メモリとは、データを電気信号に変えて、一時的に記憶するデバイスです。 「メモリ」に「メモる」わけです。(^^)
また、CPUはHDDに対しての、データや命令のやり取りも全てメモリを仲介しています。
メモリを例えるなら、作業するためのテーブルですね。 これが小さいと、一度に多くの作業が出来ないし、テーブルが散らかると、効率良く作業ができなくなります。
そこで登場するのが、スワップファイルですが、 これは、いっぱいになったテーブルの上の、いらないものを一時的に別の場所(HDD)へ移動し、 テーブルを整理するためのものです。別名「仮想メモリ」ですが、 これが結構やっかいな存在なのです。なぜ? って・・・、HDDを荒らすは、容量は食うは・・・。
しかも、HDDが読み書きする速度は、メモリのその速度より、桁違いに遅いので、 スワップファイルが多く発生するってことは、PCの作業速度が遅くなる!! ってことになります。
つまり、メモリが足らなくなると、HDDに古い内容を移行して、新たに作業スペースを作るようになるわけで、 HDDはその一部をメモリに食われているわけです。(スワップファイルの中身なんて、 クリップボードや、履歴、一時データがほとんどなので、作業を保存した状態の時に削除しても、PCになんら悪影響はありませんが、 削除する場合は自己責任でね♪)
ということで、「メモリの増設」という作業が PCのスピードアップに大きく関わっていることがわかります。32MBから、64MB。 さらに、128MBに増設した場合は、はっきりと処理時間が速くなったことを体感できるはずです。
メモリの値段は安く有りません。特に、メーカーの純正品は高価です。メーカー製のPCを使っている場合は、動作確認の取れたメモリをお薦めします。(I/ODATEや、メルコ等が発売しています。) DOS/Vの場合はほとんどのメモリがすんなり使えるはずです。これはマザーボードの違いです。、メーカー品のマザーボードの性能よりも、DOS/Vのマザーボードの性能ほ方が、幅もあり勝っているからです。
メモリが不良であったり、相性が悪いと、確実にPCは不安定になります。
パソコンの高速化にはメモリ増設が効果的です。ソフトの立ち上げ等の場合に速くなるのがわかるはずです。
また、スワップファイルの大きさは、基本的にはメモリ容量を越えない。 言い換えると、メモリ容量が大きくなると、スワップファイルも大きくなるので、 HDDの残り容量が少ない状態での増設はお薦めできません。(スワップファイルの設定は可能ですし、 「何とかしたい!!」あなたは、 「Windowsの必殺技」を参考にしてね♪)
SIMM=Single Inline Memory Module。
DRAM(Dynamic RAM)と呼ばれる低価格、大容量のチップを使用しており、 裏も表も同じ信号が出ている。30ピンと72ピンがある。 (最近、30ピンはほとんど見なくなったなぁ・・・)
「JEDEC」がピン配列を定めているので、メーカー各社の製品に互換性があります。
Mac用もDOS/V用も同じ規格なので、メーカーの純正品を付けなくてもちゃんと動くはずです。
(一昔前の機種で一部、独自の規格のSIMMを使用している機種があるので注意!)
