時間>
約50分

瀬戸日本館へ


体験レポート
<1回目>
 長久手日本館は、竹篭を伏せたような外観。どうやら、暑さを和らげて冷房効率を上げるのが目的らしい。入口までの通路にも、植物を植えた壁などがあって、土のにおいがした。
 さて中身はというと、大きく3つのゾーンに分かれている。「ゾーン1」は、環境問題を映像で紹介。通り抜けです。「ゾーン2」は、昔〜現在の移り変わりを写真や絵で紹介。次に動く歩道に乗って昭和〜平成にいたる日本人の生活の移り変わりを模型や実物などで紹介。150秒間のタイムスリップです。昭和のにおいがする懐かしいものがたくさんありました。そして、裸眼立体映像(特殊眼鏡が不要)と、世界初の360°球体スクリーンを体験。通路などには、データで見る地球というのを映像で紹介していました。「ゾーン3」は、森の中をイメージしたと思われるつくりになっており、最新技術を映像や現物などで紹介。
 特に印象に残ったのは、球体スクリーン。CGを映し出してるんですが、自分自身が一緒に動いているような、なんとも不思議な感覚に陥ります。どうやって映し出してるんでしょうか。やっぱりプロジェクターなんでしょうか?そしてもう一つは、ナノバブル。なんと、淡水魚の鯉と海水魚のタイが同じ水槽で泳いでいます。本物です。どうやら、ナノバブルという小さな泡によって、魚の環境適応力が上がるということらしいです。すごいです。一見の価値あり。
<2回目>
 長久手日本館への入館も2回目となります。今回は事前予約のため、2時間待ちの列とは別の入口に並びます。何だか、優越感に浸れます。1回目(4月)に入館したときは、平日の夜だったため、30分待ちで入れましたけどね〜。さて、板張りの階段を上がって2階に進むと、ゾーン1。さらにゾーン2と進んでいきます。2度目でも、やはり”昭和遺産”を見ると懐かしいですね。いよいよ今回の目当てでもある、360°全天球映像シアター、地球の部屋へ。1回目のときは海をイメージしたバージョン1の映像でしたが、6月から森をイメージしたバージョン2も上映されており、偶数日にバージョン1が、奇数日にバージョン2が上映されるようになりました。当然バージョン2を予約して来たわけですから、ワクワクします。
 バージョン2の映像は、森の中の生き物をダイナミックに描いた作品になっており、バージョン1でもそうでしたが、CGながら迫力物です。球体スクリーンのため、映像と一体になれる感じがしていいですね。
 そしてゾーン3へ。何気なくブラブラしていたら、新発見!ゾーン3には、ロール紙を利用した柱がたくさんあるんですが、その何本かにのぞき窓があって、中を覗くといろんな映像が流れていたんです。面白いことしてますね。インターネットの公式サイト「サイバー日本館」で申し込み可能な「どこでも日本館」という子供向けのプログラムも用意されており、それに参加している子どもたちは、館内のいろいろなアイテムを探し出していて、ロール紙内の映像も、そのアトラクションの一つかもしれません。ほとんどの人は、気づいてないでしょうね。
<3回目>
 長久手日本館は、今回で3回目。全天球スクリーンでの上映内容が期間によって違うからです。4月に入館したときは、海の中をイメージしたバージョン1の「青の輝き」。7月に入館したときは、空をイメージしたバージョン2の「緑のささやき」。そして今回は、大地をイメージしたバージョン3の「夏休み特別バージョン」。像などの動物の群れが大地を駆け巡り、迫力あるダイナミックな映像でした。7月21日〜8月31日までの限定公開。9月は偶数日にバージョン1が、奇数日にバージョン2が上映されます。そして、ゾーン3でしばらく涼んで行きます。

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<長久手愛知県館>
Aichi Pavilion Nagakute
長久手愛知県館
唐子指南車


出展: 愛知県
HP: http://www.aichiken-kan.jp

<コンセプト>
「環業革命への力」
 「持続可能な経済発展」には、環境を機軸とした新たな産業構造の構築、「環境による産業革命=環業革命」を興すことが必要です。万博を契機に、愛知県が「環業革命」の原動力となることを訴求し、21世紀の環境時代にふさわしい新産業設計図を示します。「環業革命」とは、愛知県館総合プロデューサー・山根一眞による造語です。

<構成>
地球タイヘン大講演会
 江古野 守(えこの まもる)博士が温暖化による地球危機と、それに立ち向かうこれからのモノづくり道を訴える。イタリア・アルプスの氷河から発見された約5300年前のミイラ・アイスマンも登場。ダイナミックな舞台展開、特殊効果、パフォーマンスによるスペクタクルへ。舞台演出は劇作家、横内謙介が担当。
注意:舞台演出上、大きな音や点滅する光が出ます。心臓に疾患のある方、点滅する光を見て痙攣を起こした経験がある方は、観覧を控えてください。