DIMM=Double Inline Memory Module。
裏と表では、独立した信号が出ており、 72ピン・144ピン・168ピン等が有ます。
デスクトップ用の168ピンのDIMMは、 64ビットのデータバス幅を持っているのでペンティアムでも 1枚単位で増設できます。
最近はこの168ピンのSDRAM DIMMがデスクトップ用として主流です。
ノートはSO(Smaii Outline) -DIMMと呼ばれる144ピンの大きさの 小さいDIMMを使用しているマシンが主流です。
SIMMとDIMMの混在は可能な場合もありますが、お薦めできません。
SIMMからDIMMへの過渡期のマザーボードにはSIMMソケットとDIMMソケットが両方有る物が有り、 説明書に混在可能と記載が有る物は出来ますが、そうでない物は一般的にSIMMは5V、 DIMMは3.3Vなので、不都合が出る場合が有ります。 (メモリに不具合のあるPCはまともには動きません)
動作電圧については、デスクトップ用の72ピンSIMMは、ほとんど 5Vです。
また、168ピンのDIMMは、大半が3.3Vですが、 旧Mac用や一部機種に5V用があります。
DIMMは動作電圧によってみぞの位置が違い、 ソケットに出っ張りがあるため間違ってささらない様になっています。
SD−RAM=シンクロナス・ダイナミック−RAM。
インテルでは、430VX以降のチップセットを使用している マザーボードが、SD−RAMに対応しています。このSD−RAMは、今までのメモリよりも アクセススピードが速く、(12ns,10ns等)クロックに同期してメモリの高速化を実現しています。
SD−RAMは、168ピンDIMMとして製品化されており、 430VX以降搭載の機種に採用されており、現在は、ほとんどのデスクトップに採用されています。
最近はCPUのベースクロックが100MHz以上 の時代になったことで、SD−RAMの特性が生かせるようになりました。(SD−RAMは、 かなり相性が有るので、DOS/V以外の機種は動作確認の取れた物を購入しましょう。)
440LXは、相性が厳しく動作しないSD−RAM DIMMが有ります。 440BXにはPC−100、 i815にはPC−133というメモリをお勧めします。
メモリの3枚差しはPCが不安定になる原因という話もありますので、2枚差しまでをお薦めします。また、メモリの大きさは同じ方が安定するようです。
VXチップセット等、古いマザーボードを使用する場合は、128MBなどの大きいメモリは認識しない場合もありますので、注意してください。
ベースクロックともいう。システムの基本となる、周波数の事です。
メモリもこのクロックに同期して動作しています。
CPUはこのクロックを、何倍かに倍速して動作させています。
例えば、セレロン/333の場合、ベースクロックが66Mhzで5倍速にして333Mhzにしています。
PentiumU/350以上は、ベースクロックが100MHzです。PentiumV/500は100×5ってことになります。
このベースクロック100Mhzに対応しているのがPC/100規格のメモリです。
Column Address Strobe Latencyの略です。
メモリの性能表示に「CL2」などとあるのが、これです。
SD−RAMは、ベースクロックに 同期してデータのアクセスを行っているので、CPUからメモリのアドレス信号が出て、メモリが応答するまでに時間がかかります。この時間が3クロックかかるものをCL=3と言います。
2クロックかかるものがCL=2です。(CL2のメモリの方が高速なアクセスが可能です。) CL2とCL3は値段的に、そんなに変わりませんし、同じ条件で動作させた場合はCL=2のメモリの方が安定しています。
(CL2とCL3では体感的にわかるほどは違いません。)
最近は見かけなくなった2クロックですが、一昔前のマザーボードでは2クロックのみしか対応していないものが有るので注意して下さい。
SD−RAMは、クロック用の信号線の数が2種類有ります。2クロックは信号線が2本、4クロックは信号線が4本です。
2クロック用のマザーボードには、4クロックのメモリは使用できませんが、逆に4クロック用のマザーボードには2クロックのメモリも使用できる場合が多いです。
メモリにはSPD(Serial Presence Detect)というチップが付いている物が有ります。
これは、メモリの仕様が書かれたROMで、パソコンが起動する際に情報をパソコン側に伝えます。(一部の機種では、このSPD付きのメモリでないとメモリを認識しないものもあるので注意が必要です。)
SPDに対応したマザーボードは自動でメモリのアクセスタイミングの設定をします。(SPDにCASレイテンシの情報も書きこまれています。)
データがメモリの故障等の理由で化けたりするのを検出するために、8ビットあたり1ビットの余裕をメモリに付けました。これがパリティーです。
1枚の72ピンSIMMはこれらが4枚分あるので、パリティー無しだと32ビット、パリティー有りだと36ビットのデーターバスを持っていることになります。
Macintoshはパリティー無しですので、パリティーなしメモリでO.Kです。
ペンティアム搭載のPCやDOS/V機もほとんどパリティー無しでO.Kです。