モノづくりギャラリー
 愛知のモノづくりの過去、現在、未来を幅25m、高さ7mの大絵巻で表現。のぞき窓からは、未来のクリーンエネルギー技術を見ることができる。

踊る指南鉄塔(パビリオン外)
 管理塔屋上にあるウェルカムモニュメント。大きな提灯の中からは、1時間に2回、九代目玉屋庄兵衛による創作からくり「唐子指南車」が現れ、技を披露する。

催事空間 あいち・おまつり広場(パビリオン外)
 パビリオン敷地内にある広場。愛知県各地の祭りや伝統行事を展開。県内のさまざまな催しや地域の特産品を日替わりで紹介。ステージの両側には、山車を展示している。

<環境への取り組み>
風力発電
 会期中のパビリオンの全消費電力は愛知県田原市内及び知多市内に設置された風力発電施設により発電されたエネルギーを活用。
ユニフォーム
 愛知県館アテンダント、クルーのユニフォームは、竹のスジスジ部分の繊維を取り出して糸をつくり、合服がウールと夏服がコットンと合わせた生地で縫製。竹は抗菌・消臭性に優れている上、その生地は生分解性を有しており、人と環境に優しい。瀬戸愛知県館と共通。

<開館時間>
9:00〜22:00
<観覧所要時間>
約40分

瀬戸愛知県館へ

体験レポート
<1回目>
 長久手愛知県館には、予め観覧予約をして行きました。並ぶ前に入場券のチェックをします。ICチップなので、携帯機器にかざすだけ。パビリオン前は「あいち・おまつり広場」になっており、県内の祭りや伝統芸能などを披露するようです。
 さあ中はというと、まず「地球タイヘン大講演会」を上演。環境問題などを映像やワイヤーパフォーマンスなどで紹介。映像は舞台正面のスクリーンの他、左右のモニターにも映し出されます。また、主役の江古野(えこの)博士は、名古屋弁で生解説をしてくれます。上演後は、「ものづくりギャラリー」へ移動。愛知県に昔から伝わるモノづくりから、現在のハイテクなモノづくりまでを1枚の絵巻風に紹介。さらに下部の覗き窓からは、模型や映像で新エネルギー技術を見ることができます。出口の先は、中部千年共生村です。

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<中部千年共生村>
Chubu Community for Millennial Symbiosis
中部千年共生村(昼)

出展: 中部広域出展実行委員会(富山・石川・福井・長野・岐阜・静岡・愛知・三重・岐阜)
HP: http://www.chubu1000.jp

<コンセプト>
「1000年の冒険 中部の発見と創造」
 使い続けるといつかはなくなる地下資源。でも、この地球には千年先まで再生可能な資源があります。それは、皆さんのまわりにある植物や動物、昆虫などの生物資源です。中部千年共生村では、石油などの地下資源に頼れない千年先の子ども達にこの豊かな社会を引き継ぐため、「1000年先まで持続可能な社会」の実現を目指し、生物資源を活用した持続可能なモノづくりにチャレンジするとともに、優れた自然の営みを見つめ直します。

<構成>
ミズノバ〜アクア・マジック千年の旅〜
 水が弧を描いて落下する直径6mのドーム。水のスクリーンに映し出される映像ショーと清涼感が、全身を不思議な感覚で包み込む。

千年アカデミアリーナ〜中部9県の展示〜
 中部9県にある再生可能な「4つの力」 (植物力・昆虫力・動物力・微生物力)+「人間力」の活用と、それらを育んだ自然環境の中に、「千年持続品」を発見し、知り、学ぶことができる。展示は、映像やカラクリ人形、ロボットなどといった多様なコミュニケーション手法を用い、五感で体感できるものとなっている。

サイクロプス
 通りがかる人々に「まなざし」を向ける一つ目のロボット「サイクロプス」。名前の由来は、ギリシャ神話に登場する「一つ目の巨人」。人間と同じような構造の背骨と50本の筋肉による「柔らかい動き」が特徴。

ワークショップ
 中部9県の優れた知恵と技の伝統、先端技術、食文化をテーマに、「見て」、「触って」、「作って」、「味わって」、楽しく体験できる。中部9県が週替わりでテーマを設け、ワークショップを実施。