486系や、古いDOS/Vは、パリティー有りがほとんどです。そのためパリティー無しのSIMMは使用できません。(メーカー指定がパリティー付きでも、パリティー無しメモリーが使える場合もあります。)
また、BIOSでメモリも「パリティーチェックをしない」設定に出来ればほとんどの場合、パリティー無しメモリが使用出来ます。(Memory parity chekをDisabledに設定できれば、パリティーなしメモリが使用できます。)
パリティー有のSIMMは、バザーボードがパリティーの有無に関わらずどちらでも使えます。
メーカー製PCの場合、標準で付いているメモリがパリティー無しなら、当然パリティー無しメモリーが使用できます。
その見分け方は、SIMMのチップの数で大体判別できます。(使用しているチップの数が、2,4,8,16個の場合はパリティーなしメモリ。使用しているチップの数が、6,9,12,17,18,24の場合はパリティー有りメモリの可能性が高いです。)
パリティージェネレーターとは、パリティーチェックをしないのにもかかわらず、しているように見せかけるチップを付けたメモリです。
これは、パリティー有りしか使用できない機種にでも、使用できるようにしたものです。
擬似パリティー有り的なものですが、100%はパリティー有りの機種には対応してないようです。
Error Checking and Correctionの略で、DRAMのダブルビットエラーを検出することと、シングルビットエラーの自動修正が可能です。(従来のパリティーチェックは、メモリにエラーを検出するとシステムの動作を停止してしまいますが、ECCメモリはエラーを自動修復し、動作を停止しなくても済みます。)
ECCメモリ対応の機種は、サーバー用等の上位機種のPCや、DOS/Vのマザーボード採用されてるものが多いです。
ECC搭乗のメモリをECC対応でないパソコンで増設は出来ても、ECC機能は働きません。
また、ECC無しのメモリとECC付きのメモリの混在も出来ますが、ECC機能は使えなくなります。
BIOSでECCの設定ができる場合は、使用のメモリに合わせる設定にしてください。(autoの場合は変更しなくて良いです。)
DRAMのアクセスタイムのことです。(ns=ナノセカンド)
1ns=10億分の1秒です。数字の小さいメモリ方が速いということです。
メーカー指定が70nsの機種に、60nsのSIMMも全く問題なく使用できます。
これを、「上位互換」といいますが、逆に、60nsの指定に70nsのメモリは使えません。(50nsについても、同様のことが言えます。)
また、60nsと70nsの混在についてですが、問題無く使える場合が多いです。
早いメモリを付けたからと言って、処理速度が体感できるほどではありません。(BIOSの設定でアクセスタイミングの変更できる機種は60nsの方が少し速くなります。)
バンク単位では同じ規格を使用することが基本です。
CPUがメインメモリから読み出したデータを貯えておくメモリです。再度同じデータが必要になったとき、メインメモリにアクセスしなくても、キャッシュメモリにアクセスさせ、スピードを上げるためのメモリです。
このメモリは、メインメモリよりも高速アクセスができるSRAMが使用され、全体のパフォーマンスを上げています。
また、このキャシュメモリには内部キャシュ(1次キャッシュ=L1)と外部キャシュ(2次キャッシュ=L2)の2種類有ります。
PenVの場合、1次キャシュは32KB、2次キャシュは256KBor512KBがCPUに内蔵されています。
メーカー製PCで、初期のCeleronマシンは2次キャッシュが「0」というものも有りましたが、それらはマザーボードにキャッシュを持たせていました。(汗)
CPUのパワーは周波数よりも、2次キャッシュとその効率によるところが大きいのです。Cel−500と、PenU−400とをベンチマークテストした場合、PenU−400の方がかなり優秀な数値を出します。
2次キャッシュが少ない(ほとんど無い?)CeleronマシンはインターネットPCと言われてますが、インターネットの場合、CPUの仕事はファイル処理が主であるため、演算処理や描画処理能力はあまり必要ではありません。したがって、周波数が同じならPenVでもCelでも大きな差はないのです。
しかし、総合的な作業をする場合、2次キャッシュの大きさははっきりと体感できる程、重要になってきます。その差はCPUの値段を見ても歴然ですよね。Cel−700と、PenV−500のどちらを買うか?私なら迷わずPenV−500を買います。(^^)
Extended Data Outの略で、出力データの有効期間を長くする機能を追加し、シビアなアクセスタイミングに対応しやすくしたものです。
その他の構造はFastPageメモリと同じで、結果としてアクセスタイミングが高速化します。
旧タイプのペンティアムCPUを搭載したパソコンの高速処理能力に応える性能を有しています。
60MHzのペンティアムに、なんとか追随出来る程度で、それ以上はウエイトをおいてアクセスを遅らしています。
体感できるほどではありませんが、FastPageメモリより少し速くなります。(EDO、FastPage共に、SIMMタイプのメモリです。)
中古ショップなどで、手に入る。(品薄の為、高価なモノも有るらしいが、一般ユーザには関係ないか・・・?)