<環境への取り組み>
和紙と繭の外壁
 中部9県の「和紙」とインドネシアの「黄金の繭」を活用。「和紙」は中部9県の伝統的な和紙を用い、地域により異なる風合いを持つ和紙を組み合わせる。また、「黄金の繭」は、インドネシアやマレーシア周辺に生息し、害虫とされているカイコ蛾の一種「クリキュラ」という蚕の繭を、初めて外装材として使用。

<開館時間>
9:00〜21:00
<観覧所要時間>
約20分

体験レポート
 中部千年共生村は、長久手愛知県館のすぐ横にあり、実は長久手愛知県館を観覧後に続けて見ることができます。
 入口を入ってすぐのところには「ミズノバ」があり、噴水状の水のドームの中に入って体験することができるようです。その後は、静岡県・三重県・滋賀県・長野県・福井県・石川県・岐阜県・富山県・愛知県の9県の自然や科学技術を紹介。手に触れたりすることもできます。中でも「サイクロプス」は印象的でした。高さ3mほどのサイクロプスの上部先端にはカメラが取り付けられており、動くものに反応してカメラを向けます。カメラ映像はすぐ横のモニターに映し出されます。そして「ミレニアム・グラフィズム」では、千年先へむけて顔写真やメッセージを残すことができます。また、伝統技術や先端技術を体験できる「ワークショップ」もあります。

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<名古屋市パビリオン 大地の塔>
Earth Tower Nagoya−city

名古屋市パビリオン(昼)
出展: 名古屋市
HP: http://www.n-expo.city.nagoya.jp

<コンセプト>
「日本のこころ・地球のいのち」
 地球のいのちの鼓動とも言える、風や光、そして水の様々な自然の営みを感じ、様々に表現をし、人々の生活に取り入れてきた日本人。「自然の力に畏敬の念を捧げ、独自の文化を育み、多様な価値観を生み出してきたこと」が、まさに「日本のこころ」だと考えます。この名古屋市パビリオン「大地の塔〜Earth Tower〜」で、そんな「日本のこころ」を呼び戻し、「地球のいのち」を感じてください。

<構成> 総合プロデュース: 藤井フミヤ
巨大万華鏡
 巨大万華鏡そのものである塔内部に来場者自らが入ります。見上げるとそこには太陽の光を通して内部に映し出された直径約40mもの球体をした万華鏡の姿を見ることができる。塔の上部に設置した像を描く巨大な具装置が可動することにより、朝や夕方・夜、春や夏、その時々の気候の変化によって万華鏡はその姿を様々に変え、これまでにない体験ができる。

風の音具(パビリオン外)
 白い風車とその下に木琴をまとった高さ8mの不思議な手作りの楽器。上部の風車は、風を受けて回転することによって動力を蓄え、音を奏でる楽器の動力として活用している。また、風車部分には、太陽光を受けることで電力を蓄え、補助動力としても活用することができる機能が付加されている。

切絵提灯(パビリオン外)
「大地の塔」の外周に設置される「切り絵灯籠」。市民参加によって作られるこの灯籠は、塔の外周を彩り、人々の足を止める。夕暮れには灯りがともり、昼間とは全く違った幻想的な表情を見せてくれる。

<環境への取り組み>
ごみ焼却灰、汚泥の利用
 万華鏡の外壁は、名古屋市で下水を処理する時に発生した汚泥の焼却灰を混ぜた材料でつくっている。また、敷地内の舗装の一部には、名古屋市のゴミの焼却灰を熱で溶かしてつくった骨材を混ぜた舗装材を使用。

光触媒の活用
 万華鏡の外壁には、最新の光触媒技術を使った塗装を施している。光触媒の作用により、空気中の窒素酸化物を分解するとともに、水の演出と塗料の持つ高い親水性により、建物周辺の温度上昇を抑え、建物内の冷房負荷を軽減する。

<開館時間>
9:00〜21:00
<観覧所要時間>
約20分

体験レポート
 名古屋市パビリオン・大地の塔は、巨大万華鏡が展示されており、入口前にもギネスブックの認定証のレプリカが飾られていました。階段で2階へ上がると、もう万華鏡の中です。室内は少々狭い感じがします。それから、見学中はずっと上を向いているので、首が疲れます。壁の一部に上向きの鏡が張られているので、それを眺めるのもいいでしょう。万華鏡は、当然ながら1日中休まず回り続けている。ご苦労様です。感想は、確かに綺麗ですが、他には何もありません。光が生み出す幾何学模様を堪能するといったところでしょうか。見学者はどんどん室内に押し込められますが、1人あたりの見学時間が短いせいもあってか、込み合うことはなかったです。ただし、昼間はどうなのか分かりませんけどね。完全入れ替え制にでもしているんでしょうか。

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Photo:© AICHI-univ.Night-GolfClub 2005.