チップセット、BIOSの両方がEDOに対応していなければ、このメモリは使用できません。
スピードは50ns程度です。現在のPC100(100Mhz)をnsに換算すると10nsなので、いかに以前のメモリが遅かったか、わかると思います。(^^)
バッファ付をBuffered、バッファ無しをUnbufferedと言います。
これは、メモリ基板上で電流の安定させ、ノイズを無くす為に付けられた部品で、サーバー用等の一部機種に用いられています。(ほとんどのメモリはバッファ無しです。)
メモリの処理速度を上げるために、2枚1組のメモリを交互にアクセスする機能です。
この機能でアクセス時間を短縮し、CPUの待ち時間を減らします。(マッキントッシュの7500、7600、8500、9500等で採用されています。)
SIMMは1枚のデーターバスが32ビットです。ペンティアムは1度に64ビットでアクセスするので、2枚1組で使用します。
DIMMは64ビットのデーターバスなので1枚単位で使用出来ます。
一般的に、Windows98を使用する場合の推奨メモリ容量は32MB以上、アプリケーションを同時に使用する場合はアプリケーション毎に4MB以上のメモリ容量が必要となります。
最近の主流のメーカー品は64MBのメモリを搭載していますので、数字の上では足りていますが、これでは快適とは言えません。
「64MBあれば充分」と言われた時代も終わり、現在は「128MBは必要」と言われるようになってきました。
アプリケーションを同時に幾つも使ったりと、ハードな使用環境であれば、256MBをお薦めします。
128MB以上では、体感的に激変は有りませんが、マシンの安定性は確実に増します。
メモリは静電気や磁力に非常に弱いので、特に冬場はアースを行いましょう。触る前に金属に触れると良いですよ。(もちろん、パソコンの電源コードを抜いてから増設しましょう。)
SIMMの場合は取り付けルールが有りますので、説明書等でで確認してください。
DIMMは少々きつめですが、垂直にまっすぐ差すと、左右の金具が締まり抜けない様になっています。(この時、左右均等に力を入れて下さい。)
その後、PCを起動して、BIOSの画面や、マイコンのプロパティで容量を確認して下さい。
メモリの取り付けに関わるトラブルは多いので、エラーや、起動不能、メモリ容量の不足の場合は、取り付けがしっかり出来ているか確認して下さい。(差し込みが不完全で認識され無い場合が良くあります。)
取り付け後の不具合については、相性、製品不良によりPCが不安定になる場合もあります。特に、メーカー製のPCは、動作確認の取れたメモリを使いましょう。
BIOSでメモリの設定が出来る場合は、チェックしてみましょう。ディフォルト値でうまくいかない場合は、設定の変更が必要かも知れませんので、BIOSの説明書を良く読んでね。(ABITのEB6−Uの取説は、全部英語だったけど・・・)
マイコンのプロパティでメモリ容量が1MB少なく表示されるとこがありますが、強制的にWindowsに取られている場合がほとんどなので、問題無いでしょう。
その例として、
レジストリが破損している場合も有りますので、その場合はレジストリを修復して下さい。(^^)
- メモリの報告値とインストールされたメモリ容量が一致してない。
- Himem.sysがEISAコンピュータのメモリをすべて使用していない。
- Config.sysまたはAutoexec.batファイルからロードしているドライバまたはプログラムがメモリを要求している。
- System.iniファイルからロードしている仮想デバイスドライバが、RAMの一部を要求している。
- プロテクトモードドライバがメモリの不一致の原因となっている。
- CMOSの設定により、RAMの一部が無効化されている。
- System.iniファイルの”maxphyspage=”パラメータで、Windows がメモリの使用を制限するように設定されている。
- Ramdrive.sysがConfig.sysファイルでロードされている。
- マザーボードに統合されたビデオアダプタを使用している。
また、古いマザーボードによってはメモリ自体の容量に制限がある場合や、メモリの合計容量に制限がある場合も有ります。